あらすじ・概要
良妻賢母を育成する女子高等学校。そこで文学少女として生きる主人公は「僕」という一人称を使っていた。特別でありたい、男女というくくりから自由でありたい。だが、そんな願望もまた青春の陳腐さの一部だった。「僕はかぐや姫」と、大学生のルームメイトとの葛藤を描く「至高聖所」の二編を収録。
特別になりたい願望は「普通」だということ
センター試験の問題に選ばれたことから、多感な17~18歳に衝撃を与えた短編です。私もこの作品の問題を解いた覚えがあります。
主人公は偏屈な女の子で、「僕」という一人称を使い、シニカルな話し方をして、文学に耽溺します。しかしその文学を理解しているかと言うと怪しいところもあります。
主人公は「僕」という一人称を通して「女の子でも男の子でもない何かになりたい」という願望を表現します。しかし「男の子」も自分が思うほど自由でないことがわかり始めてきて戸惑います。また、特別な存在になりたいという願望そのものが凡人の考えでもあります。
私も「僕」という一人称を使ったことはありませんが、主人公の価値観には思い当たる部分が多く、読んでいて恥ずかしかったです。
思春期の自意識過剰な痛々しさを描く青春小説でした。
「僕はかぐや姫」がキャッチ―だったせいか「至高聖所」の方はあまりぴんとこなかったです。こちらは大学生が活動的なルームメイトにあれこれ考える感じの話。こちらも青春の痛々しさを感じる作品ですが、よくわからないと感じる部分が多かったです。「僕はかぐや姫」が鮮烈過ぎたかもしれないです。
巻末の著者紹介で『雨にもまけず粗茶一服』の人だと気づいて驚きました。雰囲気が違い過ぎてびっくりしました。
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