ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

秋に閉じ込められたリプレイヤーたちのゆるい生活 恒川光太郎『秋の牢獄』再読感想

あらすじ 女子大生の藍は、自分が11月7日を繰り返していることに気づく。同じ境遇の「リプレイヤー」たちとつるみ、ループを楽しむ。しかし、「北風伯爵」という謎の存在がリプレイヤーたちを脅かしていて……。表題作含む三編を収録。

「役割」を持つ人たちの掌編集 いしいしんじ『雪屋のロッスさん』感想

あらすじ なぞなぞをするタクシー運転手、巨躯のプロバスケット選手、マッサージ上手な女性。何かの「役割」を持った人をテーマにした掌編集。

男二人の掛け合いが楽しい 野村美月『アルジャン・カレール 革命の英雄、或いは女王の菓子職人』感想

上巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 女王の菓子職人アルジャン・カレール。劇作家のオーギュストは彼になつき、あれこれ話をする。あるとき女王の権力の後ろ盾であるバルトレオンが敗走し、フロリアは戦争の危機に陥る。

時間ループと現代との類似性とこの先生き残るには 浅羽通明『時間ループ物語論』感想

久しぶりに評論系の本を読んで新鮮でした。そうそうこういう感じだった。 書籍概要 登場人物が同じ時間を繰り返す、時間ループ物語。古今東西の時間ループを紹介し、その傾向を分析。さらに、昔話や日本文学などの過去の作品から、時間ループの起源を探って…

ビジネスの場面でアサーティブにふるまうには 大串亜由美『アサーティブ―「自己主張」の技術』感想

アサーションの本を探していて手に取った本。 書籍概要 言いたいことが伝わらない。うまく要望や意見を言い出せない。どうすれば言葉を尽くせるのか……。 ビジネスシーンでの「アサーティブな立ち振る舞い」について解説する本。

自分も相手も大切にする会話をするために 平木典子『アサーション入門 自分も相手も大切にする自己表現法』感想

アサーションについての本を何冊か読んでみようキャンペーン。 今回は一冊目。 書籍概要 過度に自分の意見を抑圧してしまったり、攻撃的になったり、コミュニケーションは難しい。「自分もOK、相手もOK」な関係をどう作るのか。「アサーション」という概念を…

下ネタ大好きなイタリア語通訳が自分の仕事について語る 田丸公美子『パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記』感想

楽天koboで、文春文庫セールがあったので購入。 あらすじ 下ネタエロネタ大好きのイタリア語通訳、田丸公美子。彼女が接するイタリア人は、一癖も二癖もある人ばかりで……。通訳という仕事について、イタリアという異文化について語るエッセイ。

知の巨人が少年時代に出会った先生たちの言葉 佐藤優『先生と私』感想

親からの借り物。 うちはわりとリベラルというか、どちらかというと左寄りの家だと思うんだけど、佐藤優の本は飛び交っています。 あらすじ 技師と専業主婦の間に生まれた男の子、佐藤優。彼は教育熱心な両親に後押しされ、地元の塾に通い始めた。そこには、…

滅びゆく人類の中に生まれたつぎはぎの怪物 日日日『ビスケット・フランケンシュタイン 完全版』感想

好きだった本を読み返すシリーズ。でも完全版は読んだことがありませんでした。 あらすじ 体の一部が謎の物質に置き換わる奇病が蔓延する世界。患部をつぎはぎにした人形は、自我に目覚めた。ビスケという名を得た怪物は、徐々に荒廃していく世界をさまよう…

ちびででぶな少年が、お父さんと旅がらす ウルズラ・ウェルフェル『火のくつと風のサンダル』再読感想

昔好きだった本を読んでいくシリーズ。今回は子どものころ好きだった児童書。 あらすじ ちびでふとっちょのチムは、誕生日プレゼントにお父さんとの旅をプレゼントされる。夏休みに徒歩で旅に出た二人は、靴を修理しながら村や町を渡っていった。お父さんは…

源氏物語のキャラがゴシップ雑誌の投稿欄のようなセキララ告白 酒井順子『源氏姉妹(げんじしすたあず)』感想

この記事を読んで手に取ってみました。 紙の本では花のおしべの部分が箔押しでした。このデザイン笑うわ。 uzumaki-guruguru.hatenablog.com あらすじ 物語の中で、あまたの女性と浮名を流した光源氏。ひとりの男を通して棒姉妹(シスターズ)となった女性た…

はてなブログのおすすめ読書ブログ5選 part1

素材:写真素材足成 http://www.ashinari.com/ 読書ブログがあるとついつい「読者になる」ボタンを押してしまうタイプです。その中で気に入っているものをピックアップしました。 グループで探すと決まったブログしか浮上してこないので、この記事が読書ブロ…

一か月に2通ポストカードで送る、ゆるーいファンレター生活の話

素材:ぱくたそ https://www.pakutaso.com/ 私は結構ファンレターを出すほうです。 ペースは気まぐれだけれど、だいたい一か月に2通くらい出しています。 世の中には「どうやってファンレターを出していいのかわからない」という人がいるみたいなので、参考…

足の不自由な少女を中心に「友情」を描いた連作短編 重松清『きみの友だち』感想

あらすじ 事故で足が不自由になった恵美。彼女は事故にかかわったクラスメイトを責めたことをきっかけに、クラスで孤立してしまう。恵美は同じくクラスで浮いている、由香と仲良くなるが……。ひとりの少女を中心とした連作短編集。

小説家になろうで読むろう学校百合 石川博品『あたらしくうつくしいことば』感想

商業出版の本に夢中で最近あまりweb小説を読めてないのだけれど、これはすごくよかったので覚書もかねて感想を残しておきます。 画像はKindle版の表紙です。 ncode.syosetu.com あらすじ 紗雪の通うろう学校に転校生がやってくる。彼女は紗雪たちとは違った…

友情と愛情のあわい、フレンシスが好きな人に! 男女の友情を描いたおすすめ小説6選

素材:ぱくたそ https://www.pakutaso.com/ こんなツイートを見かけました。 ふと「男同士のロマンティックな友情ブロマンスって呼ぶけどヘテロの男女にもその《あわい》を示す言葉くれやfriendのromanceだからfromanceでいいんちゃうの頼む~~~」とズンドコ…

通販の対応がよく見た目も写真通りでよかった 「印傳のような紙のブックカバー へし切長谷部」レビュー

買おう買おうと思ってて、買い逃していました 在庫がしっかり残っている商品でよかったです。 www.plus-orange.com

本好きのオタク漫画家が本にまつわる仕事を取材 久世番子『番線 本にまつわるエトセトラ』感想

久しぶりに著者のコミックエッセイを読みたくなったので手に取りました。 あらすじ 本の貸し借りのこと、本棚がすぐいっぱいになること……。本好きであり、漫画家の著者が本による喜びや悩みを語りつつ、校正者や国会図書館などへ取材を行う。本好きの日常や…

強制収容所を生き延びたユダヤ人医師の記録 ヴィクトール・フランクル『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』再読感想

書籍概要 ナチス・ドイツ政権下、ユダヤ人として強制収容所送りになったヴィクトール・フランクル。過酷な環境に苦しむ一方で、医師らしい冷静な視点で収容所を俯瞰する。アウシュビッツを生き延びた男性の手記。

元軍人の菓子職人が劇作家と出会う 野村美月『アルジャン・カレール 革命の英雄、或いは女王の菓子職人 上』感想

『陸と千星』のあと、もう少し野村美月の読み切りが読みたいな、と思ったので電子でぽちっと買いました。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 革命のあと、再び女王が政権を取り戻したフロリア。万年スランプな劇作家のオーギュストは、小さな菓子屋を見つ…

魔女学校の生徒同士が織りなす現代の変身譚 白鷺あおい『ぬばたまおろち、しらたまおろち』感想

TwitterのTLで噂になっていて興味を持った本です。 あらすじ 幼馴染の大蛇と結婚の約束を交わした少女、綾乃。村祭りの舞い手に選ばれた綾乃は、祭り当日に謎の男に襲われる。間一髪で彼女を救ったのは、ほうきに乗った魔女だった。綾乃はそのまま、魔女たち…

吸血鬼と人間が夏時間を一緒に過ごす 石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』再読感想

好きだった本を読み返すシリーズ。『ヴァンパイア・サマータイム』を読んだのは結構最近なのに、かなり内容を忘れていてちょっと悲しかったです。 あらすじ 吸血鬼と人が共存する世界。両親の経営しているコンビニで働くヨリマサは、毎日紅茶を買いに来る吸…

短い文章で動物を描いたシンプルな本 ジュール・ルナール『博物誌』感想

このレビューを読んで気になった本です。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 書籍概要 牛や豚、昆虫、鳥……田舎にいるさまざまな動物を、著者は短い文章で描き出していく。日常の中の自然を見つめる日記文学。

再生医療のこれからを考えさせられる一冊 ロバート・カーソン『46年目の光 視力を取り戻した男の奇跡の人生』感想

Twitterでおすすめされていたので読んでみました。図書館で取り寄せたのですが、思ったより分厚かったのでびっくりしました。 あらすじ 盲目の男性、マイク・メイは、手術によって視力を回復できるかもしれないと医者に告げられる。メイは悩んだ結果、手術を…

何者にもなれない少女がアラビアンナイトの世界で魔神になる 荻原規子『これは王国のかぎ』再読感想

昔好きだった本を読み返すシリーズ。今回は『これは王国のかぎ』です。 たぶん最初に読んだのは中学生ぐらいです。 あらすじ 失恋をきっかけに落ち込んでいたひろみは、ある日アラビアン・ナイトの世界に魔神(ジン)として呼びだされる。ハールーンというタ…

ポイント使いたい? 創作同人誌読みたい? 電子書籍「楽天kobo」と「Kindle」の比較とおすすめポイント

素材:ぱくたそ こんにちは。春が近づいてきましたね。 今回は私が使っている電子書籍「楽天kobo」と「Kindle」の比較記事を書こうと思います。 基本的にどちらも読むのはスマホで、購入はPCからです。

イデオロギーを着替える人はある意味うらやましい 米原万里『噓つきアーニャの真っ赤な真実』再読感想

昔好きだった本を再読するシリーズ。高校生くらいかな あらすじ 共産主義者の父の影響で、幼いころをプラハの学校で過ごした著者。大人になった著者は、そのころの学友を訪ねていく。共産主義の崩壊と国の混乱を目の当たりにした少女たちは、どのような大人…

板前さんが水族館で職員として働く 末羽瑛『水族館の板前さん』感想

『Let it BEE!』が面白かったのでお礼課金です。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 働いていた料亭が閉まり、無職になった主人公、浩介は、水族館の臨時職員として働くことになる。水族館の仕事に少しずつやりがいを見出していく浩介だったが、仕事は波…

病によって変わった人を冷静に見つめる 宮子あずさ『看護婦が見つめた人間が病むということ』感想

エッセイが読みたくなって買ってきました。 この本が出たばかりのときは「看護師」ではなく「看護婦」だったんですね。 あらすじ 看護婦の著者は病棟でいろいろな人に出会う。夫婦関係を見つめなおす人、精神病棟で寄る辺なく生きている人。病をきっかけに暴…

性行為が失われた世界で誰かを愛する 森田季節『不動カリンは一切動ぜず』感想

Twitterでおすすめされていたので読んでみた本です。 あらすじ すべての子どもが人工授精で生まれる時代。人々は手にノードを埋め込み思念を交換していた。中学生の火輪(かりん)と兎譚(とたん)は、学校の課題である事件を調査したことから、やっかいごと…