あらすじ・概要
製糸工場で労働組合活動をしていた女性たちはどうしているのか。結婚したきっかけや男性の選び方、結婚生活の具体的な内容などを紹介。労働組合での政治活動は、彼女らのその後に大きな影響を与えた。同時に結婚後の女性の政治参加への悩みや周囲の振り会も描く。
ステレオタイプではない政治活動する女性のその後
製糸工場で労働組合活動をしていた女性たちのその後を追った話。
「政治活動をする女性はこういうもの」というステレオタイプから抜け出た話で面白かったです。
彼女らには共通して、結婚して家事や育児に追われる中で、社会の時事問題についつい無関心になってしまい、そんな自分が悲しいという悩みがあります。
この辺は今の女性とあまり変わらない感覚だなと思います。
印象的だったのが、保守的な人と結婚した人が不自由を強いられ、革新的な人と結婚した人が自由に暮らしているわけではないことです。
ある女性は保守的な男性と結婚したら彼は人間と政治観を分けるタイプで、女性が外で政治活動をすることを止めませんでした。
また別の女性は同じ組合活動家の男性と結婚したところ、男性の活動を支援するために家で労働することを強いられました。
こういう話を見ていると結婚って複雑で、運要素も多いと感じます。
書いている人も労働組合側の人間なので活動を美化しているきらいがありますが、彼女らをアジテーション(扇動)した身として責任を感じてその後を調べた、と言う動機が興味深かったです。
扇動しても責任から逃れている人がほとんどだと思います。この罪悪感の話に書き手の人間味を感じました。
『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』牧野百恵 中公新書 感想 女性について実際のデータで政策を語ろう

