ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ロジカルに主夫中心の子育てを語る―望月昭『パパ、どうしてお仕事いかないの?』

今日の更新は、望月昭『パパ、どうしてお仕事いかないの?』です。 あらすじ うつ病をきっかけに、主夫になった細川貂々の夫望月昭。子どものちーと君も三歳になった。宝塚への引っ越し、子どもに合わない保育園、子連れの旅行など、さまざまな日常を描く男…

絵にまつわる不条理な話が怖すぎる―森見登美彦『夜行』

今日の更新は、森見登美彦『夜行』です。 あらすじ 京都で学生時代を過ごした六人が、鞍馬に集った。話題の中心は失踪した「長谷川さん」。やがて六人は、旅にまつわる不思議な体験を話し出す。それには「夜行」という絵がかかわっていた。

かわいい女の子が見たい欲求が満たされた―桜庭一樹『荒野』

今日の更新は、桜庭一樹『荒野』です。 最近バタバタしてて更新遅れててすみません。しばらくこの調子だと思います。 あらすじ 恋愛小説家の娘、荒野。奔放な父とふたりで暮らしていたが、父の再婚によって日常は一転する。連れ子の悠也との淡い恋、義母との…

電脳空間に世界を創造するということ―三宅陽一郎・山本貴光『高校生のためのゲームで考える人工知能』

今日の更新は、『高校生のためのゲームで考える人工知能』です。 新書らしからぬ漫画絵が気になって一度読んでみたかった本。 書籍概要 プログラミングによって人の知能を模倣する人工知能(AI)。この本ではゲームにおけるAIの作り方を語り、それを通して「…

子どもたちの貧困のリアル―保坂渉・池谷考司『子どもの貧困連鎖』

今日の更新は、『子どもの貧困連鎖』です。 新潮文庫のノンフィクションは結構読んでみたくなってしまうんですよね あらすじ 近年深刻化する子どもの貧困。定時制高校に通う子どもたちや、保健室で給食の残りのパンをかじる小学生。彼ら彼女らに取材し、具体…

順調にたらしに成長していく主人公―枯野瑛『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 02』

今日の更新は、枯野瑛『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?02』です。 あらすじ <獣>の浸食によって滅びかけた都市ライエル。その外れの森で新しい妖精が発見された。堕鬼種(インプ)で四位武官のフェオドールはそれを世話することになるが…

「憑かれた」テニス少女の地獄の道行き―甲田学人『霊感少女は箱の中2』

今日の更新は、甲田学人『霊感少女は箱の中2』です。 久しぶりに続刊に手を出したけれど、だいたい内容を覚えていてよかったです。 あらすじ 交霊サークル「ロザリア・サークル」の手伝いをするようになった柳瞳花。そのロザリアにテニス部の的場茜から依頼…

ケモナーでひねくれものの主人公が好きすぎる―枯野瑛『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? 01』

今日の更新は、『終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか? #01』です。 前作は最後まで読んでます。 あらすじ 堕鬼種(インプ)の少年は、廃劇場の上で謎の少女に出会う。彼女は黄金妖精(レプラカーン)のひとりで、命を燃やして世界を滅ぼす<獣>…

飼育員が見た動物園の日常―あべ弘士『動物の死は、悲しい?―元動物園飼育係が伝える命のはなし』

今日の更新は、あべ弘士『動物の死は、かなしい?』です。 ネットで見かけたので入手してみた本。 あらすじ 動物園の飼育員から、絵本作家に転身した著者。飼育員になるまでの半生や、動物を育てる難しさ、飼育員たちの工夫や葛藤を描くノンフィクション。

面白いけど内向きなところはいただけない―牧野修『月世界小説』(ハヤカワ文庫)

今日の更新は、牧野修『月世界小説』です。 この装丁がかっこよくて気になっていた本。 あらすじ 友人とゲイパレードを見に来ていた菱谷修介は、突然怪物たちに襲われ、世界の終わりを見る。彼が逃げ込んだのは自分の妄想世界。あまたの妄想世界では、神と人…

預言によって権力に狂う一人の男―シェイクスピア『マクベス』(光文社古典新訳文庫)感想

今日の更新は、シェイクスピア『マクベス』です。 昔一度読んだんですけど、内容をほとんど思い出せなかったので再読してみました。 あらすじ 三人の魔女に「王位につく」と予言されたマクベス。権力に目がくらんだ彼は、汚れた手段に手を染めていく。王位を…

並行世界を超えて幽霊になった少女を救え―乙野四方字『君を愛したひとりの僕へ』感想

今日の更新は、乙野四方字『君を愛したひとりの僕へ』です。 対になっているほうの記事はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 両親の離婚によって父親に引き取られた暦は、父の働く研究所で栞という少女に出会う。彼女と惹かれ合う暦だったが、父と…

並行世界におけるすべての彼女を愛せるか―乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』感想

今日の更新は、乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』です。 一度読んでみたかった作品。 あらすじ 並行世界の概念が証明されている世界。秀才の高崎暦(たかさき・こよみ)は85番目の世界から来たクラスメイト滝沢和音(たきざわ・かずね)に声をかけられる…

鉄を操る少女の短く荒々しい青春―桜庭一樹『製鉄天使』感想

今日の更新は、桜庭一樹『製鉄天使』です。 あらすじ 製鉄所の社長の娘赤緑豆小豆は、その鉄を操る能力でレディースとして成り上がる。その後部座席には、マスコットの菫がいた。中学卒業をきっかけに、小豆と菫は離れ離れになるが……。

「政教分離」は弾圧か自由か―伊達聖伸『ライシテから読む現代フランス――政治と宗教のいま』感想

今日の更新は、『ライシテから読む現代フランス』です。 一度読んでみたかった新書です。 書籍概要 国家の宗教的中立性を示す、フランスのライシテ。信仰の自由を保証する一方で、「ヴェール事件」などのムスリムの髪を隠すかっこうを否定することもある。ラ…

極限状態の指揮をむしばむセクショナリズム―佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘」事件』感想

今日の更新は、佐々淳行『連合赤軍「あさま山荘事件」』です。 一度、あさま山荘事件の本は読んでみたかった。 あらすじ 学生運動の過激派、連合赤軍がひとりの女性を人質に「あさま山荘」という保養所に立てこもった。警察官である著者は、人質の奪還と事件…

蝶のいた庭、ブラックカルチャー、うつ病九段 2018年下半期に読んだ面白かった本11選

素材:Canva 今日の更新は、「2018年下半期に読んだ面白かった本」です。 過去の記事はこちら。 2017年上半期に読んだおすすめ本19選 横浜駅SF、家族喰い、天盆。2017年下半期面白かった本21選 魔術師、看護師、フェンシング 2018年上半期面白かった本14選…

公務員の公平はとってもいびつ―秋山謙一郎『公務員の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本』感想

書籍概要 就職先として人気が高い公務員。給料は? 仕事の内容は? 休みの日は? などなど、公務員の姿を解説した本。

忙しい人向け長編ファンタジー―多崎礼『神殺しの救世主』感想

今日の更新は、多崎礼『神殺しの救世主』です。 あらすじ 滅びつつある世界。預言者に育てられた《運命》の守護者ノト・ファーレは、自分以外の守護者を探して旅に出る。仲間と旅をするうちに、ノトは預言に抗おうとし始めるが……。

錆に蝕まれた日本を旅する荒くれ者―瘤久保慎司『錆喰いビスコ』感想

今日の更新は瘤久保慎司『錆喰いビスコ』です。 いつかのセールで買ったもの。 あらすじ お尋ね者のキノコ守りのビスコ。彼は錆にむしばまれた師匠、ジャビを助けるために、「錆喰い」というキノコを探す旅に出る。自衛団長である姉を助けたいミロも相棒に加…

フェチや関係性にうまく乗れなかった―瑞智上記『あまがみエメンタール』感想

今日の更新は、瑞智上記『あまがみエメンタール』です。 著者プロフィール欄見て気づいたんですが、改名した『幽霊列車とこんぺい糖』の人だったんですね。 あらすじ ストレスを感じると、心音を噛んでしまう莉子。一方で、心音のほうも、「莉子に噛まれる」…

「詩人」であることがスティグマとして扱われるのが辛すぎ―紅玉いづき『現代詩人探偵』感想

今日の更新は、紅玉いづき『現代詩人探偵』です。 あらすじ オフ会で「10年後に会おう」と言って別れた詩人たち。10年後、彼らが集まってみると、四人もの詩人が亡くなっていた。その詩から「探偵くん」とあだ名される主人公は、彼らの死の理由を探り始…

ヴィザと財産狙いのウクライナ美女から父を救え―マリーナ・レヴィツカ『おっぱいとトラクター』感想

今日の更新は、マリーナ・レヴィツカ『おっぱいとトラクター』です。 『トラクターの世界史』に引用されていて興味を持ちました。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 84歳の父は、35歳のウクライナ人の美女と結婚すると言ってきた。どう考えても財産目…

「知らない人に好かれる」ことを警戒する理由が知りたければ、高野秀行『世にも奇妙なマラソン大会』を読んでくれ

世の中広いのでそうでない人がいないとは言い切れないけれども、だいたいの女性は「知らない人にあからさまに性的な好意を向けられたら困る」と思っている人が多いのではないでしょうか。 まだ何も実行してない状態で、「好意」だけで嫌なのか……とお思いかも…

いつもの古書堂だけどちょっとオチが不満―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ』感想

今日の更新は、『ビブリア古書堂の事件手帖6』です。 表紙はダークな栞子さん。 あらすじ 『晩年』の古書ほしさに栞子を突き落とした男、田中から「別の『晩年』を探してほしい」という依頼が来る。ビブリア堂はそれがどこにあるのか調べ、危険な男が狙って…

「本を読む子ども」が誕生する環境というものを教えてあげよう ~本好き一家に生まれるということ~

素材:Canva(https://www.canva.com/) 私の家族は本好き一家です。上の姉をのぞいて家族全員が読書をします。 (上の姉はちょっと事情があって文字を読むのが苦手なのですが、その話はここではしません) 定期的に「子どもが本を好きになる家庭はどのよう…

ひとりの男の性欲が生んだ美しい地獄―ドット・ハチソン『蝶のいた庭』感想

今日の更新は、ドット・ハチソン『蝶のいた庭』です。 あらすじ 背中に蝶の入れ墨を入れた少女たちが保護された。そのひとりであるマヤという少女は、警察に事情を聴かれるが、巧みな話術で何度も警察官たちをけむに巻く。根気強く彼女の語りを聞く中で、お…

「普通」にはなれないが、立派な変人になろう―国実マヤコ『明日も、アスペルガーで生きていく』感想

今日の更新は、『明日も、アスペルガーで生きていく』です。 評判が良かったので手に取ってみた本です。 書籍概要 社会にうまく適応できない、ちょっと変わった人たち。彼らは「アスペルガー症候群」かもしれない。著者がアスペルガーの人々に取材を行い、そ…

黒人社会から見る多民族国家アメリカ―高山マミ『ブラック・カルチャー観察日記』感想

今日の更新は、高山マミ『ブラック・カルチャー観察日記」です。 こちらの記事をきっかけに手に取りました。 uzumaki-guruguru.hatenablog.com 書籍概要 アメリカ出身の黒人と結婚し、彼らのコミュニティに飛び込んだ著者。そこにあったのは、数々のカルチャ…

王道だけどちょっと物足りない―葛西伸哉『世界が終わる場所へ君をつれていく』感想

今日の更新は、葛西伸哉『世界が終わる場所へ君をつれていく」です。 一冊完結のライトノベルおすすめで紹介されていたもの。 あらすじ 青森に、メタリックな謎の木が生えた。金属の塊を飛ばすそれのせいで、周辺住民は避難を余儀なくされる。しかしふたりの…