吸血鬼の小説を読むシリーズ。
あらすじ
正式に演劇部員になった詩也。しかし、スキャンダルに巻き込まれてしまいレグルス全体の評価を落とす。次の役である『マイ・フェア・レディ』の言語学者ヒギンズの練習も上手くいかず、空回りを続けてしまう。
ピグマリオンとガラティアの苦しみ
今回のテーマは『マイ・フェア・レディ』そしてその原作である『ピグマリオン』です。
どちらも未見・未読なのでどの程度正確さがあるのかはわかりませんが、そこにある『創造主と創造物』の関係をアイドルにつなげるのは面白かったです。
詩也を騙してスキャンダルに巻き込んだ凪乃は性格が悪いけど、凪乃だけが悪いとは言えないところもあります。アイドルとしての存在を要求したのは群衆なんですからね。
ただやはり、ガラティアが創造物の分を超えたように、彼女もいつか群衆という創造主を超えなくてはならなかったのです。そうしなければ本当の意味で役者に慣れなかったんだろうなと。
詩也はもう告っちゃえよ
今回も綾音と詩也はかわいかったです。どう見てもカレカノなのに付き合ってないという現実。早く告ってほしい。
ただ告白してしまえば、その時点で話が終了してしまうのでそうはいかないんでしょうね。「吸血鬼だから相手に迷惑をかけてしまうかもしれない」という理由は便利だな……。
徐々にハーレム展開になってきましたが、女の子が詩也に惚れる理由、惚れることによって起こること、彼女らの性格がはっきり違っているので、ハーレムでもうんざり感がないです。
上手い人はハーレムの書き方もきっちりしてるんですね。参考になります。
素直に続きが楽しみだと思える、地味だけれど骨太な作品です。
まとめ
この巻も面白かったです。ハーレムの行方が気になるけれど、やっぱり本命は綾音だろうなあ。
そうすると、ハーレムの子たちがどうあきらめるかの話になってきます。どうなることやら。
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