ミルグラム考察アマネちゃん編です。
モチーフいろいろ
天候
アマネの楽曲では常に天候のモチーフが使われています。
雷は神罰の象徴です。
「おまじない」で変身したアマネは雷のマークの入った杖を持っています。
また、アマネの母が体罰にスタンガンを使用していたので、その象徴でもあるでしょう。
虹
アマネのMVで大きな役割を果たしているのが、虹です。
虹は「神との約束」を示します。
旧約聖書の人物・ノアは神のお告げによって巨大な箱舟を作りました。
ノアは大きな方舟を作り、たくさんの動物のつがいを入れて家族といっしょに乗りました。
神はノアの家族以外の人間を洪水で押し流してしまいました。
神様はノアに「もう人間を虐殺したりしないよ!」という証として空に虹をかけました。虹はそれから神様と人間の約束の印なのです。
虹は多様性の象徴とされることもありますが、アマネの宗教が多様性を認めると思えないのでこっちが正解だと思います。
元ネタがノアの箱舟なので、ドゥームズデイ・カルトだった可能性もある。
ドゥームズデイ・カルトとは世界の終わりを語ることで信者を惹きつけるタイプの危険カルトです。
「粛清マーチ」ではドラムメジャーアマネが空の世界からバトントワリング失敗したアマネちゃんを落とすところで虹が出ます。
また、アマネが猫を介抱しているのを目撃した信者の後ろにも虹が出ています。曇りなのに虹が出ているのは異様ですね。
アマネがぐるぐる目の神罰モンスターになったときの背景にも虹が発生しています。このときリヨネ(医療行為の否定)が真ん中に大きく来ているので医療行為の否定によってアマネはおかしくなったということだと思います。
その他、第一審のアーチの色、第三審のアマネの帽子など虹の意匠はあちこちに出て来ます。
雲
「粛清マーチ」のマーチングバンドアマネたちは雲の上にいます。
宗教のマークも笑っている雲みたいですね。
日本神話の高天原など、空の上は神の住まう国があるという伝承があるのでそれですかね?
また、アマネが実際に直面している暴力、過剰なお布施による経済的虐待の一方で、アマネ家族が宗教的理想を示すものが「雲の上」なのではないでしょうか。
「おまじない」のアマネとマスコットたちは雲の上にいるようです。
バトントワリングを失敗したアマネは雲の下に落とされます。
雨
「粛清マーチ」では空の上は晴れですが、現実世界では雨や曇りです。
マーチングバンドのアマネの旗が傘に変化しているあたり、傘は凶器を示すものであると思われます。
杖
日本では杖は杖ですが、海外では色んな種類の杖の呼び分けがあります。
雷のマークがついた杖は魔法少女の杖でしょうが、なんでもにうむでスタンガンに変化しています。
ドラムメジャーアマネが持つのは指揮杖(しきじょう)、メジャーバトンといいます。「なんでもにうむ」で棒(おそらく麺棒?)に変化しているので殴打のための凶器でしょう。
あと実際撲殺リンチが発生した新興宗教の事件があったのでそれもあるかもしれません。
マーチングバンド
マーチングってきっついんですよねえ……。
私は子供の頃音楽やってたことがあるんですけど所属してたバンドが突然マーチング初めてねぇ〜。死ぬほど練習がきつかったので辞めました(友達が辞めたとかそれ以外の理由もあったけど)
あれ数センチ単位で歩幅合わされたり重たい楽器持って歩き続けたりほんときついんですよ。
要するにマスゲームと同じですから。
突然自分語りして申し訳ないけど、アマネもそういう軍隊みたいに規律の激しい場所にいたってことじゃないかなぁ。
先頭で杖を持って歩くのはドラムメジャーと言って、指揮者みたいなものでマーチングの花形です。
ドラムメジャーは楽隊全体のリズムを取ったり、笛で隊列の変化など指示を与えたりします。杖でバトントワリングを披露して場を盛り上げることもあります。
ドラムメジャーアマネはバトントワリングを失敗したアマネを雲の下へ落とします。
ドラムメジャーアマネは様々なアマネの感情や心を統率する理性ではないでしょうか? そして、その理性は宗教によって洗脳されています。
ドラムメジャーアマネは信仰に従わないアマネの心の一部を天空から追い出していったのではないでしょうか。
旗を持って踊るのもマーチングあるあるですね。
バトントワリング
バトントワリングはよくマーチングバンドと一緒にやります。
上手い人でも全く落とさないということは難しいので、落としても何事もなかったかのように演技するのも大事です。
バトントワリングに失敗したアマネちゃんはその場でドラムメジャーのアマネに詰められ、雲の下に落とされます。
演技では、実際に落としたからといってその場で詰められることはないと思う。だから怖い……。
積んだ石
賽の河原っぽいです。
仏教的なモチーフですが、新興宗教は教義がちゃんぽんなのが珍しくないのでなくもないか。
ちなみに賽の河原に堕ちた子どもは地蔵菩薩が助けてくれるといい、地蔵菩薩は子どもの守り神です。
子どもを亡くした人や流産した人が地蔵菩薩を祀っていることは多いです。
天使
天使は天の使いというだけではなく、人に審判を与える存在です。
わかりやすい場面がタロットカードの「審判(ジャッジメント)」ですね。

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これは世界の終わりの絵なので、人間が棺桶から出てきています。
キリスト教には世界の終わる様子を描いた、ヨハネ黙示録というものがあります。
世界の終わりの前に大災害が起こりますが、その大災害を起こすのは天使です。
親に審判を与えたアマネちゃんは天使になったのでしょう。
天使に変身したアマネちゃんを祝福しているあたり、この宗教はアマネちゃんの下す神罰を肯定しているのかも。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/movie/bible/vol6_revelation.shtml
讃美歌
「おまじない」の間奏で讃美歌っぽいメロディが流れます。
讃美歌にもいろいろ種類があるんですが、私には判別できませんので他の人お願いします。
カルト宗教の元ネタのあれこれ
アマネちゃんのカルト宗教のアレさには元ネタが結構あります。
さすがにちょっと怖いのでぼかして書いているところもあります。
宗教によって決められた結婚
紙尋問によるとアマネは決められた相手と結婚する予定らしいです。
集団結婚ですかね?
韓国系カルト宗教のいくつかが持つ特徴です
あれをキリスト教って言っていいのかわかりませんが……多分に韓国の土着信仰も含まれてるし……。
体罰
体罰を肯定するカルト宗教もあります。
その宗教は信者に体罰を与えることを推奨する一方、体罰が犯罪として立件されると「信者が勝手にやったこと」と逃げるそうです。
ひで〜!!
密告
密告制度を設けていたカルト宗教もあります。
密告を行わせることで、家族や友人同士でも疑心暗鬼にさせ、教祖にしか頼るものがないと洗脳しました。
密告はマインドコントロールの特徴としてあり、独裁国家や政治セクトでも使われます。宗教がらみではないですが、北九州連続殺人事件の犯人が密告で人々を支配していました。
ここで上がった事件は、閲覧注意の事件なので覚悟がある人だけ検索してください。
過剰な寄付
アマネ一家は生活が厳しいのに何万円も献金をしているのが「なんでもにうむ」でわかります。
生活がままならないほどの異常な寄付を求めるカルト宗教があります。
この世の穢れたお金を教祖に寄付することで浄化する、とかなんとか……。
安倍晋三元首相銃撃事件の犯人山上容疑者が、母親の過剰な献金のせいで食べるのもままならなかったのは有名です。
また、献金の額によって教団内の序列が上がるシステムを持つカルトもあります。
アマネがコインを入れる(アマネ一家が献金する)と「LevelUp!」という表示が出てくるあたり、アマネのカルトもこのシステムがあったのではないでしょうか。
そうすると、アマネの父親って何かすごい実績を残したからではなく「たくさん献金したから」幹部をやっている可能性があります。
アマネの父の事業はどこへ行ったのか
報告書によると、アマネの父は裕福だったが事業を手放しているようです。
ここであれ? となりました。
家がボロボロになるほど献金を強いる教団が、簡単に事業を手放させるでしょうか。
だってアマネ一家は金づるですよ?
お金稼ぎながら献金し続けてもらったほうが金銭的には儲かります。
アマネの父親の会社はカルトに乗っ取られてしまったのではないでしょうか?
会社の社長がカルト宗教にハマり、事業を乗っ取られてしまうケースは過去にあります。
鬼
「悪魔が憑いているから」追い出さなければみたいなのって結構新興宗教にはあるんですよね
お前には悪魔がついているからと言う理由でリンチされるケースが……。ありますね……。
マスコットたちについて
ガチャタ
色は緑、対応する教義は「道を外れずに果てよ」
ロボットのようなマスコット。
宗教にロボットのように付き従うということかなあ。
先生役をやっていることから、講師であるアマネちゃんの父親の象徴なのかなと思います。
第一審「おまじない」の冒頭では他のキャラとは違いなぜか無表情で真っ逆さまに落下。
明らかにおかしいので何らかの意味があるとは思いますが、未だにわからないです。
第三審ではジュークボックスに変化。第三審はなぜか娯楽のための機械になっているのが謎です。
ユウリ
色は黄色、対応する教義は「信じたものに収めよ」
お布施を集めているキャラクター。
ゴミ箱のような帽子をかぶってボロボロの服なのは信者がお布施で貧乏になっている現れなのではないでしょうか。
第三審ではガチャガチャマシンに変化。コインを入れてレベルアップ! してるのはユウリのガチャガチャマシンにお金を入れているのではないでしょうか。
ゴザケ
色は青、対応する教義は「人は卑しきを捨てよ(娯楽の否定)」体罰は水責め。
首から数珠を下げた、僧侶か修験者のような容姿。アマネの宗教は基本キリスト教っぽいんですが、突然別ジャンルの宗教が混ざるのは新興宗教の常です。
体罰が水責めなので滝行のイメージもあるのかもしれません。
「おまじない」では歌を指揮していますが、アマネの宗教では娯楽が禁止されているので布教用の音楽なのではないでしょうか。
「粛清マーチ」でバトントワリングアマネが落としたのは青の旗なので、娯楽を楽しもうとして怒られたのだと思います。
第三審の姿は……これなんだ? よくわからない。
リヨネ
謎の多いキャラ。色はピンク、対応する教義は「人は運命を生きよ」
うさぎのような容姿で、耳は絆創膏です。しかし、アマネちゃんの宗教では医療行為が否定されています。
キャラクターたちは皆おでこに模様があるのですが、リヨネの模様だけ歪な形をしています。
これってもしかして傷跡ですかね?
おまじないの冒頭でガチャタが真っ逆さまに落ちているのはさっき言及しましたが、この落下シーンで喜んでいるのは実はリヨネだけなんですよね。ユウリは怖がり、ゴサケは無表情です。
これって結局……アマネはリヨネ(医療行為の否定)を一番に考えているからってことかな……。
第三審のリヨネは、ブラウン管テレビとテレビ台かなこれ……?
傷跡だった額の模様が稲妻のマークに変化しています。
アマネのメンタルヘルス面
アマネは激しい虐待を受けたにもかかわらず、宗教と心が深く同化してしまっています。これは「外傷性の絆」と呼ばれるものです。
DVを受けた女性が夫から子どもへの暴力に加担してしまったり、虐待児がさらに下の子どもを虐待したりは、実はあることです。
暴力を振るった上で優しくしたり、脅しと褒めを使い分けたりすると、被害者は加害者を「本当はいい人」と思い込み、離れられなくなってしまいます。
これは「暴力が当たり前の世界では、暴力に適応してしまったほうが生存できる」ということでもあります。
暴力は悪ですが、実際に暴力が当たり前になってしまうと暴力を強く拒むのは難しいです。
アマネが自ら洗脳されていったのはそうしなければ生き延びられなかったからでしょう。
だから、暴力に対する「つらい」「痛い」「怖い」という最低限の嫌悪感を持っていることは大事だと考えます。
アマネの宗教が罪深いのは、アマネが本来持っていた嫌悪感を悪として、糾弾したことでしょう。
アマネは感情に無自覚である
アマネは非常に理屈っぽいですが、反面、自分の感情にとても無自覚なところがあります。
アマネが親に暴力を振るったのは今まで理不尽な目に遭わされてきた苦しみ、怒りもあるでしょう。
ただ、アマネは洗脳によって苦しみや怒りすらも宗教的に解釈してしまっています。
愚かではないんですが、前提が間違っているから推論も全部間違うタイプの人。
筆者はアマネを赦せるか?
赦せるか赦せないかでいうと全然赦せなかったです。
個人的に間接的にマヒルを死なせたことを「死んで当然」みたいな発言したのは許せなかったです。
シドウは思想信条の点でアマネと対立していましたが、マヒルは受け身で医療行為を受けていただけです。選択肢を与えられても、彼女があの状態で医療行為を拒絶できたとは思いません。
シドウは自分の意思で医療行為をやめることができますが、マヒルは不可能です。
アマネの道理を尊重するとしても、シドウの次に罰されるべきはシドウから看病を引き継いだユノではないでしょうか? アマネはなぜユノを罰しないのでしょうか?
もちろん私はユノに死んでほしいわけでも、アマネにこれ以上罪を重ねてほしいわけでもないのですが、アマネの語る道理と言うのは思った以上に感情的であり、恣意的なものであると伝えたいです。
ただ空虚な理想の中で生きるのではなく、自分の醜い感情も、感情的で不甲斐ないところも認めた上で幸せになってほしい。
それが生きるってことだと思うからです。
しかしアマネの罪はアマネだけが背負うべきではないのは確かで、アマネに罪があるというのなら、親や宗教の指導者もより強い罰を下されてほしいです。
同時に宗教「だけ」が悪いとも言えません。
自分は無神論的な価値観ですし、日本のものにしろ海外のものにしろ「信仰が願いを叶える」みたいな価値観は嘘くせーと思ってます。
しかし信仰の持つ矛盾を感じながらも信仰を持ち続ける人もいます。自分はそういう人を狂信者とは思わないです。
それに、宗教を信じなくても無意識のうちに人間は何かを信じています。政治思想だったり、推し活だったり、あるいは親に与えられた価値観だったり。それが宗教よりマシだという保証はありません。
実は政府によってカルトと認定されているものは必ずしも宗教とは限らず、自己啓発団体だったり政治セクトだったり、宗教以外のものをお題目としている団体もあります。
信じることから逃れられないのであれば、「正しい知識を持って怖れる」のが一番いいかと思っています。
ミルグラム考察記事はこれで最後ですかね……書くのにすっごく時間がかかるので。
お読みいただきありがとうございました。
