ブックワームのひとりごと

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『男が介護する―家族のケアの実態と支援の取り組み』津止正敏 中公新書 感想

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男が介護する-家族のケアの実態と支援の取り組み (中公新書, 2632)

 

あらすじ・概要

母、妻を介護しながら生活する男性たち。しかし、介護の仕事は女性中心のため、男性たちはどう介護の情報を共有していいか悩んでいる。介護する男性たちの現状を洗い出し、介護をめぐるジェンダー史も紹介する。また、著者は男性たちのつながる重要性も語っていく。

 

マジョリティなのにマイノリティな男性介護者

介護に携わる人のうち、男性に焦点を当てた本です。深掘りが面白かったです。

今、老老介護をしている男性たちは、「男は外でちゃんと働きさえすれば、家庭のことは顧みなくていい」という教育を受けた人たちです。

彼らは妻を介護することによって、家事や日常生活がろくにできないことに打ちのめされることになります。そこから生活に追われる自分を受容するのにいくらか時間がかかります。

個人の固定観念も、男性が家事、育児に無関心でもいいという風潮のせいでもありますよね。

 

モーレツに会社に尽くしてきた人々が多いせいか、男性はまた介護に仕事のように完璧を求めがちです。それが介護される側の価値観と対立することも。介護殺人をする人たちも、介護に対して真面目過ぎるタイプの人が多いです。

また、介護の現場では女性が多数派なので、男性としての悩みをどこで共有していいのかわからないという悩みもあります。

凝り固まったジェンダー観をいったん捨てて、自分がどうしたいか、そして介護される側にとって何が幸せなのか、話し合うことが大事だと思いました。

 

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