ブックワームのひとりごと

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「ミルグラム」ムウの考察と感想 混乱するわたしとあなた

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アフターペイン

 

 

 

 

前提


この考察では楽曲内のことは「バイアス(偏見)がかっているが事実である」と認識しています。
嘘なんじゃないかと思うときりがないのもありますが、「人間の価値観には常にバイアスがかかる」というのはミルグラムの重要なテーマであると思うので。
楽曲の中の「私」であるムウがムウがどのようなバイアスを持っているのか考えたいと思います。

 

ムウは自己主張が苦手で自他境界が曖昧

この記事の本題は「ムウって自己主張が苦手で自他境界が曖昧だよね」と言う部分です。

ムウは公式で「物事をはっきりというタイプ」と語られながらも実は自己主張が苦手なタイプで自他境界が曖昧な人間です。
ムウの楽曲には「私」と「あなた」が出てきますが、常に私とあなたの境界線が曖昧になっています。
ムウが歌う歌詞からそれを汲み取ってみようと思います。

 

歌詞から振り返る「わたしとあなた」の混乱

アフターペイン

特別意味はないの ハズレを引いたの

 

「ハズレを引いた」と言うほど理不尽な理由でいじめられているのはレイの方です。
いじめに直接関わっていなかったとしても傲慢な振る舞いをしていたのはMV、ドラマからもわかります。

 

ねえもしも私のことを悪者にするなら
無視したっていいからね

 

これもおかしい。ムウは三審の報告書で「無視されるのに慣れていない」と示されています。
私のこと悪者にするなら無視したっていい……と思うのは性格的にはレイのほうがしっくりきます。

ムウはレイと自分の立場を混同しているのではと思います。

 

悪くないもん

次に「悪くないもん」

アフターペインと一気に歌詞の内容が変わりますが、私としてはどちらも本心なのでは?と思います。
アフターペインは「いじめがつらかったので元凶になったレイを殺した」という物語。
悪くないもんは「取り巻きにチヤホヤされて傲慢になっていく自分」の物語。
矛盾しているようですがどちらもムウの本心なんじゃないかなあ……。

 

嫉妬で歯向かうなら
それが答えなら

 

MVのレイはムウに嫉妬する様子はありません。
むしろドン引きしていると思います。
レイ以外の破壊された蟻人間や屋上で詰められてる子も、嫉妬の描写はないですね。
「自分に歯向かう人間は嫉妬しているに違いない」というのはものすごい偏見です。
そもそもレイは歯向かったわけではなくムウを特別扱いしなかっただけです。
思うようにならないものは敵である、という価値観がうかがえます。
これは経験則なんですが、他人は自分の鏡なんですよね。
相手に嫌われたとき「あいつは自分に嫉妬してる」と言い出す人は本人がとても嫉妬深いことが多いです。
ムウも嫉妬があるから「他人は嫉妬深いに違いない」と思い込んでいるのではないでしょうか。

 

ペイン


三審になると「わたしとあなた」の混同はもっと進みます。
三審ではムウの語る罵倒、悪口はほぼブーメランです。
「あなた」はエス(ミルグラムの視聴者)でもあるので余計ややこしい。

 

私を赦してれば
死ななかったのになんで
かわいそう

 

レイから見た筋書きは「クラスの女王を特別扱いしなかったらいじめられた。女王を殴ったらいじめが収まった。女王がいじめられてたけど無視した」という流れです。
ムウは「最初から特別扱いしてほしかった」「いじめられたとき助けてほしかった」ということなんでしょうけどそれを「赦す」とは言わないと思うんですよね。
そうすると(レイを)赦していれば(レイが)死ななかったととるほうがしっくり来ます。
歌詞をよく読むと「なんて(強調)かわいそう」じゃなくて「なんで(疑問)かわいそう」になってます。
「なんてかわいそう」だとヤベェ傲慢! となるけど「なんでかわいそう」だと「どうしてレイは死んだの? 理不尽!」という意味になります。怖い。歌詞の意味が……。
このフレーズはレイがムウを責めているとも取れます。

 

はいはい 私以下達

 

たとえば「100以下」って書くと100は含みます。以下って言ったらムウも含まれます。正しくは「私未満」ですね。
人間に使うときは代表の人1人を選んでそれに続く人々を「◯◯以下」と言うことがあります。「校長以下、教職員一同」のような用法です。ムウとその取り巻きってことかな。
単純にムウの語彙力がない可能性もあります。

 

ちょっと躾けが足りないかなあ?

 

躾けが足りないのは甘やかされてるムウの方です。
家が貧乏(落書きが正しければ)だったレイを示しているとも思いますが、ムウはレイより育ちが良いとは言いがたいですね。

 

はいはいしょうがない子ね
じゃ済まないからね

 

ムウは親に「しょうがない子ね〜」と甘やかされていたのではないでしょうか?
英詩のThat’s not gonna fly.は「そんなこと通用しない」という意味らしいです。英語のfly自体に「許される」という意味があるのか……。
flyって羽根のある虫全般を指すのでこれもダブルミーニング。

https://nic-english.com/phrase/thats-not-gonna-fly-here/

 

友情ゲーム 不動のボランチ

ボランチって何だろう……と調べたらサッカーのミッドフィルダー(フィールドの中心あたりのポジション)でゲームを左右する人のことを指すようです。

ボランチはポルトガル語で舵取り。

 

喋るな 私が許可してない

 

ムウの傲慢すぎるラップの後、フリルのついた服を着た手がいじめられているムウを叩き潰します。
この手はたぶん後述するマリア様の姿のムウかな?
叩き潰す映像と一緒だとあまりに傲慢すぎる自分を恥じて「黙れ」と言ったようにも見えますね。
マリア様姿のムウは自分が「いじめっ子」だと認めているので悲劇のヒロインの自分を叩き潰したのかもしれないです。

 

あの子がどんな思いで死んだかわかんないでしょ

 

ムウもレイがどんな気持ちで死んだかわかっとらんやろがい!
英語訳で「あの子」がheではなく「baby」になってるのはheだとハルカであることが確定してしまうから、レイかもしれないという含みを持たせられないからかな? と思いました。
あとハルカとムウが駄々っ子の赤ちゃんの人格なのもあるかも。
ボイスドラマのタイトル「Crying B」と「Queen B」のBはbabyなのでは。(beeもあるし、それ以外の意味もありそうですが)

 

あの子は悪くないもん

 

三審で一番震えた歌詞。
このあの子はハルカのことだと思うんですが、レイをいじめる子たちに「あの子は悪くないもん」ってムウが言っていたら、レイは加害者と勘違いしてムウを殴るようなことなかったでしょうね。さらにそれに付随したいじめ、ムウの凶行も起こらなかった。
「あの子は悪くないもん」と言わなかった、それがムウの罪だと思います。
でもこの言葉、レイじゃなくてハルカのためのものなんですよね。そういう意味でムウは完全に反省の域には至ってないのもわかってしまいます。
苦い気持ちになってしまった……。

ムウがわたしとあなたを混同する理由

ムウは「わたしとあなた」の境界線が薄く、自分と他人を混同した歌詞を歌うという話をしました。
ムウがどうして自他境界が薄いのか考えてみます。
ムウは甘やかされて育ちました。自分がはっきり意思表示をする前に、他人が問題を解決してくれることも多かったのだと思います。
そのせいで、他人を自分の手足のように勘違いしてしまったのではないでしょうか。
自分自身の責任にも無沈着ですが、他人から与えられる影響にも無沈着です。
ムウは最初はレイに対して「嫌悪」というより「違和感」があっただけです。しかしMVではレイがいじめられる姿を楽しんでしまっている。取り巻きから影響されてそうなったのではないでしょうか。
またボイスドラマもそうですが、ムウは自分が思っているほどコミュニーケーションが得意ではないと思います。
ムウは高そうな化粧品を友達にあげてしまいます。普通の親だったら「理由もないのに友達に高いものあげたらだめだよ」と言うと思います。友人に高いものを一方的にあげたら対等ではなくなってしまいます。
そんな倫理観を教えてもらえなかったのか、あるいは親が人にものを貢いでコミュニケーションをとろうとする人だったのかもしれません。
親が他人との適切な距離感を教えず、また、お金持ちだったのでお金に惹かれて近づいてくる人が多くて「そういうのはよくないよ」と言ってくれる友人もいませんでした。
「わたしとあなた」は別の考えを持っていて、違うからこそ好かれないこともある。ムウはそれがわからないまま高校生になり、お金持ちでなまじ権力があるゆえにこんな事件を起こしてしまいました。
いじめはよくないというのは前提なのですが、正直いじめられやすいタイプだろうなと思います。ここまでいじめられなかったのが奇跡です。
ムウは外見や話し方とは裏腹に主体性がない、「わたしとあなた」が曖昧なゆえに他人に常に流されているという因果なキャラクターでした。

 

あなたが好きよ、の意味


あなたってやっぱりレイのことで、ムウはレイが好きだったんだろうな〜。
ただ私はムウとレイが仲良くすればよかった、とは思いません。
ムウが普通にレイに「あなたと仲良くなりたい」って言ってもやだな〜と思われる可能性高いと思うんだよな……。描写的に、レイはムウに興味がないし、化粧品も権力も必要なさそうで、ムウと友達になるメリットもないので。
あえて恋愛的な言葉を使いますが、ムウはレイに振られたんだと思います。
生きてれば好きな相手に好かれないことってあります。それってどうしょうもないんですよね。悲しいけど。性格が悪くても悪くなくても何回か経験するものだと思います。
でもムウはそれを理解できないほど、幼かった。
だから特別扱いされなかったら「あの子は私に歯向かった」と思い、いじめられているレイを見てサディスティックな快感で恍惚としていた。
無視されたら耐えられなくなって追いすがった。
ムウに必要だったのは自分は相手に振られたんだ、好かれなかったんだという事実を受け入れることだったと思います。

 

私個人は絶対に許せない


私個人がムウを許せるかって言うと、絶対に許せないですね。キャラクターとしては好きだけど絶対に同じクラスにはなりたくない。
私は空気読めないのでムウみたいな子がいるといじめられる側になる気しかしない。本人止めてくれないだろうし……。
ムウと取り巻きのいるクラスに入ること自体が災難でしかない。
ここからは自分語りなのですが、「いじめっ子になるような人間には本当は主体性がない」というのは現実味があると思います。私もいじめの標的になったときはそうでした。
いじめっ子やパワハラ気質の人というのは常に自分が思うように人間が動いてくれないとすぐイライラするんです。それは「わたしとあなたは別の人間だから、違う行動をしてもしょうがないよね」という認識がないからです。
人前で暴れてみせたレイにそれ以上のいじめがなかったのもリアルです。いじめてくるやつって動物だから、強そうに暴れてみせると手出してこないのよな。
いじめっ子というのは他人をやり込めることこそが「自己主張」だと思っていますがそうではありません。自分と相手は違うと素直に認めることも「自己主張」だと思います。

ただ高校生だとムウぐらいには未熟な子はいるでしょうね。
本来適度に痛い目に遭って成長していくはずが、取り巻きの暴力的ないじめ、さらに本人のカッターナイフをぶっ刺すという行為で取り返しがつかなくなりました。
結局一番悪いのは暴力。人間関係で失敗するのは仕方ないけど、暴力は取り返しがつかない……。


MV、ビジュアル面


自分は西洋画が好きでシンボリズムが少しわかるのでそれに基づいた内容になります。


砂時計

砂時計は人間の寿命、命の儚さを表します。
昔の海賊は「お前の命運はこれまでだ」という意味で砂時計の旗を掲げていました。
レイやハルカの死の暗示のときに砂時計が壊れるのは寿命より先に死んだことを表すのかも。
砂時計のくびれた部分は「蜂の腰」と呼ぶそうです。
ど、どこまで「意味」を重ねていくんだミルグラム……。
https://jocr.jp/raditopi/2021/11/14/399209/

死の暗示なので、コメント欄である方が話されていた「ムウはレイを刺したあと自分も死ぬつもりだった」というのはちょっとあるかもな……と思いました。砂時計にいるムウのそばになぜかロープがありますし(学校でロープ、使うことある……?)
ただそれだとミルグラムに収容されたときもっとうつうつとしてそうな気もする。

アフターペインのムウがレイを追いかけるシーンで横向きになった砂時計が階段に転がっています。
この砂時計、ペインで同じ風景が表示されるときはなくなっています。考えたけど理由はわからないです。
ムウのMVは基本砂時計は縦で出てくるので何らかの意味はありそうです。

ところで砂時計の砂は基本黄緑ですが、悪くないもんで羽化するムウのシーンではピンク、ペインの最後の砂時計は青です。
青はハルカとしてピンクは何だろう……? レイとの力関係を示す黄緑の砂時計とは違うんじゃないかなと思います。
最後の青い砂時計には蜂の巣のモチーフがついてますね。


トイレ

レイが扉から出てムウを発見するときドアの内側にトイレの鍵があります。つまりレイはトイレの個室の内側から出てきています。
これ、レイがトイレの個室に入ってるときに外でムウに暴力が振るわれて、レイはいじめの実行犯がいなくなるまで個室の外に出てこなかったってことですかね。

図にするとこう。



……「こいつのいじめに絶対かかわりたくない」と思ったゆえの言動でしょう。
だいぶきつい無視です。許されない派の私でもちょっとかわいそうになってしまいました。

最初はたまたまレイがトイレに入ってそこでいじめられるムウを発見したと思ってたので、レイが先にトイレにいてその上でムウを無視したことに気づいてあ、悪趣味……となりました。

しかもこの構造の鍵って鍵を閉めないとドアが開きっぱなしになるので、ムウも誰か個室に入っていることはわかってたんじゃないですかね……個室にいる相手に助けを求めて、無視されて、その相手がレイだってわかったら……絶望でしょうね。

ペインでも同じシーンがありますが、自分を無視するレイを見て目の前が真っ赤になっています。さすがにこの状況で血が上るのはわかってしまいますね。

 

ムウの凶行シーン

帰り道でレイを刺すムウ、学校の上履きのままですね……。外靴に履き替える余裕もないほど追い詰められてたのだと思います。
カバンも持ってないし本当に着の身着のまま走ってしまったのでしょう。
ムウの楽曲はほとんどが学校内でのことなのでほとんどのキャラは上靴を履いているのに、レイの死体はアフターペインからちゃんとスニーカーになっていますね。設定が細かいです。帰り道に殺害されたからスニーカーかあ。
でもカッターナイフは持ってるんかい。余裕はないのにカッターナイフを持ってた時点でやっぱり殺意はあったんじゃないですかね。こんな大きいカッターナイフ、偶然ポケットに入っていることなさそうですし。
ムウが刺す前に何を話したのかわからないままですが、何を話してもレイの態度は変わらなかったかもしれません。
レイからしたらムウは関わりたくない相手ですからね。

 

机の上の花

黒板の落書きが映るところ、レイの方がいじめられているときは机の上に花(白い菊?)があります。

亡くなった生徒の机には花を置く文化から「死ね」ということをしめす古典的ないやがらせですが……アフターペインの最後でムウが同じ花を持っているのが

 

蜂と蟻

MVには蜂と蟻両方のモチーフが入っています。
分業システムを持つ蟻や蜂は「社会」の寓意として使われます。
あと、砂時計が砂とガラスだからその連想で「蟻の巣観察キット」なんじゃないかな〜。
砂の入ったガラスの器に蟻を入れると蟻の巣を作るのが見られるやつですね。
観察してるのは私たちということか。

ムウたちが所詮狭い世界のシーソーゲームをしているということでもあると思います。

 

 

女王ムウのデザインは、羽根がなくて黒いので蟻に近いですね。
蟻は触覚がくの字に折れ曲がってるのでそこも蟻っぽい。
蟻のデザインなのに取り巻きたちには小さいけれど羽根があります。
ムウがここから飛び立つには蜜を集めなければいけないけど、取り巻きたちはやろうと思えば飛べるの、なんか不穏。
蟻と蜂は近縁ではあります。

 

黄緑の蜜を捧げられているのはローヤルゼリーかな? 女王蜂になる蜂の幼虫に与えられる食べ物です。女王蜂は生涯ローヤルゼリーしか食べません。
他人にローヤルゼリーを与えられて女王になるべく育ったということかもしれない。
吐瀉物が黄緑の蜜になってるのもリアルだとグロいから以外に、吐き出して「女王」でなくなったという暗示もあるかもしれません。 
力関係を表す、砂時計の砂も黄緑です。
レイの血液も黄緑な理由はわからないですね。ムウの鼻血は赤いので区別はされてるのだと思います。

 

献上される虫がイモムシなのは蟻の巣に寄生するガの幼虫がいるからじゃないかな。
蟻が好む蜜を出して蟻を騙し、世話させます。
しかしこのイモムシ、寄生されても蟻にとっては何のメリットもないらしいです。取り巻きにチヤホヤされても結局何のメリットもなかったということではないでしょうか。

yumenavi.info

 

蟻や蜂のような女王を中心とした社会を作る昆虫を真社会性昆虫といいます。
ゴキブリの仲間だけどシロアリも真社会性ですね。 

 

ムウに従う蟻人間たちは2番になると3人に数が減っています。床には蟻人間たちの残骸が……。
ムウがデコピンして壊れる蟻人間は屋上で詰められてる子と髪型が似てるので同一人物でしょうか?
取り巻き同士のいじめで数か減ったってこと……? 怖い……。
死んでたらヒトゴロシにカウントされると思うので死んではいないんでしょうけど、壊れた蟻人間は現実ではどうしているのか気になります。
壊れたって描写的に不登校になったり転校になったりしているのでしょうか? いじめがあったけど仲直りしたよ!だと内容の不気味さに釣り合わないような気がします。
残った蟻人間はムウ含めて4人です。
屋上で誰かを詰めてるのも4人、LINEのグループも4人、自撮りの写真も4人なのでムウを除いた3人がいじめの実行犯かな?
3人? 取り巻きが思ったより少ないな?
……ムウって自分が思うほど好かれてないし女王様でもなかったのではという気持ちが強まりました。
ペインで踊るムウの真似してるのも3人ですね。
羽化するシーンではその取り巻きすらいなくなり残骸しか残っていません。この「女王として君臨するムウ」は時系列としてはペインより前だと思うんですけど、その時点でムウは人望を失っていたのかもしれないです。
また、蟻人間に羽根があるってことはムウから離れる自由もあったということなので、いじめられる前にムウから離れた取り巻きもいるんじゃないかなあ……。

 

羽化したムウには羽根があります。
これは羽アリでしょう。
女王蟻は巣の外に出て伴侶を探すときだけ羽根があります。巣を作る段階になったら羽根を落とします。


ただ羽化したムウとそれ以前のムウは何が違うのかはよくわからないです。
さすがにアフターペインの時系列ではこんな傲慢な振る舞いできないでしょうし。あるとしたらペインの前(レイへのいじめが本格化する前)かな……?

悪くないもんでは「かわいそうなの!!」とシャウトしたムウは女王ムウと同じ目になっていました。


椅子でぶん殴られる

レイがムウを椅子で殴ったシーン。
このシーン、レイが床に這いつくばってボロボロになっているあたり精神的な嫌がらせではなくて暴力だったんだと思います。
そんなレイをサディスティックな笑みで眺めるムウ。怖いです。
さすがに暴力振るわれてるところでこんなニヤニヤ眺められたらキレると思います。
椅子で殴ったのはやりすぎと言えばやりすぎだけど、自分が暴力振るわれているときに「穏便に済まそう!」とか思えないのは仕方ないでしょう。

いじめを止めなかったムウはトイレで傍観者としてやり返されてしまいます。因果応報。つらい……。

海外の方の指摘で気づきましたが椅子は「王座」の意味もありますね。
「社長の椅子に座る」などの慣用句のように、椅子は社会的役割、権力の象徴です。
ムウが椅子でぶん殴られて権力を失うこと自体が皮肉なんですね。

 

音楽記号


ごめんこれはわかりませんでした。
詳しい人に任せます。

 

聖母マリア

キリスト教は一神教ですが女性的なものを崇拝したいという需要があり、その受け皿になったのがキリストの母マリアです。
キリスト教は人々はみな原罪を持ち、人々の罪を贖うためにキリストが死んだという信仰があります。
それは……ムウが赦されるために死んだハルカですね……。
しかしムウはハルカが与えたものを享受せず加害者であることを引き受けてもエスに怒ることを選びました。それがムウなりの善意なのでしょう。
ちなみにカトリックには聖母マリアは原罪を持たずに生まれてきたという信仰があります。自分は悪くないと思っていたムウが自らの原罪を認めたんじゃないでしょうか。
(※この信仰は宗派によっては否定されています)

マリア様ムウは外から黄緑の砂時計を眺めているため、自分を客観的に見るくらいには成長したんだと思います。
砂時計を自ら握りつぶしたのは狭い世界での権力ゲームから抜け出そうとしたのかと。

ムウが砂時計を壊すと砂の色が青くなります。青はハルカのテーマカラーであり、聖母マリアのテーマカラーですね。
砂が落ちるのではなく上に向かって吸い上げられていきます。
これ今ムウが砂時計の上側にいるからですかね? そういえば蟻ムウの羽化シーンもそうですね。
いじめっ子を自称するシーンなので砂時計の上にいてもおかしくはないですねら、

服が片側だけボロボロになってるのも何かしらの暗喩のような気がするけど、そこはわかりませんでした。
金持ちのムウが裸足でボロを着ているというだけで結構な衝撃があります。

書いてて思いましたが、ここまでダブルミーニングトリプルミーニングを重ねた詞を書くのは恐ろしいですね。作詞者何者だ。

 

個人的雑感


自分がわりと蟻の生態が好きなのと語れるメタファーが多かったのでここまで長文になりました。流石に他のキャラはムウほど調べられない気がします。
自分の好きなキリスト教美術でいうとアマネもすごく暗喩が多いキャラなので考察を書きたいです。

 

アンダーカバー

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