ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ロックスターの吸血鬼の語りは嘘か真か アン・ライス『ヴァンパイア・レスタト 上』感想

吸血鬼ものの作品を読むシリーズ。 あらすじ 眠りから目覚め、ロックスターとなったヴァンパイア・レスタト。彼は自伝を書き始める。老ヴァンパイアから血を与えられ、吸血鬼となった彼は、超常的な力と財力を得る。

ひとりの女性に人生を壊された人々はどこへ行くのか 小野一光『新版 家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』感想

書籍概要 多数の死者と行方不明者を出した尼崎連続変死事件。その中心となったのは、角田美代子というひとりの女だった。著者は尼崎で聞き取り調査をし、その地獄のような手口と、被害の全容を明らかにしようとする。

怖くて倫理的なホラーミステリ 小野不由美『ゴーストハント』感想記事まとめ

あらすじ 旧校舎で起こった心霊事件を解決しにやってきた渋谷一也、通称ナル。彼の事務所でバイトすることになった麻衣は、彼と個性豊かな霊能力者たちと心霊事件に挑む。たびたび夢に出てくるナルに、麻衣は淡い恋心を抱くのだが……。

二人の恋が世界を変える物語 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月蝕の復活譚』感想

吸血鬼の小説を読むシリーズ。何冊目かはもうすっかり忘れてしまいました。 やっと最終巻。少ししんみりしますね。 あらすじ 「聖櫃」を目指して旅をしてきたギブは、ツキシロと再会する。お互いの愛を確認し、聖櫃を閉める覚悟を改めて決めるツキシロ。一方…

痴話げんかで混乱するおかしな人々 新井素子『星から来た船 中』感想

あらすじ 宇宙船に取り残された子どもが、男女のごたごたが原因だと判明。一件落着するところだったのだが、子どもを捨てることに起こった真樹子は子どもを返したがらない。そしてさらなる混乱が待ち受けていた……。

戦後を家事労働にかけた女中の半生 吉村きよ『女中奉公ひと筋に生きて』感想

とあるブログでおすすめされて気になった本です。 あらすじ 貧しい家の暮らしから奉公に出され、女中となった筆者。結婚した相手には駆け落ちされ、一人で子どもを養わなくてはならなくなった。生きるために女中奉公をし続けた女性の自伝。

恋の終わりと少女の成長で締めくくる 小野不由美『ゴーストハント7 扉を開けて』感想

ついに最終巻。感慨深いですね。 あらすじ 前巻の事件の帰り道、山奥に迷い込んだSPRのメンバー。ナルはそこで突如「SPRを解散する」と宣言した。納得がいかないSPRのメンバーたちはコテージを借りてその場に残る。そんな中、地元の人たちに幽霊の出る校舎に…

本を食べる少女が文学少年と出会って大冒険 渡辺仙州『文学少年と書を喰う少女』感想

タイムラインにおすすめが流れてきて気になった一冊。 あらすじ 書物が大好きな少年、呉承恩は、文字を食べたがる不思議な少女と出会う。彼女は玉策という、すべての生死を記録した禄命簿が人の形をとったものだった。承恩は彼女をめぐる戦いに巻き込まれる…

肥大化した横浜駅の中で生きる人々の悲喜こもごも 柞刈湯葉 『横浜駅SF 全国版』感想

この本はブログの収益で買いました。ありがとうございます! あらすじ 横浜駅が日本の国土を覆った未来。関門海峡を挟んで横浜駅から住居を守るJR九州、子ども型ロボットを放って横浜駅を調査するJR北海道、そしてエキナカに暮らす人々を描いた短編集。

ひねくれものの神父が素直になるとき 瑞山いつき『スカーレット・クロス 背信の月露』感想

吸血鬼の小説を読むシリーズ。 そろそろこのシリーズも終わりですね。ちょっと寂しいなあ。 あらすじ ルナシイになったことがきっかけで魔力が強くなり、日中でもヴァンパイアの姿になるようになったツキシロ。彼女は血の渇きに苦しみ、ある決断をする。ギブ…

コミュニケーションで「ことばを尽くす」とはどういうことか 森田汐生『もっとことばに出そう自分の気持ち 「率直に話す」55のヒント』

ぱらぱらめくって面白そうだったので借りてきました。 書籍概要 自分の中の怒りやもやもや、さらには褒めたいという感情。それをうまく言えなくて黙ってしまう、嫌味っぽく言ってしまう、怒って我を失ってしまう。上手に思いを伝えるにはどうすればいいのか…

就活の「なぜ?」に答える本 石井京子ほか『発達障害の人の内定ハンドブック 「発達障害の人の就活ノートⅡ」完全版』感想

この発達障害の人向けシリーズがためになるので読み進めています。興味深いですよ。 書籍概要 発達障害者が就職活動するためにはどうすればいいのか? 就労を考えている発達障害の人のために、面接で気を付けること、履歴書の書き方、就活に対する心構えなど…

だめだった巫女さんがいいところ見せる回 小野不由美『ゴーストハント6 海からくるもの』感想

今回の表紙はニス塗りかな?それとも他の効果? あらすじ 依頼を受けてある家にやってきたSPRのメンバー。そこは代替わりするたびに人が死ぬ家だった。ナルが霊の攻撃を受けて憑依されてしまい、SPRのメンバーはナル抜きで調査を行うことに。はたして「呪い…

たくましくなった下僕、うじうじしている腹黒神父 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月波の調べ』感想

あらすじ 「聖櫃」の「鍵」としてそれを閉めることを決意したツキシロ。その決意を知ったギブは、ツキシロを失いたくない気持ちと、聖職者の立場のあいだで葛藤する。一方、アザゼルの片割れハクティバは、もう一方の片割れイブリスとひとつになるため本格的…

兄弟の再会のはずが知らない赤ちゃんと女性がついてくる 新井素子『星から来た船 上』感想

図書館のリサイクル本にあったので持ってきた本です。『星へ行く船』に番外編があったとは。 あらすじ 麻子は、恋人で探偵の水沢良行の探偵事務所で働いている。ある日、良行の弟である太一朗から「おふくろに会いに行く」と連絡が来る。しかし二人の母はす…

将棋に似たボードゲームで国の頂点を目指せ 王城夕紀『天盆』感想

あらすじが気になって手に取った本。ボードゲームで国を支えるとはどういうことなのか……。 あらすじ 「天盆」というボードゲームで立身出世をする国。捨て子の凡天は、幼いころに天盆の才能を見せ、貪欲に知識を吸収していく。凡天の家族は、それを見守り応…

空気が粘つくような暗い描写 田中慎弥『共喰い』感想

読みたいと思っていたけれどなかなか読めてなかった一冊です。 あらすじ 女性を殴る父親、そしてそれに似てきた息子を描く表題作、釣り好きの曾祖父の死を描いた「第三階層の魚」。二編を収録した一冊。

時代によってコロコロ変わる「死刑」の意味 バーバラ・レヴィ『パリの断頭台 七代にわたる死刑執行人サンソン家年代記』感想

こないだ読んだサンソンの新書が、面白かったけれど若干感情的に過ぎる気がして、もう一冊読んでバランスを取ろうと思いました。 honkuimusi.hatenablog.com 書籍概要 七代にわたってパリで死刑執行人を担当してきたサンソン家。フランス革命を中心に、彼ら…

女性におすすめのライトノベル20選

「#女性におすすめのラノベ」というタグを見つけ、書いてみたいと思ったのですが、ツイートでは書ききれないので記事にまとめました。 ちなみにこのブログにおける「ライトノベル」はレーベル単位で決めています。ただし、一般レーベルになってももともとが…

世界を変える戦いで眼鏡神父がだめな感じになっていく 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月窟の黙示録』感想

吸血鬼の小説を読むシリーズ。 この巻の表紙、前巻のの表紙と対になっているんですね。ギブとツキシロの位置が前巻と逆です。こういう構図で遊ぶのって面白いですよね。 あらすじ 悪魔を閉じ込めた聖櫃の「鍵」として狙われるようになったギブとツキシロ。ギ…

ADHDの人のための「精神論でない」片づけ方 司馬理英子『「片づけられない!」「間に合わない!」がなくなる本 ADHDタイプの【部屋】【時間】【仕事】整理術』感想

毎度のことながら、片づけられないので読みました。 書籍概要 不注意やスケジュール管理の苦手さから、生活で困難を抱えがちなADHDの人たち。どうすれば生活を改善できるのか。少しでも生きやすくするアイデアを、イラスト付きでわかりやすく解説する。

森の奥の洋館で人が消え続ける 小野不由美『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』感想

メタル系の紙に印刷されていてめっちゃギラギラした本です。 あらすじ 日本国の元首相から依頼を受け、森の奥の洋館にやってきたナルたち。そこは人が消える館だった。集められた他の霊能力たちと一緒に捜査を開始するが、人々が次々に消えていく。果たして…

敵対するふたりの王が協力して国に平和をもたらす 沢村凛『黄金の王 白銀の王』感想

あらすじ 鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの氏族が王位を争い続けてきた翠(すい)の国。囚われていた旺廈の頭領薫衣(くのえ)は、鳳穐の頭領で現王の穭(ひづち)に協力を持ちかけられる。それは、長い争いを終わらせ、翠の国に平和をもたら…

悪ノリをしてサハラ砂漠でマラソンすることに 高野秀行『世にも奇妙なマラソン大会』感想

Kindle日替わりセールであったので買ってしまった本。高野秀行の本がセールだとつい買いたくなるんですよね……。 書籍概要 悪ノリをして西サハラでマラソンをすることになった表題作、インドに入国するため改名をしようとする話、海外で起こったちょっと不思…

神父と下僕の物語はスケールが大きくなっていく 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月牙の命脈』感想

吸血鬼の本を読むシリーズもだいぶ進んできました。 あらすじ 吸血鬼に転化する可能性があるギブは、師匠と兄弟弟子のレオンとともにある女性のもとを訪ねる。彼女は、500年を生きた魔女だった。一方ギブが悪魔を閉じ込めた「聖櫃」を開ける鍵だとして、とあ…

「演劇はこんなにも面白い!」が伝わってくる青春小説 平田オリザ『幕が上がる』感想

青春小説のおすすめ記事に上がっていた作品です。 あらすじ 地方の高校演劇部にやってきた新任の顧問が、彼女らの意識を変えていく。「大会で勝ち残りたい」という意思が、演劇のクオリティを高める。演出を担当することに主人公 は、『銀河鉄道の夜』を翻案…

本を愛する古書店主が張り出した張り紙をたどる さかもとけんいち『ほんじつ休ませて戴きます 人生最晩年、あふれ出た愛の言葉集』 

知り合いのおすすめで手に取った本です。大阪の話ですしね。 書籍概要 大阪の古本屋「青空書房」。そこに貼られた「ほんじつ休ませていただきます」という張り紙には絵と一言が書かれている。その張り紙を紹介しながら、店主が半生を語っていく。画集と語り…

囚われの神父ギブを下僕ツキシロが迎えに行く 瑞山いつき『スカーレット・クロス 隠されし月の制約』感想

吸血鬼ものを読むシリーズ。どうしても古い作品だとAmazonのサムネイルが悪いですね……記事に載せるとき困るのなんの。 あらすじ 冤罪の疑いをかけられ幽閉されてしまったギブ。ツキシロやレオンは、彼を救い出そうと作戦を練る。一方のギブは、そこから出て…

シュールなユーモアと絶望の合わせ技 パク・ミンギュ『カステラ』感想

あらすじ タヌキゲームにはまってしまったインターン先の社員、何でも入る冷蔵庫、宇宙人の襲撃を受けている農地……。ごく普通の日常にシュールな題材を交え、絶望とユーモアをもって人間を描き出す短編集。

発達障害の紹介と生活改善方法がよくまとまっている 星野仁彦監修『大人の発達障害を的確にサポートする!』感想

たぶん星野仁彦は監修だけで別のライターが本文を書いているみたいなんですが、それなら名前を載せてあげたらいいのに……と思いました。 書籍概要 片づけられない、コミュニケーションが苦手、こだわりが強い……。人よりちょっと変わった存在である発達障害。…