ブックワームのひとりごと

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『ジェンダー史10講』姫岡とし子 岩波新書 感想 ヨーロッパの性差を振り返ってみる

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ジェンダー史10講 (岩波新書 新赤版 2010)

 

あらすじ・概要

「男は外で仕事をし、女は家で家事をする」というジェンダー観は当たり前のものではなかった。歴史をひもとくと、女と男の関係は一定でなかったことがわかる。一体いったいいつからジェンダー観は今のようになったのか。家族、仕事、戦争などテーマごとにヨーロッパのジェンダー観の変遷を解説する。

 

ジェンダー観はあやふやで社会の影響を受ける

ヨーロッパのジェンダーがどのように変遷してきたのか説明する本。

一言に女性に抑圧的な社会と言ってもいろいろあるんだなと思います。男尊女卑の社会であっても、それにどういう理由付けをするかは時代や文化によって変わります。そして人々は時代の雰囲気と強く結びついています。この本で取り上げられている女性も同じです。特に第一次・第二次世界大戦のあとは戦争に必要とされた男らしさ、女らしさが強調されることとなります。

こういう話を読むと人間の自由意思とは何なのだろうと思います。私もできれば他人の自由を認めたいですが、過去の国民国家の思想を無意識のうちに受けています。

ただぼんやりしているだけだと当たり前を疑わないから、ジェンダー史という形で歴史を別の視点から見るのが大事なのだと思いました。

 

ヨーロッパも禁欲主義的な部分だけではなく、性的に奔放な時期もあったようです。昔=性を抑圧するというのも偏見ですね。

 

本の内容がヨーロッパの一部のジェンダー史に偏っているため、世界中のジェンダー史を振り返るような内容ではありません。著者も認めていることではあります。

内容が悪いわけではないですが、これを『10講シリーズ』に加えることは強引だったかもしれないですね。

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