ブックワームのひとりごと

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『魔女狩りのヨーロッパ史』池上俊一 岩波新書 感想

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魔女狩りのヨーロッパ史 (岩波新書 新赤版 2011)

 

ヨーロッパにおいて悪名高い「魔女狩り」。多くの無実の人々が魔女として告発され、命を落とした。魔女とはどういう人々だったのか、そして魔女を狩った人々はどういう人々なのか。地域差や時代差も踏まえながら、語っていく。

 

魔女狩りに関する密告は平時の心理状況ではとうてい理解できない内容で恐ろしいです。

密告が社会不安を生み、家族を分断し、それがさらに密告を生みます。

混乱に乗じてデマを撒いてお金を得る人や、社会の混乱に乗じて権力を得ようとする人もいます。

現代の政情不安にも通じるものがあり暗い気持ちになりました。

また、複数の文化が混在する地域や、領主の力があまり強くない領邦ほど魔女狩りは多かったです。あんまり楽しい話じゃないですね。

魔女狩りに遭った一家の末路についても詳しく書いていて、めちゃくちゃ怖かったです。

 

魔女狩りに至る前にはキリスト教社会におる女性嫌悪、老人への嫌悪がありました。また、妄想に近いのでは? という内容を書いて世間に広めた悪魔学者の存在もあります。彼らはなぜ魔女についてグロデスクな話を書いたのか、ミソジニーだけでは説明がつかないところもあります。グロコンテンツ書きたかったのかなあ。

ずっと存在していた差別意識が、何かの機会にあふれだして、収拾がつかなくなるという恐ろしさを感じました。

うっかりすると現代の社会で起こりうる、と怖くなりました。

 

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