ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

「知らない人に好かれる」ことを警戒する理由が知りたければ、高野秀行『世にも奇妙なマラソン大会』を読んでくれ

世の中広いのでそうでない人がいないとは言い切れないけれども、だいたいの女性は「知らない人にあからさまに性的な好意を向けられたら困る」と思っている人が多いのではないでしょうか。 まだ何も実行してない状態で、「好意」だけで嫌なのか……とお思いかも…

いつもの古書堂だけどちょっとオチが不満―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ』感想

今日の更新は、『ビブリア古書堂の事件手帖6』です。 表紙はダークな栞子さん。 あらすじ 『晩年』の古書ほしさに栞子を突き落とした男、田中から「別の『晩年』を探してほしい」という依頼が来る。ビブリア堂はそれがどこにあるのか調べ、危険な男が狙って…

「本を読む子ども」が誕生する環境というものを教えてあげよう ~本好き一家に生まれるということ~

素材:Canva(https://www.canva.com/) 私の家族は本好き一家です。上の姉をのぞいて家族全員が読書をします。 (上の姉はちょっと事情があって文字を読むのが苦手なのですが、その話はここではしません) 定期的に「子どもが本を好きになる家庭はどのよう…

ひとりの男の性欲が生んだ美しい地獄―ドット・ハチソン『蝶のいた庭』感想

今日の更新は、ドット・ハチソン『蝶のいた庭』です。 あらすじ 背中に蝶の入れ墨を入れた少女たちが保護された。そのひとりであるマヤという少女は、警察に事情を聴かれるが、巧みな話術で何度も警察官たちをけむに巻く。根気強く彼女の語りを聞く中で、お…

「普通」にはなれないが、立派な変人になろう―国実マヤコ『明日も、アスペルガーで生きていく』感想

今日の更新は、『明日も、アスペルガーで生きていく』です。 評判が良かったので手に取ってみた本です。 書籍概要 社会にうまく適応できない、ちょっと変わった人たち。彼らは「アスペルガー症候群」かもしれない。著者がアスペルガーの人々に取材を行い、そ…

黒人社会から見る多民族国家アメリカ―高山マミ『ブラック・カルチャー観察日記』感想

今日の更新は、高山マミ『ブラック・カルチャー観察日記」です。 こちらの記事をきっかけに手に取りました。 uzumaki-guruguru.hatenablog.com 書籍概要 アメリカ出身の黒人と結婚し、彼らのコミュニティに飛び込んだ著者。そこにあったのは、数々のカルチャ…

王道だけどちょっと物足りない―葛西伸哉『世界が終わる場所へ君をつれていく』感想

今日の更新は、葛西伸哉『世界が終わる場所へ君をつれていく」です。 一冊完結のライトノベルおすすめで紹介されていたもの。 あらすじ 青森に、メタリックな謎の木が生えた。金属の塊を飛ばすそれのせいで、周辺住民は避難を余儀なくされる。しかしふたりの…

嫌いではないけれど設定がわかりにくい―森田季節『ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート』感想

今日の更新は、森田季節『ベネズエラ・ビター・マイスウィート』です。 あまり書くことがなかったので文章短め。 あらすじ 高校生の明美は、「人を殺した」と同級生の神野から告白される。実は明美も、人を殺したことがあった。ふたりは「実祈」という少女を…

何が楽しくて変態のラブストーリーを読まなければならないのか―江國香織『東京タワー』感想

今日の更新は、江國香織『東京タワー』です。 最初に言っておきますが、めちゃくちゃ酷評なので覚悟しておいてください。 あらすじ 年上の女性と付き合っている二人の若者。彼女らは、結婚していた。耕二と付き合う貴美子は情緒不安定になり、透と寝る詩史は…

医者が監修してるのにスピリチュアルネタはちょっと―苑田純子『敏感すぎて困っている自分の対処法』感想

今日の更新は、苑田順子『敏感すぎて困っている自分の対処法』です。 HSPについて調べるシリーズ。 書籍概要 人の感情や五感に敏感なHSP(敏感体質)。彼ら彼女らが周囲に流されず、自分の心を守るためにはどうすればいいのか。漫画と文章で解説する、「敏感…

マイナスのカードを集めない生活をしよう―高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』感想

今日の更新は、高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本」です。 HSPとは完全には言い切れないんですけど、どうやらその気があるっぽいので調べてみることにしました。 書籍概要 言葉や感情、音、化学物質などに敏感なHSP(敏感体質)の人々。彼…

大人のためのキャラクター小説を読もう! ライト文芸おすすめ10選

今日の更新は、ライト文芸おすすめまとめです。 ライトノベルのほうが好きだったけれど、このジャンルに進出するラノベ作家が多く、必然的に手を出し始めたジャンルでした。 ちなみに「ライト文芸」の境界線はライトノベルより難しいものがありますが、「ラ…

現代人にも共感できる世知辛いロマンス―オースティン『高慢と偏見(下)』(光文社古典新訳文庫)感想

今日の更新は、オースティン『高慢と偏見(下)』です。 パソコンのキーボードがぶっ壊れたため、しばらくブログが書けませんでした。なんとか毎日更新を崩さずに済みました。 上巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ ダーシーの告白を拒…

自分を縛る偏見を乗り越えることができるか―オースティン『高慢と偏見(上)』(光文社古典新訳文庫)感想

今日の更新は、オースティン『高慢と偏見』です。 いろいろバージョンがあるので、タイトルにレーベル名を入れておきました。 あらすじ 聡明で理知的なエリザベスは、近所に引っ越してきた青年ビングリーとその友人ダーシーと知り合う。エリザベスは、ダーシ…

見比べて観察する短歌入門―横山未来子『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』感想【AmazonPrimeリーディング】

今日の更新は、『はじめてのやさしい短歌のつくりかた』です。 これもAmazonPrimeリーディングからは抜けてるっぽいですね。Primeリーディングにあるうちに読まないことに定評があるブログです。 書籍概要 文字数のことから、添削例まで。これから短歌を始め…

『あやかし双子のお医者さん』は人と人が分かり合えないところが最高だよね【布教用記事】

今日の更新は、『あやかし双子のお医者さん』についてです。 布教用記事というのが需要があるっぽいので、ネタがある限りはときどき書いていきます。 この、『あやかし双子』はドキドキハラハラしたり伏線が巧妙だったりするタイプの作品とはちょっと違うん…

子どものときにこんな悪い大人たちの読書案内を読みたかった―金原瑞人『金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 海外作品』感想

今日の更新は、『金原瑞人[監修]による12歳からの読書案内 海外作品』です。 いやあ、めちゃくちゃ面白かったです。 書籍概要 翻訳者の金原瑞人を中心に、さまざまな人がローティーンのために本をオススメする。泣けるものから笑えるもの、ディープなもの…

こっくりさんと契約した男の、悲しくも希望のある結末―乙一『天帝妖狐』再読感想

今日の更新は、『天帝妖狐』です。 久しぶりに読みたくなったので楽天koboで買いました。電子書籍は気が向いたときに買い戻せて、著者にお金を払えるのでいいですね。 あらすじ 杏子は道端で倒れていた夜木という男を拾う。顔を隠した夜木は、何か訳ありのよ…

図書館の本を汚してしまったときの弁償の流れ

この間、図書館の本を汚してしまいまして……。弁償の仕方について調べたものの、あまりいい記事がなかったので自分で弁償したときの流れを書きました。 ただ、これはうちの地域での流れなので、ひょっとしたら地域によって違うかもしれません。そこは許してく…

これをミステリと呼ぶには無理があるだろ―野崎まど『パーフェクトフレンド』感想

今日の更新は、野崎まど『パーフェクトフレンド』です。 あらすじ 不登校の少女をたずねていった小学生理桜(りざくら)は、数学家の天才少女さなかと出会う。理桜が友達の重要性を説いたことをきっかけに、さなかは学校に通い始め、友達というものを知ろう…

描写は好きだけどちょっと物足りない―乾緑朗『機巧のイヴ』感想

今日の更新は、乾緑郎『機巧のイヴ』です。 レビューを見かけて面白そうだったので読んだ本。 あらすじ 江戸風の世界。天府という首都に、伊武(いう゛)という人形がいた。彼女は人間のようにふるまい、人間のように話すことができる。伊武には、天帝家にま…

装丁はアートではなく広告だ―範乃秋晴『装丁室のおしごと 本の表情つくりませんか?』感想

今日の更新は、範乃秋晴『装丁室のおしごと 本の表情つくりませんか?』です。 ライト文芸を読むシリーズで気になった本。 あらすじ 駆け出しの装丁家本河わらべは、会社の合併により巻島という男とペアになる。彼はベストセラーを連発する装丁家だったが、…

世界観がちゃんぽんになった怪談集―小原猛『沖縄の怖い話 琉球怪談物語集』感想【AmazonPrimeリーディング】

今日の更新は、『沖縄の怖い話 琉球怪談物語集』です。 これももうPrimeリーディングからは外れちゃったみたいですね。 書籍概要 沖縄に移住した著者は、沖縄の怪談に興味を持ち、収集を始める。沖縄の亀甲墓、霊場であるウタキ、霊能力者のユタ、沖縄戦や米…

キャッチ―に少年少女の「今」を描く! 青春ライトノベルおすすめ7選

素材:ぱくたそ(https://www.pakutaso.com/) 今日の更新は、「青春ライトノベルおすすめまとめ」です。 青春というくくりだと余り読まないんですけれど、好きな作品の中に「青春」の要素を含むものは結構あるなあと思いました。 それではいってみよう! 『…

「恋愛小説」を丁寧にまとめ上げる筆力―崎谷はるひ『トオチカ』感想

今日の更新は崎谷はるひ『トオチカ』です。 おすすめ記事から見つけたもの。 yocchi.hatenablog.com あらすじ 過去の恋のトラウマにより、男性が苦手な里葎子。逃げるように叔母の住む鎌倉に行き、友人と共にアクセサリーショップを開いた。そんな里葎子を何…

「持てる者」が示す無意識の傲慢さ―山崎寿人『年収100万円の豊かな節約生活術』感想

今日の更新は山崎寿人『年収100万円の豊かな節約生活術』です。 節約の本が読みたいなと思って入手しました。 書籍概要 著者の収入は年100万円程度の家賃収入のみ。それでどうやって生きていけるのか……。ポイントや料理などの節約術を語りつつ、自由に生きる…

着実に描写を積み重ねていく時間SF―一穂ミチ『きょうの日はさようなら』感想

今日の更新は、一穂ミチ『きょうの日はさようなら』です。 ライト文芸レーベルの作品をいろいろ読むシリーズ。 あらすじ 双子のきょうだいの明日子と日々人は、いとこの今日子と暮らすことになった。彼女は、コールドスリープによって30年前からやってきた女…

優秀な毒親のケーススタディのネタ―小林薫『娘が不登校になりました 「うちの子は関係ない」と思ってた』感想

今日の更新は、小林薫『娘が不登校になりました』です。 今回の記事は覚悟して読んでほしい……ボロクソに言ってるので。 あらすじ 中学生の娘が、ある日不登校になった。フリースクールに通った後、私立の学校に転校したりするが、娘はやはりそこでも不登校に…

日本文化×不思議の世界を味わおう! 和風ファンタジーおすすめ13選

素材:イラストAC(歩夢) https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=UcZy0agl&area=1 今日の更新は、和風ファンタジーのおすすめまとめです。 おすすめ記事を見ているとき、和風ファンタジーに特化したまとめはあまりなかったので、自分で書いてみま…

学校の授業で見せられた映画みたいな小説―榊一郎『カタナなでしこ』感想

今日の更新は、榊一郎『カタナなでしこ』です。 ライト文芸のおすすめ本に載せられていた本です。 あらすじ 高校生の千鶴は、祖父の遺品整理のときに日本刀を見つける。彼女は同級生の紗和子、鏡美、音々と、グループワークで刀の拵えを作ることになった。だ…