ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

『壊れる男たち:セクハラはなぜ繰り返されるのか』金子雅臣 岩波新書 感想 労働相談に来たヤバい管理職

あらすじ・概要 セクハラによって「壊れる男たち」。セクハラをする男としない男はどう違うのか。著者は労働相談の仕事をしていたために、セクハラで訴えられた男たちを何人も見た。その醜くあさましい、実例をつづっていく。そして、セクハラをする男をめぐ…

『ツレがうつになりまして』細川貂々 幻冬舎文庫 感想 うつになってしまった夫を観察する漫画

あらすじ・概要 楽天的で前向きだった夫(ツレ)が、ある日うつ病になってしまった。著者はツレの変化に戸惑いながらも、病気について理解しようとする。大黒柱となった妻の代わりに主夫になった彼は、家事をしながら回復していく。 ユーモラスだけどきれいご…

『山登りはじめました』鈴木ともこ MF comic essey 感想 山って雄大でかっこいいなあ

あらすじ・概要 著者、鈴木ともこは山登りを始めた。日本一の山、富士山を目指したり、日本アルプスの山々を踏破したり、屋久島の杉や自然を堪能したり。山での悪天候を経験してしょんぼりすることも。それでも楽しく、前向きに登山を続けていくコミックエッ…

『ブラッシュアップライフ』感想 毎回苦労する死に戻りループ

あらすじ・概要 ごく普通の地方公務員麻美は、友達とカラオケをした後事故に遭ってしまう。あの世の受付で来世がオオアリクイだと知った麻美は、人間に生まれ変わるために人生をやり直す。一周目の知識でうまく立ち回る麻美だったが、知識だけで解決しないこ…

『町でうわさの天狗の子』岩本ナオ フラワーコミックス 感想 異能だけど自信がない女の子の話

あらすじ・概要 町で崇められている天狗の子、秋姫はごく普通の女の子。でも怪力があったり、不思議な力があったりする。天狗の弟子である幼馴染、瞬にいつもどやされてばかりだ。そんな秋姫がモテモテの少年、タケルに恋をして……。 登場するカップル全員か…

『性と法律――変わったこと、変えたいこと』角田由紀子 岩波新書 感想

あらすじ・概要 日本における男女不平等な法律はどのように改正されたのか。また、今後改正すべき点は何か。女性の権利のために戦ってきた弁護士が、判例を振り返りつつも法の上の女性差別を語る。女性が活躍し、なおかつ理不尽な犯罪にさらされないための法…

『光が死んだ夏』見た 死んだ親友の姿をした化け物が村にやってきて怪奇現象が起こる

あらすじ・概要 よしきの親友、光は死んだ。そんなよしきの前に現れたのは親友の死体の中に入った「人ではない何か」ヒカルだった。大好きな親友の姿をした怪物を恐れると同時に、抗いようもなく惹かれていくよしき。ヒカルが村に現れてから怪奇現象が続くよ…

『上京はしたけれど』たかぎなおこ 東京で夢追い人だった著者の過去

あらすじ・概要 イラストレーターになりたいたかぎなおこは、東京に出てイラストの仕事がしたいとやってきた。しかし絵のことは考える暇がなく、毎日アルバイトの掛け持ちに追われる日々。家賃が高いのでしっかり稼がなければならない。次第に、イラストに打…

『ローカル線で温泉ひとりたび』たかぎなおこ KADOKAWA 感想 各地でお風呂入って文化や食べ物を知る

あらすじ・概要 コミックエッセイ作家、たかぎなおこは一人で日本の温泉をめぐる。温泉がある街の文化やおいしいもの、自然の風景を堪能する。その土地の人に話しかけられて交流が発生することもある。また、スケジュールのミスやうっかりミスなど旅のトラブ…

『同性愛と異性愛』風間孝 河口和也 岩波新書 感想 ゲイの著者が語る差別と偏見

あらすじ・概要 現代日本の同性愛者はどのような不利益を被っているのだろうか、同性愛者が受けた差別に関する法廷闘争を取り上げ、異性愛中心の価値観に対する疑問を投げかける。同性愛者は、「異常な」存在なのだろうか。日本における「見えない差別」を考…

『暴走するネット広告 1兆8000億円市場の落とし穴』NHK取材班 NHK出版新書 感想

あらすじ・概要 ブログを読むとき、ニュースを読むときなどに、常に目に入るインターネット広告。しかしその中には明らかに虚偽のものや、違法サイトに掲示されているものもある。どうしてネット広告ではルールが守られないのか。取材班は海外まで飛んでネッ…

『プロ司書の検索術「本当に欲しかった情報」の見つけ方』入矢玲子 図書館サポートフォーラムシリーズ 感想

あらすじ・概要 司書である著者は、プロとして「調べる技術」を紹介する。図書館で目当ての本を探し出す方法や、インターネットで信頼できる情報を効率よく閲覧する方法、論文が読める各種サービスなどを紹介。インターネットによる「調べ物」の可能性と、そ…

『精神科・心療内科の上手なかかり方がわかる本』渡辺登監修 健康ライブラリーイラスト版

あらすじ・概要 精神科、心療内科はどんなところか。どのような治療を受けられるのか? 精神科の受診を考えている人に対して、アドバイスを提供する。信頼できる医師の探し方、回復の流れ、カウンセラーや他の支援事業との連携など、精神科治療がどういうも…

『ばあさんとの愛しき日々』なとみみわ コミックエッセイの森 感想 老いた家族を愛するということ

あらすじ・概要 著者の夫の母、つまり義母である「ばあさん」は、認知症を患い忘れっぽくなってしまった。著者と夫はばあさんを介護しながら、彼女の行動を観察している。できないことが増えていく中でも、家族の愛らしさ、面白さを描写していこうとするコミ…

『女ふたり原付で東日本縦断して水曜どうでしょう祭行って来た!』カワサキカオリ 双葉社 感想

あらすじ・概要 著者は「水曜どうでしょう」というテレビ番組に憧れ北関東から東北を縦断して北海道の水曜どうでしょう祭を目指す。カブの運転は初めて、道中はトラブル続きだ。旅のトホホなエピソードや、どうでしょうを愛する人たちの応援もありつつ北海道…

『パーフェクトブルー』見た感想 性的な作品に出ることになり狂っていく女性

あらすじ・概要 アイドルから女優に転身することになった未麻。しかし性的なシーンがあるドラマに出演させられ、精神的に参っていく。ストーカーじみた日記サイトが「アイドルとしての未麻」の日記を書き、アイドルの自分自身の幻影すら見え始める。果たして…

『男が介護する―家族のケアの実態と支援の取り組み』津止正敏 中公新書 感想

あらすじ・概要 母、妻を介護しながら生活する男性たち。しかし、介護の仕事は女性中心のため、男性たちはどう介護の情報を共有していいか悩んでいる。介護する男性たちの現状を洗い出し、介護をめぐるジェンダー史も紹介する。また、著者は男性たちのつなが…

『150㎝ライフ』たかぎなおこ KADOKAWA 感想 小柄な女性の日常と悩み

あらすじ・概要 150㎝の著者は、日常のことで困ることが多い。高い場所のものが取れなかったり、ファッションの悩みだったり。それと同時に、小さくてよかったなと思うこともある。小さい人間の日常を語りつつ、「人とは違う」外見を肯定し受容するコミック…

『ワンダー 君は太陽』見た感想 顔が歪んだ少年が初めて学校に通って悩む

あらすじ・概要 ずっと自宅学習で勉強していた、顔の歪んだ少年オギーは学校に通うことになる。オギーは自分に優しくしてくれた子と仲良くなるが、彼にはオギーに言えない事情があった。顔のことでからかわれ、学校が嫌になるオギーだが、少しずつ周囲に打ち…

『結婚退職後の私たち:製糸労働者のその後』岩波新書 塩沢美代子 組合活動家たちは家庭でどう暮らしていたか

あらすじ・概要 製糸工場で労働組合活動をしていた女性たちはどうしているのか。結婚したきっかけや男性の選び方、結婚生活の具体的な内容などを紹介。労働組合での政治活動は、彼女らのその後に大きな影響を与えた。同時に結婚後の女性の政治参加への悩みや…

『窓ぎわのトットちゃん』見た 訳ありの子どもたちが集う学校とそこに忍び寄る戦争

あらすじ・概要 トットちゃんはおしゃべりで落ち着きがなく、独特の価値観から学校ではうまく行かなかった。心配したトットちゃんの両親はトモエ学園に入学させる。トモエ学園は優しい校長先生のもと、先進的な教育がなされていた。トットちゃんはトモエ学園…

『愛しのローカルごはん旅』たかぎなおこ KADOKAWA 日本各地のおいしいものを食べまくる

あらすじ・概要 食べるのが大好きなイラストレーターたかぎなおこは、信州、高知、大阪など国内各地のローカルごはんを食べる旅をする。家族と、友人と、仕事仲間と……さまざまな人を道連れに、土地の食べ物を堪能しまくる旅。日本中の食べ物が食べてみたくな…

『ぢ 私、痔主になりました』てらいまき 河出書房新社 感想 言いにくいからこそ興味深い闘病記

あらすじ・概要 痔になった著者は、市販薬や民間療法を試してみるものの大きな改善に至らなかった。決意して医者に痔を見てもらうと、劇的に症状が治まった。しかし痔はすぐ治るものではなく、さまざまな困難が著者を待ち受ける。痔主(痔を持っている人のこ…

『Missing』日野杏寿・甲田学人 電撃コミックスNEXT 感想 異界に惹かれる少年と神隠しの少女

あらすじ・概要 オカルトや民俗学の知識と、浮世離れした雰囲気から「魔王陛下」とあだ名される空目恭一。彼はある日見知らぬ少女をみんなに紹介した以後、姿を消してしまう。空目恭一の友人である文芸部メンバーは彼を探すうちに、人間を侵食する「異界」の…

『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』牧野百恵 中公新書 感想 女性について実際のデータで政策を語ろう

あらすじ・概要 日本にあるというジェンダー格差。しかしその対策や、政策は偏見やバイアスに基づいていることもある。女性について正確なデータを集め、データに基づいて女性がもっと活躍できて幸せになれる世界を目指す。日本のジェンダー格差の解消で社会…

『平場の月』朝倉かすみ 感想 光文社文庫 たくさんの失敗をしてきた50代男女の恋が悲しい

あらすじ・概要 50代男性の青砥は、須藤と再会する。小学校中学校が同じ学校であったふたりは、青砥が検査で病院に行ったことをきっかけに再会した。青砥と須藤は惹かれ合っていくが、一方で須藤のがんへの闘病でぎこちなくなる。訳あり男女の静かで愚かしい…

『スパイダーマン:スパイダーバース』『アクロス・ザ・スパイダーバース』見た

スパイダーバース あらすじ・感想 スパイダーマンとして覚醒したマイルズは、街のヒーロースパイダーマンが死んだ姿を目の当たりにする。異次元に通じる装置のせいで、異次元のスパイダーマンがマイルズの町に現れてしまった。スパイダーマンたちが家に帰り…

『イスラーム圏で働く―暮らしとビジネスのヒント』桜井啓子 岩波新書 感想 異文化の人々とお金を稼ぐということ

あらすじ・概要 イスラーム圏で働くとはどういうことか。キャビンアテンダントや駐在員、日本でイスラーム圏の人々の観光業に従事する人に聞き取りを行い、その体験談を文章にまとめた。イスラーム圏といってもアラビア、南アジア、東南アジアで文化の差があ…

『浮き草デイズ』たかぎなおこ 文藝春秋 感想 東京に来たイラストレーター志望の焦りと葛藤

あらすじ・概要 著者、たかぎなおこはイラストレーターを目指して東京に出てきた。しかし、毎日生活のためのアルバイトに追われ、絵を描く暇がない。同じくイラストレーターを目指して頑張っている人へ劣等感を抱き、見通しの立たない生活に不安を覚える。夢…

『鹿児島”爆笑”転勤ライフ』坂本龍馬と怪しい海援隊 合同フォレスト 感想

あらすじ・概要 仕事の都合で鹿児島に引っ越してきた著者は、そこでさまざまなカルチャーショックを受ける。薩摩出身の有名人や、薩摩人の上下関係の厳しさ、薩摩の自然などをユーモラスに語る。 筆で描いたような筆致がよい 鹿児島に対する漫画。筆で描いた…