あらすじ・概要
イスラーム圏で働くとはどういうことか。キャビンアテンダントや駐在員、日本でイスラーム圏の人々の観光業に従事する人に聞き取りを行い、その体験談を文章にまとめた。イスラーム圏といってもアラビア、南アジア、東南アジアで文化の差があり、働く人の悩みも変わる。
読みやすいけどきれいごとでもない話
イスラーム圏で働く日本人たちの実体験を描き起こした本。岩波新書にしては柔らかめで読みやすい本でした。
それでいて、学者には書けないだろうなあ……というシビアな話や駐在の人にしかできない経験がすごかったです。
駐在先で戦争に巻き込まれて人間の盾にされた人、女性支援の活動をしていたことで頑迷な地元の人たちと折り合いながら交渉を続けていた人とすさまじい経験をした人もいます。
一方で、パキスタンのように宗教間の軋轢が少ない場所があったり、おそらくイスラム教由来ではない文化や価値観があったり、「日本人がぼんやり想像するイスラーム」とは異なっています。
正直イスラーム圏の人はすばらしいという話ではないし、嫌な部分も困った部分も正直に書いています。が、美化するよりはこのくらいの距離感がいいのかもしれません。
文化が違って分かり合えないこともあります。でも仕事をするうちに変わって行ったり、少しだけでも思いが通じることがあります。そんな本でした。
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