あらすじ・概要
かつて東ドイツの友好国だったモザンビークからは、多数の労働者がやってきた。モザンビーク人である三人の男女が、当時のことを振り返る。差別のこと、同じモザンビーク人との付き合いの問題、国内の政治的不安。そして給料の未払い問題で人々は立ち上がる。
善人とはいかないけど、ただ働きはよくないよなあ
モザンビークから東ドイツへ労働しに行った男女三人の物語。
東ドイツと友好国だったモザンビークは東ドイツに労働者を送り出しました。
三人は差別にさらされることになります。優しい人もいましたが、それは期限付きの優しさでもあります。
モザンビークに帰国した側の人々も、モザンビーク側に給料をピンハネされており、期待していた貯金はなく貧困の中生きる羽目になりました。
つまりはタダ働きだったのです。
「マッドジャーマンズ」はこの時期の給料未払いについて抗議する人々の団体名です。
登場人物三人とも善人ではなく、失敗を繰り返しています。
それでも給料未払いはだめだろうと思います。
モザンビークに帰国した人も、ドイツに残った人もそれぞれの葛藤を抱えています。
ドイツにいれば差別され、マイノリティとして生きなければなりませんが、先進国の豊かさや平和を知ってしまえばモザンビークにも帰りにくいのでしょう。
モザンビークを愛する気持ちはあっても、紛争や貧困が日常である場所にいるのはつらいです。
しかし、モザンビークを捨ててドイツ人として生きることもできません。
ふたつの国の間で揺れる登場人物たちが切なかったです。
絵がとてもおしゃれだし、日本の漫画ではあまり見かけない演出も多くて面白かったです。
登場人物が強い感情を覚えたとき、絵がキュビズム絵画のようになるのが面白かったです。二色刷りをうまく使っててかっこいいです。
