ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

仕事

『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』竜田一人 モーニングコミックス 感想

あらすじ・概要 福島第一原子力発電所での廃炉作業に興味を持った著者は、原発の作業員として働き始める。過酷な原発における労働と、作業員同士の友情、放射能をめぐるあれこれ。廃炉作業の最前線を描き出す。 原子力発電所の廃炉作業に行ってみたらすごか…

ネットフリックスオリジナルコマ撮りアニメ『ポケモンコンシェルジュ』を見た感想

あらすじ・概要 せわしない生活に疲れたハルは、ポケモンリゾートのコンシェルジュに転職する。リゾートに訪れたポケモンたちをもてなし、楽しませるのがハルたちコンシェルジュの仕事だ。ハルはポケモンたちの悩みを解決しながら、自分自身とも向き合うこと…

『身近な危険から自分を守る! ゆるサバイバル入門』ふじいまさこ 新潮社 感想

あらすじ・概要 自然災害、犯罪、性加害、パワハラ、セクハラなど、人生で巻き込まれる可能性があるトラブルを女性の視点から解説。漫画を通して、対策や起こってしまったあとの対処を紹介する。身近な危険から身を守るための学習漫画。 女性が身を守る方法…

『国境なき医師が行く』久留宮隆 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 国境なき医師団に参加することを決めた日本人医師は、内戦続きで疲弊したリベリアへ派遣された。派遣先での人間関係や、多忙な日々に悩みながらも、リベリアの人たちを手術する。国境なき医師団は現地でいったいどういうことをしているのかわ…

『後宮の薬師 平安なぞとき診療日誌』小田菜摘 PHP文芸文庫 感想

あらすじ・概要 大陸から来た父から薬を学んだ薬師、安瑞蓮は、腕を買われて宮中に上がる。そこで、体の不自由な皇子に出会う。皇子の身体を診ているうちに、瑞蓮は、後宮の女性たちのいざこざや嫉妬に巻き込まれていく 体に障害を持つ皇子をめぐる女性の悲…

『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』小田菜摘 角川文庫 感想

あらすじ・概要 医学校を卒業した翠珠は、ひょんなことから後宮で働くこととなる。翠珠は陰謀や噂が蔓延る後宮での労働にうんざりするものの、医術を通して妃たちの悩みを解決するうちに、彼女らの複雑な事情を知ることとなる。 人間観やジェンダー観がシビ…

『身内に(ヤ)がおりましてん。』カツヒロ BAMBOO ESSSY SELECTION 感想

あらすじ・概要 著者、カツヒロのおじはヤクザだった。おじさんに溺愛されていた著者は、その過程でヤクザの世界を垣間見る。大阪を舞台に繰り広げられる、子どもから見たヤクザの暴力、犯罪、日常とは……。 シャレにならないアウトローの日常が面白い 面白か…

『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』河北新報社 文春文庫 感想

あらすじ・概要 仙台に拠点を置くローカル新聞河北新報。2011年3月11日、会社を東日本大震災が襲う。自らも被災しながら、記者たちは被災者に情報を届けるために東北に散った。地震発生直後から、避難所での生活まで、記者たちの働きを描いたルポルタージュ…

『問題社員の正しい辞めさせ方』新田龍 リチェンジ 感想

あらすじ・概要 パワハラ、サボり、セクハラなど、職場の困った人たち。しかし、その人たちを合法的に辞めさせようとするのは困難が多い。労働法の事例を紹介しつつ、あくまで遵法的に困った社員との付き合い方、辞めさせ方を模索する。 問題社員でも辞めさ…

『教えて!サバトさん』アストラ芦魔 ヤングアニマルコミックス 感想

あらすじ・概要 大手出版社で営業の仕事をしている悪魔のサバトさん。彼は倫理のないアイデアで売れない本を売れるようにアピールしていく。とんでもないアイデアでも、なぜかサバトさんが営業した本は売れる。倫理なしハイテンションコメディ。 商業化され…

『非正規公務員という問題 問われる公共サービスのあり方』上村陽治 岩波ブックレット

あらすじ・概要 市民の生活を守るはずの行政の現場で、非正規公務員たちが雇用の不安定さや賃金の少なさにあえいでいる。公立学校の非常勤講師や婦人相談員などの例を上げ、これからの行政での雇用を考える本。 待遇の差と雇用の不安定さの間であえぐ 単純作…

【フォロワーやバズはSNSマーケティングの必須のものではない】飯高悠太『僕らはSNSでモノを買う SNSマーケティングの「新法則」』

あらすじ・概要 今や生活の一部となっているSNS。マーケティングの担当者として、企業はSNSで何を発信していくべきなのか。SNSの到来で変わった価値観、有効な宣伝方法を会話形式で書いた本。 シェアしたい、誰かにおすすめしたいというコンテンツを作る 逆…

【レジェンドやアシスタントによる、少女漫画家たちの実話怪談】山岸涼子『ゆうれい談』

あらすじ・概要 漫画家の山岸涼子は、原稿中にアシスタントと話している。そんなとき、怪談話に花を咲かせるときがあり……。幽霊の目撃体験、虫の知らせや未来予知、不条理で不思議は名無しなど、漫画で実話怪談を描いた本。 漫画家たちの奇妙で怖い話 私が苦…

【4コマブログで語る英国の食生活や文化】Kana『三十路だけどロンドン暮らし』

あらすじ・概要 ロンドンに移住した著者は、日本のグッズを売る店で働き、また、イギリス人の彼氏もできた。ロンドンで暮らしから、おいしい食べ物、日本との文化のギャップ、イギリスでウケる日本文化などを語る。 ポジティブな海外移住エピソード ポジティ…

【精神の病の診断を受けて迷走するが仕事に救われる】渡辺河童『うつでも介護士:崖っぷち人生、どん底からやり直してます。』

あらすじ・概要 自営業として働いていた著者は、ある日うつ病になる。何度か自殺未遂を繰り返したものの、訪問看護やヘルパーの人々に助けられる。自分も資格を取ってみようと、学校に通い始めるのだが……。 コミュニケーションを取ることによって自分を知る …

【仕事とストレスに疲れた日には染みる】白野アキヒロ『社畜OLと悪魔ショタ』感想

あらすじ・概要 ブラック企業に勤めるOLは、思い詰めるあまり悪魔を召喚してしまった。しかし現れたのは年若い少年の姿の悪魔だった。悪魔ながら優しく親切で、自分のことを大事にしてくれる彼に、OLは癒されていく。 ご都合主義の作品だけど漫画がうまい 徹…

海の哺乳類を解剖する生物学者の日常と、生き物の不思議―田島木綿子『海獣学者、クジラを解剖する~海の哺乳類の死体が教えてくれること』

あらすじ・概要 日本には、実は多くの海の生き物が漂着(ストランディング)している。海の哺乳類を解剖し研究することが仕事の著者が、解剖の仕事や海の生き物の不思議を紹介する。生物学者は何のために解剖をし、どのように体の中を観察するのか……。 科学を…

職場復帰後奔走する女性と、働く母親への差別―あい『いけいけどんどん!ワーママ奮闘記』

あらすじ・概要 育児休暇の後、会社に復帰することになった著者、子どもと長く過ごせなくなることを悲しく思いながらも、好きなデザインの仕事を必死で頑張る。ときに夫といさかいながらも、何とか仕事を続ける一方、職場からは収入の当てにしていた手当をな…

介護職はなぜ不足しているのかと、日本の介護のこれから―結城康博『介護職がいなくなる ケアの現場で何が起きているのか』

あらすじ・概要 少子高齢化によって、介護需要は高まる一方なのに、介護の仕事をする若者は増えない。労働条件の悪さや、介護施設内での暴力、介護施設でのパワハラ・セクハラ、外国人介護職への支援の乏しさなど、現状の問題を語る。介護から見えてくる、高…

ベビーシッターになった保育士の奮闘記―さいおなお『3時間だけママを代わります! 駆け出しベビーシッターの奮闘記』

あらすじ・概要 保育士だったが、日々の雑務に追われ、「もっと子どもと向き合う仕事がしたい」とベビーシッターになった著者。ベビーシッターの仕事の内容から、子どもと付き合う上での悩み、保護者とのやりとりなど、子どもを世話する仕事について語る。 …

障害児向けのおもちゃ制作に携わった著者が誰もが使いやすい道具について語る―星川安之『アクセシブルデザインの発想 不便さから生まれる「便利製品」』

あらすじ・概要 障害のある子どものためのおもちゃを作っていた著者は、その流れでみんなが使える商品、アクセシブルデザインに携わることになる。少しの工夫で使える人が増える、アクセシブルデザインの中身とは……。 「できるだけ多くの人が使える道具」を…

九州の炭鉱で働いていた人々が語る、生き延びるための物語―上野英信『地の底の笑い話』

あらすじ・概要 九州の炭鉱では、今では考えられないほど過酷な労働が行われ、多くの男女がそれに従事していた。仕事の合間に語られるのは、幽霊の話、怠け者の話、ケツワリ(脱走)の話。労働者がろくに守られなかった時代、使用者に支配される中で、生き延…

女性を守るための仕事で行われる女性搾取―竹信三恵子・戒能民江・瀬山紀子編『官製ワーキングプアの女性たち あなたを支える人のリアル』

あらすじ・概要 フルタイムで働いても貧しいままの人「ワーキングプア」。人々を支えるはずの行政の現場でも、ワーキングプアを産んでしまう構造があった。その被害者は主に女性である。編者自身の意見や、実際に公務員で働く女性たちの声を取り上げ、官製ワ…

浅ましく愚かな「反面教師」としてのギャンブル依存症―井川意高『熔ける 大王製紙前会長井川意高の懺悔録』

あらすじ・概要 製紙会社の三代目として生まれ、社長として大王製紙に君臨してきた井川意高。彼はカジノに狂い、子会社のお金に手を付けて何十億円も浪費してきた。著者自身が自分の生い立ち、社長時代のこと、お金を使わせるカジノの巧妙な罠を振り返る。東…

実家が寺の著者が、住職の兄をネタに仏僧の世界を語る―杜康潤『坊主DAYS』

あらすじ・概要 漫画家、杜康潤の実家は臨済宗の寺。住職である兄に聞き取り調査をしつつ、僧侶になるまでの苦労や、寺での日常を語る。僧侶になるまでの修行の厳しさ、住職として地域を支える多忙さ、現代ならではのお寺の事情など、宗教が身近に感じるかも…

50代になって外で働きたい!と思った主婦イラストレーターの奮闘―高橋陽子『50代からのお仕事探しアタフタ日記』

あらすじ・概要 主婦、イラストレーターとして活動してきた著者は、52歳になって子育てにもひと段落し、外で働きたいと思うようになる。しかし長く職に就いていなかった著者は職歴に書くことがなく、52歳という年齢の壁もあって面接に苦戦する。年をとっても…

最高裁の判決とそれを出した裁判官たちの裏事情―川名壮志『密着 最高裁のしごと―野暮で真摯な事件簿』

あらすじ・概要 三審制の最後の砦最高裁判所。そこではどのような判決が出ているのか、また、どのような裁判官が判決を出しているのか。最高裁のシステムやつくりを解説しつつ、「法の番人」の姿を暴き出す。

『第四次産業革命と教育の未来 ポストコロナ時代のICT教育』を読んで労働がしたくなくなった件

最近KindleUnlimitedに岩波書店の本が追加されているので、立て続けに読んでいます。どれも面白いのだけど、この本を読んで「そうか……教育の未来のためにがんばらなければ……」と思う前に「うわ~労働したくない!!!」という気持ちになってしまいました。 …

コミュ障冒険者とはっきりものを言うガイドの会話がかわいい―村沢侑『フォルテックの獣使い お仕事中、迷子の俺サマ拾いました!』

あらすじ・概要 学校に通いながらガイドの仕事をしているアイナ。ある日、アイナは行き倒れている青年を拾う。リエトという彼は極度の方向音痴で、強い冒険者なのにどこか世間とずれた性格をしていた。彼のことが気になったアイナは、つい何かと彼を助けてし…

ゴミを回収する毎日の中から世の中を見る―滝川秀一・滝川友紀『ゴミ清掃員の日常』

あらすじ・概要 売れない芸人の著者。そんな著者が始めたのはゴミ収集の仕事だった。日払いOK・副業OKのその仕事で生活を安定させることができた。しかしゴミ清掃員の仕事を続けるうちに、ゴミを通して社会のことを考えるようになる。ゴミ出し、回収から見え…