ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

恋愛

性欲と思慕の間で手綱を握れ―鈴木マサカズ『恋愛の神様』感想【AmazonPrimeリーディング】

今日の更新は、鈴木マサカズ『恋愛の神様』です。 この漫画はもうPrimeリーディングからはなくなってしまったみたいなんですけど……。面白いので気になったら読んでみてください。 あらすじ 31歳童貞の渡良瀬橋渡(わたらせばしわたる)。恋愛にコンプレッ…

「恋愛小説」を丁寧にまとめ上げる筆力―崎谷はるひ『トオチカ』感想

今日の更新は崎谷はるひ『トオチカ』です。 おすすめ記事から見つけたもの。 yocchi.hatenablog.com あらすじ 過去の恋のトラウマにより、男性が苦手な里葎子。逃げるように叔母の住む鎌倉に行き、友人と共にアクセサリーショップを開いた。そんな里葎子を何…

着実に描写を積み重ねていく時間SF―一穂ミチ『きょうの日はさようなら』感想

今日の更新は、一穂ミチ『きょうの日はさようなら』です。 ライト文芸レーベルの作品をいろいろ読むシリーズ。 あらすじ 双子のきょうだいの明日子と日々人は、いとこの今日子と暮らすことになった。彼女は、コールドスリープによって30年前からやってきた女…

本からわかる人間の多面性―三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』感想

今日の更新は、三上延『ビブリア古書堂の事件手帖5』です。 あらすじ 栞子に告白した五浦。しかし、彼女には「返事は待ってほしい」と言われる。律義に待つ五浦だが、その間にも、ビブリア古書堂にはさまざまな事件が持ち込まれる。五浦は栞子の言動を測り…

しっかりした人物描写とストーリーを持つ百合小説―木ノ歌詠『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』感想

今日の更新は、木ノ歌詠『幽霊列車とこんぺい糖 メモリー・オブ・リガヤ』です。 あらすじをよく読まなかったので後から百合だということを知りました。 あらすじ 中学生の海幸は、列車に飛び込んで自殺しようとしたところ、電車が廃線になっていて不可能だ…

ようこそ、恋と不思議の世界に! 恋愛ファンタジーおすすめ16選

素材:イラストAC(歩夢)https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=UcZy0agl&area=1 今回の更新は、恋愛ファンタジーのおすすめ記事です。 ファンタジーは数多く読んできましたが、恋愛に縛るとなかなか難しいです。私が読む者は、恋愛がメインでない…

はすに構えた主人公の決断が最高―城平京『雨の日も神様と相撲を』感想

今日の更新は、城平京『雨の日も神様と相撲を』です。 表紙のイラストがめちゃくちゃかわいいですね。 あらすじ 事故で両親を失った文季(ふみき)。引き取られた叔父の元に向かうと、そこはカエルを崇め、相撲を中心として生活している村だった。子どものこ…

女性不在の恋愛小説が興味深い―貴子潤一郎『12月のベロニカ』感想

今日の更新は貴子潤一郎『12月のベロニカ』です。 一巻完結のライトノベルを探していて見つけた作品。 あらすじ 「ベロニカの騎士」という十三人の騎士に選ばれた「私」。彼らは女神を降ろす少女「ベロニカ」を運ぶ役割を持っている。だが事件が起こり、一…

7割のろけの養子縁組による同性婚顛末記―八木裕太『同性婚で親子になりました』感想【Amazon Prime Reading】

今日の更新は、八木裕太『同性婚で親子になりました』です。 Primeリーディングで読んでいた一冊です。 あらすじ 同性愛者の八木裕太とパートナーの京太は、お互いを支え合うために「養子縁組」を使った同性婚を決意する。その顛末とは……。同性同士の養子縁…

人外×女子高生のアイデアが迸る本―野干ツヅラ『午後五時四十六分 野干ツヅラ短編集』感想

今日の更新は野干ツヅラ『午後五時四十六分』です。 一冊完結漫画のまとめ買い、最後の本です。 表紙は多色刷りかな。かっこいいですね~。 あらすじ こっくりさん、透明人間、信号機……。愛を覚えるのは人間だけではない。人外と女子高生の恋と交流を描く短…

面白いけど好みじゃなかった―扇風気周『視ル視ルうちに好きになる』感想

今日の更新は扇風機周(せんぷうき まわる)の『視ル視ルうちに好きになる』です。 一冊完結のライトノベルおすすめで出てきた作品です。 あらすじ 未来が見える神崎早苗と、生命力を吸い取ったり渡したりできる幽霊の三島洋平。ふたりは自分の能力を使って…

若さゆえの傲慢さがうらやましくなる―与謝野晶子『みだれ髪』(新潮文庫)感想

今日の更新は与謝野晶子『みだれ髪』です。 少し短歌をかじってみようかな、ということで選ばれた本です。 書籍概要 歌人与謝野晶子。彼女が若さや自身の美しさ、青春や恋について詠み、運命の人の与謝野鉄幹によって発刊した。そこに現代語訳や解説を加え、…

たらし王子と生きている薬の恋愛模様がかわいい―三田千恵『トリア・ルーセントが人間になるまで』感想

今日の更新は『トリア・ルーセントが人間になるまで』です。 私事ですが、いったん完成まで書いた記事が消えてショックです。もうやだ!! あらすじ ジンドランの王子ランスは、病気の王を助けるために薬の取引に向かう。そこで出会ったのはトリアと護衛のロ…

100年前のラブコメ戯曲『ピグマリオン』がめちゃくちゃ面白かったから話を聞いてほしい【ネタバレ含】

今日の更新は、バーナード・ショー『ピグマリオン』です。 100年前の本にネタバレも何もないんだけど、まあ一応……。 あらすじ 偏屈でわがままな言語学者ヒギンズ。彼は訛りのひどい、下町の花売り少女を貴婦人に仕立て上げられるか賭けをする。花売り少女イ…

ご飯を通して思い出す美しい記憶―miobott『上島さんの思い出晩ごはん』感想

今日の更新は、『上島さんの思い出晩ごはん』です。 web小説『ただいま、おかえり、いただきます』の書籍化です。 あらすじ 素性を知らないまま、一緒に暮らしていた男性「上島さん」。しかし彼は交通事故で死んでしまった。民子は彼の思い出をなぞりながら…

大人たちの子どもっぽさが気になる―縹けいか『モーテ 夢の狭間で泣く天使』感想

今日の更新は、縹けいか『モーテ 夢の狭間で泣く天使』です。 あらすじ アミヤがモーテを発症し、自傷行為を行ってしまう。ダンテは、ローマに向かってアミヤの世話をすることに決める。しかし、モーテの症状は、徐々にアミヤをむしばんでいき……。

優しい子どもたちに病が襲い掛かる―縹けいか『モーテ 死を謳う楽園の子』感想

今回の更新は『モーテ 死を謳う楽園の子』です。 こういうサブタイトルしっくりこないなあ。「死を謳う楽園に子がいる」なのか、「死を謳う子が楽園にいる」のか、わからなくないですか? 前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 小説家と…

恋愛脳の主人公に厳しい周囲の人たち―チャーリー・N・ホームバーグ『硝子の魔術師』

今日の更新はチャーリー・N・ホームバーグ『硝子の魔術師』です。 タイトルはダブルミーニング。 前回の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ セイン師のもとで、紙の魔術の修行をするシオニー。彼女が見学していた紙の工場が、何者かによって…

情念全部のせラブストーリー―縹けいか『モーテ 水葬の少女』感想

今日の更新は『モーテ 水葬の少女』です。 そういえば最近ちゃんとライトノベル読んでないな! と思って久しぶりに入手しました。 あらすじ 若いうちに自殺してしまう「モーテ」という奇病がある世界。サーシャは、ドケオーと呼ばれる孤児施設に送られる。そ…

標本技師と事務員の密やかで耽美な恋 小川洋子『薬指の標本』再読感想

今日の本は『薬指の標本』です。 大学生のころから何回も読み返した本です。今回も読みたくなったので。 あらすじ 楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷跡……。人々が思い出の品々を持ち込む〔標本室〕で働いているわたしは、ある日標本技術士に素敵な靴をプ…

幸薄い人妻とデパート店員の密やかな恋 『キャロル』感想

Amazonプライムで見ました。 あらすじ デパートで働くテレーズは、上品な女性キャロルと、娘へのクリスマスプレゼントを選んだことから親密になる。少しずつ惹かれ合っていくふたりだったが、キャロルは離婚調停で娘を奪われそうになっていた。

「王子様」という抑圧からの解放 『少女革命ウテナ』25~39話までの感想

過去記事はこちら。 男装少女が決闘をして薔薇の花嫁を勝ち取った 『少女革命ウテナ』1~12話までの感想 ウテナに挑んでくる黒い薔薇のデュエリストたち 『少女革命ウテナ』13~24話までの感想 あらすじ 鳳暁生の干渉によって、ふたたびウテナに挑んでくる生徒…

ジェンダーあやふや和風伝奇漫画 枝屋初『ばけむこ』を読んでください

基本的に漫画は完結後まとめて感想を書いているんですが、この漫画は売れて続きが出てほしいので今! 感想を書きます。 少しだけネタバレ(全部ではないですが)なので気にする方は今すぐ買って読んでください。 comic.pixiv.net あらすじ 女性が短命な一族…

ラブラブカップルに訪れた同棲終了のお知らせ おりはらさちこ『同棲終了日記 10年同棲した初彼に34歳でフラれました』

あらすじ 10年以上彼氏と同居し続けていた著者。しかし他に好きな人ができたと恋人に言われてしまう。修羅場を経て、同棲解消を決めたふたり。期日までの重苦しい時間が始まった……。

人造人間よ、時空をさかのぼって人類を救え 青春アドベンチャー オーディオドラマ『時砂の王』感想

www.nhk.or.jp ラジオドラマになったときいて、時砂の王を聞いていました。 NHKラジオに聞き逃し配信があるのを初めて知りました。べ、便利……。 あらすじ 他の星からやってきた侵略者を倒すために生まれた、メッセンジャーのオーヴィル。彼らは時間遡行の能…

小説家になろうで読むろう学校百合 石川博品『あたらしくうつくしいことば』感想

商業出版の本に夢中で最近あまりweb小説を読めてないのだけれど、これはすごくよかったので覚書もかねて感想を残しておきます。 画像はKindle版の表紙です。 ncode.syosetu.com あらすじ 紗雪の通うろう学校に転校生がやってくる。彼女は紗雪たちとは違った…

魔女学校の生徒同士が織りなす現代の変身譚 白鷺あおい『ぬばたまおろち、しらたまおろち』感想

TwitterのTLで噂になっていて興味を持った本です。 あらすじ 幼馴染の大蛇と結婚の約束を交わした少女、綾乃。村祭りの舞い手に選ばれた綾乃は、祭り当日に謎の男に襲われる。間一髪で彼女を救ったのは、ほうきに乗った魔女だった。綾乃はそのまま、魔女たち…

吸血鬼と人間が夏時間を一緒に過ごす 石川博品『ヴァンパイア・サマータイム』再読感想

好きだった本を読み返すシリーズ。『ヴァンパイア・サマータイム』を読んだのは結構最近なのに、かなり内容を忘れていてちょっと悲しかったです。 あらすじ 吸血鬼と人が共存する世界。両親の経営しているコンビニで働くヨリマサは、毎日紅茶を買いに来る吸…

田舎に引っ越してきた主人公がいとこに心を開いていく 『ほしのの。』感想

play.google.com あらすじ 両親の死により、田舎のおじの家に身を寄せることになった主人公。そこではいとこの榛奈(はるな)がにぎやかに、優しく接してくれていた。おじ家族と一緒に暮らすうちに、主人公は心を開き始める。

古い台本の呪いで嬉しくないハーレム状態 来楽零『ロミオの災難』再読感想

好きだった本を読み返すシリーズ。初めて読んだのは大学生の時でした。 あらすじ 一年生五人だけの演劇部。文化祭の公演の相談をしていると、五人で演じられる『ロミオとジュリエット』の台本が落ちてきた。その台本を演じることにした五人だったが、なぜか…