ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

読書感想

『自閉症スペクトラム障害――療育と対応を考える』平岩幹男 岩波新書 当事者にとって必要な情報とは違う

あらすじ・概要 知的発達の遅れを伴うカナー型自閉症、一見知的発達の遅れはないが能力のアンバランスさとコミュニケーションの問題を抱える高機能自閉症の人たちに周囲が何ができるか。ふたつの自閉症を紹介しながら、療育の最前線で活動している著者が、自…

『推しの公園を育てる!:公園ボランティアで楽しむ地域の庭』一般社団法人みんなの公園愛護会 椛田里佳・跡部徹 学芸出版社 感想

あらすじ・概要 きみも地元の公園を推してみないか? 日本各地の公園ボランティアを紹介して、その活動を見る。そして、公園ボランティアをしたくなったらやるべきことについて解説する。無理なく活動を続けるコツや、楽しんで公園管理をする心構えとは。 公…

『武士の介護休暇 日本は老いと介護にどう向き合ってきたか』﨑井将之 河出新書 感想

あらすじ・概要 老いは人間の歴史において普遍的な問題である。江戸時代の武士はどのように親を介護していたのだろうか。実際に古文書に介護がどう書かれていたかを紹介し、日本の歴史における「介護」を考えてみる本。 日本人はどう老いに向き合ってきたか …

『バルセロナで豆腐屋になった――定年後の「一身一生」奮闘記』清水健宇 岩波新書 感想

あらすじ・概要 新聞記者だった著者は第二の人生としてバルセロナで豆腐屋をやることにする。開業直後のごたごたを乗り越え、コロナウイルスによるロックダウンを経験し、ついには日本に帰国する。異国の地で、豆腐屋として過ごした生活を語る自伝的新書。 …

『神さまと神はどう違うのか?』上枝美典 ちくまプリマ―新書 感想 異なる信仰を理解するには

あらすじ・概要 世界には多神教の神と一神教の神を信じる人がいる。神様を信じない人もいる。西洋哲学を専門とする著者が、一神教を信じる人たちとそれ以外の人たちでどう価値観が違うのかを解説する。全知全能の神という概念が存在するからこその哲学的思索…

『恋する西洋美術史』池上英洋 光文社新書 感想  ヨーロッパ絵画から見る恋愛事情

あらすじ・概要 西洋美術が専門の著者は、西洋美術における恋愛について語る。有名画家の女性遍歴や、西洋における恋愛や性愛の価値観、絵画をめぐる理想の女性、理想の男性のジェンダー観などを解説。 現代の感覚からすると倫理がないヨーロッパの恋愛 西洋…

バズれアリス 1 【追放聖女】応援(いいね)や祈り(スパチャ)が力になるので動画配信やってみます!【異世界⇒日本】富士伸太  オーバーラップ文庫 感想

あらすじ・概要 聖女アリスは、周囲に追い落とされ辺境のダンジョンを攻略することになる。そこで不思議な鏡の力で飲食店を経営していた誠と出会う。おりしも向こう側の世界はコロナ禍が蔓延しており、誠の店は閉店寸前だった。利害が一致したアリスは配信者…

『イタリア 24の都市の物語』池上英洋 光文社新書 感想 芸術と歴史とドロドロの骨肉の争いの小話

あらすじ・概要 イタリアの都市はどのような歴史や文化を持っているのだろうか。イタリアの24の都市を紹介し、そこに宿る歴史的なドラマを語る。古代から人が住み続けるイタリア特有の事情、文化的背景がわかるコラム集。 ちょっとしたコラムだけど濃い イタ…

『学ぶ意欲の心理学』市川伸一 PHP新書 感想 やる気について真剣に考えてみる

あらすじ・概要 子どもには勉強に対してどのような働きかけをすべきだろうか。現代の指導要領ははたして合理的なのか。心理学の「動機付け」統計や理論について語りつつ、対談も通して「やる気」について考えていく。 やる気はどうあるべきか? 子どもに勉強…

『自宅で日本グルメ紀行 県民ごはん、作ってみました!』もぐら 大和出版 感想 白い恋人の話が一番面白い

あらすじ・概要 ご当地ネタが大好きな著者は、日本の各地域の食べ物を作ってみることにする。家族とのやりとりや面倒くさい調理法をこなす中、実食に至る。そのお味とは。県民ごはん外にも、各地方のお土産のお取り寄せ四コマや「○○の恋人食べ比べ」も掲載。…

『マイノリティの「つながらない権利」――ひとりでも生存できる社会のために』雁屋優 明石書店 感想

あらすじ・概要 ASD、アルビノなどさまざまな属性を持つ著者は、つながらなければマイノリティについての知識を得られないことにぶつかる。当事者会のメリットも認めつつ、当事者同士が助け合わなければならず、行政の支援が滞ることに憤っていた。つながら…

『フランス外人部隊 その実態と兵士たちの横顔』野田力 角川新書 全然かっこよくない軍隊での生活

あらすじ・概要 自衛隊の災害派遣に憧れていた著者。しかし自衛隊の試験に落ち続け、代わりにフランス外人部隊に入隊する。フランスで見たのは草むしりや掃除などの雑用の日々、そしてフランス外人部隊の独特の文化だった。 外人部隊に入ってみたら想像と全…

『アニメ療法(セラピー)~心をケアするエンターテインメント~ 』パントー・フランチェスコ 光文社新書

あらすじ・概要 著者は日本のアニメをメンタルヘルスの治療に役立てることを目指している。映画や小説など、メンタルヘルスの分野でフィクションの活用は既に行われている。その現状や、効果に対する統計を紹介しながら、著者が目指す「アニメ療法」がどのよ…

『東京アンティークさんぽ』カツヤマケイコ 双葉社 感想 骨董市に参加しまくって何か買う

あらすじ・概要 古いものが好きな著者は、東京の骨董市に参加する。東京とその近郊ではさまざまな骨董市が行われていた。がらくたの中から面白いものを見つけたり、店主と値段交渉したり、骨董市には独特の面白さがある。骨董好きの楽しみを描いたコミックエ…

『平安あや解き草紙』小田菜摘 集英社オレンジ文庫 感想 宮廷で働く女性が人間関係に翻弄される

あらすじ・概要 伊子はかつての恋人の一言から三十路になっても独身を貫いていた。伊子は16歳の今の帝に請われて内侍として仕えることになる。しかし伊子は、年の差がある帝を恋愛対象と思うことができなかった。伊子は伊子で、元恋人との関係が復活する。 …

『宝塚というユートピア』川崎賢子 岩波新書 男装の麗人たちによる異性愛演劇の過去と今

あらすじ・概要 美麗な少女たちが舞い踊る宝塚。その始まりとは何か。そしてどう変わってきたのか。富国強兵や国威発揚が重んじられた時期の宝塚や、GHQ占領下の宝塚など、その時代によって変容してきた宝塚の過去を語り、未来についても話す。 ユートピアと…

『マンガでわかる災害の日本史』磯田 道史著・備前 やすのり作画・河田 惠昭 監修  池田書店 情報が濃い!

あらすじ・概要 マンガのキャラクターたちはタイムトラベルをし、さまざまな災害を経験する。また、昔の災害でのできごとや失敗談、言い伝えなども語る。文章では災害にまつわる失敗談や為政者の対応など、歴史的に災害を振り返っていく。 情報量が多いマン…

『不眠とうつ病』清水徹男 岩波新書 感想 統計や科学的見地から見る「眠れない」理由

あらすじ・概要 不眠にまつわる統計や、科学的研究を紹介しながら不眠とは何なのか解説していく。睡眠を規則的にするには日中の活動が重要である。あえて患者を徹夜させる断眠療法という特殊な治療についても語る。 統計からわかる不眠 睡眠に関する統計を紹…

『マンガでわかる! 韓国時代劇のすべて』 康熙奉・hassaku 実業之日本社 感想

あらすじ・概要 世界でヒットしている韓国時代劇。そこで取り上げられている朝鮮王朝の歴史を漫画と文で紹介する。王と世継ぎである世子、妃たちによる権力闘争を解説。王宮における階級社会や衣服の文化、政治システムなども書く。 韓国時代劇のこれって何…

『スマホゲーム依存症』樋口進 内外出版社 感想 依存を生むシステムを知ろう

あらすじ・概要 依存症専門医の著者は、スマホゲーム依存症について語る。気軽に持ち運べるスマートフォンでできるスマホゲームは予想以上に人々の日常に侵食している。そして過剰な課金をしてしまったり余暇の時間をほとんどゲームで使い果たしてしまったり…

『ネット依存症』樋口進 PHP新書 感想 インターネットにハマっていく人間たち

あらすじ・概要 アルコール依存症の研究者である著者はネット依存症の治療も行っている。著者のもとに現れるのはゲームで不登校になってしまった子や、SNSで連日の夜更かしをするようになってしまった子。当事者や親と対話するうちに、現代のネットの危険性…

『壊れる男たち:セクハラはなぜ繰り返されるのか』金子雅臣 岩波新書 感想 労働相談に来たヤバい管理職

あらすじ・概要 セクハラによって「壊れる男たち」。セクハラをする男としない男はどう違うのか。著者は労働相談の仕事をしていたために、セクハラで訴えられた男たちを何人も見た。その醜くあさましい、実例をつづっていく。そして、セクハラをする男をめぐ…

『性と法律――変わったこと、変えたいこと』角田由紀子 岩波新書 感想

あらすじ・概要 日本における男女不平等な法律はどのように改正されたのか。また、今後改正すべき点は何か。女性の権利のために戦ってきた弁護士が、判例を振り返りつつも法の上の女性差別を語る。女性が活躍し、なおかつ理不尽な犯罪にさらされないための法…

『同性愛と異性愛』風間孝 河口和也 岩波新書 感想 ゲイの著者が語る差別と偏見

あらすじ・概要 現代日本の同性愛者はどのような不利益を被っているのだろうか、同性愛者が受けた差別に関する法廷闘争を取り上げ、異性愛中心の価値観に対する疑問を投げかける。同性愛者は、「異常な」存在なのだろうか。日本における「見えない差別」を考…

『暴走するネット広告 1兆8000億円市場の落とし穴』NHK取材班 NHK出版新書 感想

あらすじ・概要 ブログを読むとき、ニュースを読むときなどに、常に目に入るインターネット広告。しかしその中には明らかに虚偽のものや、違法サイトに掲示されているものもある。どうしてネット広告ではルールが守られないのか。取材班は海外まで飛んでネッ…

『プロ司書の検索術「本当に欲しかった情報」の見つけ方』入矢玲子 図書館サポートフォーラムシリーズ 感想

あらすじ・概要 司書である著者は、プロとして「調べる技術」を紹介する。図書館で目当ての本を探し出す方法や、インターネットで信頼できる情報を効率よく閲覧する方法、論文が読める各種サービスなどを紹介。インターネットによる「調べ物」の可能性と、そ…

『精神科・心療内科の上手なかかり方がわかる本』渡辺登監修 健康ライブラリーイラスト版

あらすじ・概要 精神科、心療内科はどんなところか。どのような治療を受けられるのか? 精神科の受診を考えている人に対して、アドバイスを提供する。信頼できる医師の探し方、回復の流れ、カウンセラーや他の支援事業との連携など、精神科治療がどういうも…

『男が介護する―家族のケアの実態と支援の取り組み』津止正敏 中公新書 感想

あらすじ・概要 母、妻を介護しながら生活する男性たち。しかし、介護の仕事は女性中心のため、男性たちはどう介護の情報を共有していいか悩んでいる。介護する男性たちの現状を洗い出し、介護をめぐるジェンダー史も紹介する。また、著者は男性たちのつなが…

『結婚退職後の私たち:製糸労働者のその後』岩波新書 塩沢美代子 組合活動家たちは家庭でどう暮らしていたか

あらすじ・概要 製糸工場で労働組合活動をしていた女性たちはどうしているのか。結婚したきっかけや男性の選び方、結婚生活の具体的な内容などを紹介。労働組合での政治活動は、彼女らのその後に大きな影響を与えた。同時に結婚後の女性の政治参加への悩みや…

『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』牧野百恵 中公新書 感想 女性について実際のデータで政策を語ろう

あらすじ・概要 日本にあるというジェンダー格差。しかしその対策や、政策は偏見やバイアスに基づいていることもある。女性について正確なデータを集め、データに基づいて女性がもっと活躍できて幸せになれる世界を目指す。日本のジェンダー格差の解消で社会…