あらすじ・概要
ファンだったアイドルが性加害をした。強いショックをうけてしまったドキュメンタリーの作者だった。作者は性加害をした後もアイドルを支持する人たちがいると知って興味を持ち、「推しが性加害をした人たち」のその後を探る。推しが罪を犯したとき、ファンはどうあるべきだろうか。
推しへの悲しみとオタク女性のシスターフッド
思ったより闇な内容ではなかったです。
作者は好きなアイドルが性加害をしたことから強いショックを受けます。同時に、性加害をした後もアイドルを推し続けている人もいると知ります。どうしてなのだろうと思い、彼女は自分と性加害をした芸能人を推していた女性たちのその後を追います。
苦しみを分かち合うファンたちには一種のシスターフッドを感じます。
印象的だったのは性加害がバレたあとに自殺した芸能人がいたことです。被害者にとっても、ファンにとっても、やりきれなかったと思います。恨む対象が正しい裁きを受けずにこの世から逃げ出したのです。
私はこの芸能人のことは知りませんが、息が詰まるような思いがしました。
韓国独特の文化もあります。
韓国では長幼の序列が強く、年上の男性には「オッパ(お兄さん)」と呼びかけます。
なのでアイドルが好きな少女たちはアイドルを「オッパ」と呼んでいるのです。
日本にはない呼び方なので興味深かったです。
性加害を強く嫌悪しながらも、同時に芸能人を辞めた後の彼の人生が平穏であってほしいと願ってしまう。ファンの二律背反な気持ちが悲しかったです。
アイドルを推していたかけがえのない精神が、犯罪によって汚されるのはつらいです。
ジャニー喜多川の性加害問題が明るみに出た日本にとっても他人事ではない話でした。
何はともあれアイドルが性加害をしなければファンもこんな思いをしなかったでしょう。売れなくなって去るのも、年老いていくのも犯罪よりは許せます。遵法精神は大事ですね。
本題には関係ないですが、ところどころ日本と発音がほぼ同じ言葉が出てくるのが面白かったです。やっぱり言語が近いんだなあ⋯⋯。
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