ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

人に死をもたらす「病気」とは何かイラスト解説―森皆ねじ子『人が病気で死ぬワケを考えてみた ねじ子の医療絵図』

あらすじ・概要 すべての人はいつか死ぬ。死亡率100%である。そして、死因で一番多いのは「病死」だ。しかし、病気はどのようにして人間に死をもたらすのだろうか。感染症・ガン・生活習慣病で死ぬ仕組みを、イラストと手書き文字でわかりやすく解説。

キャラクターに個性がないので疲れた―上田早夕里『華竜の宮 上』

あらすじ・概要 海面が上昇し、平地が沈んでしまった未来の地球。外交官の青澄は、遺伝子改変によって海に適応した人類、海洋民との政治的な調整をしていた。彼は管理用のタグを持たない海洋民の長、ツキソメと出会い、海洋民と陸上民との利益ある共存のため…

ASDたちは異なる言語感覚で生きている―松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く』

あらすじ・概要 「自閉症の子は津軽弁を話さない」妻の何気ない一言から、自閉症の子どもの方言使用について調べ始めた著者。データは確かに自閉症の子どもは方言を話さない傾向を示していた。それはなぜなのか。自閉症の社会的な障害をヒントに、自閉症と定…

びっくりするほど真面目なトルコ革命風ラブコメ―小田菜摘『革命は恋のはじまり~え?後宮解散ですか!?』

あらすじ・概要 皇帝に選ばれるはずが、革命によって後宮を追われた奴隷のナクシュデル。行き場のない彼女は革命に協力した国防軍の少尉、リュステムの家に身を寄せることとなる。後宮しか知らなかったナクシュデルは初めて国の抱える難しい事情を知り、改め…

文化祭準備中の学校でスーパー殺戮タイム―貴志祐介『悪の教典 下』

あらすじ・概要 文化祭準備中、殺人が生徒に露見しそうになった蓮実。彼はクラスの生徒たちを皆殺しにして証拠を隠滅することを決意する。かくして学校は殺戮の現場となった。次々と殺されていく子どもたち。怜花たちは、見えない殺人鬼から逃げ切る方法を模…

人脈があっても介護は難しい―かぶらぎみなこ『親が倒れた日から、いつかくる…その日まで~かぶらぎさん家のケース』

あらすじ・概要 イラストレーターで勤め人の著者。その父親が、脳こうそくで倒れた。そこから、家族の介護の日々が始まった。入院生活から自宅介護、デイサービスの利用、そして、おそらく二度と家に戻れない療養型医療施設へ。親の老いを文字エッセイとイラ…

「定食屋のからあげ定食がおいしい」みたいなお仕事小説―ほしおさなえ『活版印刷三日月堂 星たちの栞』

あらすじ・概要 故郷に戻ってきた弓子は、祖父が経営していた活版印刷所「三日月堂」を再開した。びんせん、ショップカード、しおり、結婚式の招待状。三日月堂の依頼者は、印刷物を作ることによって自分の過去や今に向き合うこととなる。活版印刷をきっかけ…

異性装をポジティブに捉える「倒錯しない」ラブストーリー―御園生みどり『姫の婿とり 始まりはさかしまに!』

あらすじ・概要 父方の家が祖父を裏切り、敵対する家の男児は殺されると女の振りをして生活してきた千芳(ちか)姫。しかし祖父から婿取りの要請を受け、男が婿を取るわけにはいかないと千芳は逃げ出す。逃げた先で出会ったのは、婿候補のひとりであり男装し…

イケメンサイコパス教師が学校をめちゃくちゃにする―貴志祐介『悪の教典 上』

あらすじ・概要 優秀で生徒からの人望も厚く、ユーモアもある教師、蓮実聖司。しかし、その正体は共感能力のない殺人鬼だった。自分を邪魔するものを退学、辞職、死亡へと追い込んでいく蓮実。一方で、蓮実の教え子の怜花は、類まれな第六感で蓮実に恐怖を覚…

男子高校生と美少女オートマタの間で揺らぐ自我―こまつれい『101メートル離れた恋』

あらすじ・概要 男子高校生のユヅキがある日目覚めると、セブンスというオートマタになっていた。そこは現代社会に似ているが、魔法に満ち溢れた世界。オートマタとしてレンタルされ、男性と性行為を行うセブンスは精神をすり減らしていく。そんな中、セブン…

「普通」が幻想だと知ると自虐が楽しめなくなる―カレー沢薫『負ける技術』

あらすじ・概要 文章も書く漫画家カレー沢薫。彼女が書いたコラムを書籍化。そこにあるのは、コミュ力のない根暗なオタクの暗い過去だった。毎日の虚無をおもしろおかしく描きながら、冴えない人間が毎日を生き抜く姿を伝える。

幻想小説としてできがいいだけにちょっと惜しい―栗原ちひろ『ある小説家をめぐる一冊』

あらすじ・概要 編集者を辞めようかと考えていた田中は、ある女性作家の担当に配置換えになる。生活力皆無で食事もまともに取らない、些々浦の作品にほれ込んだ田中は、彼女から原稿を引き出すために屋敷に通う。しかし、些々浦は「自分の書いたことが現実に…

理屈が丁寧に説明された創作論―貴志祐介『エンタテインメントの作り方 売れる小説はこう書く』

あらすじ・概要 ホラー・サスペンス・ミステリなど、ハラハラドキドキさせる作品を作り続けヒットを飛ばしてきた貴志祐介。彼は創作のためにどのようなことを行っているのか。自分の作品や過去の名作を引き合いに出しながら、「面白い!」と思わせるエンタテ…

同性ならセクハラしていいっていう発想をやめよう!―宮入裕昴『スカートのなかのひみつ』

あらすじ・概要 男子高校生、天野はクラスメイトの八坂幸喜真(やさかこうきしん)に女装をしていることがばれてしまう。天野に興味を持った八坂は、ひとりの美少年を女装に引き込み、不審者シャーリーを捕まえようと試みる。そんな八坂には、恋する相手がい…

著者のスタンスがよくわからなかった―徳田雄洋『デジタル社会はなぜ生きにくいか』

あらすじ・概要 急速に発達していく情報化社会。しかしながら、それは本当に生きやすい社会なのだろうか。インターネット社会で起こるトラブルや悩みを紹介しつつ、テクノロジーや情報との向き合い方を考える本。

男に都合の良すぎる話を文学ヅラして出された―大崎善生『パイロットフィッシュ』

あらすじ・概要 エロ雑誌の編集部で働く山崎の元に、昔の恋人から電話がかかってくる。彼女は昔、山崎を救った女性だった。彼女と出会い別れた記憶を回想しつつ、現代の山崎は病に倒れた編集長を見舞ったり、恋人との時間を過ごしたりしている。昔の恋人と再…

かっこよくない青春の一瞬のきらめき―豊島ミホ『檸檬のころ』

あらすじ・概要 田舎の進学校、北高。そこで学ぶ生徒たちや周囲の人間は、それぞれに悩みを抱えている。保健室登校の友人を持つ少女、建物の中で交際する寮生に悩む寮を管理する女性、進学で別れ別れになるカップル。みっともなくてみずみずしい、青春を描い…

時間SF&ファンタジーの小説・漫画・映像作品おすすめ20作

素材:Canva(https://www.canva.com/) 今日の更新は、時間SF・ファンタジーのおすすめ記事まとめです。 「時間」に関する作品をまとめた記事を書きたいと思ったものの、SFとファンタジーを厳密に分けることは不可能でした。そこで属性をごっちゃにして書く…

なかなかネタ晴らしがされなくてまだるっこしい―秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その1』

あらすじ・概要 夏休みの終わり、浅羽直之は忍び込んだ学校のプールで不思議な女の子に出会う。浅羽の中学校に転校してきたその少女、伊里野は、クラスメイトと仲良くできなかったり、突然鼻血を出したりと、どこかおかしい。浅羽は伊里野と交流を重ねていく…

同性愛者の少年、腐女子に告白されて付き合う―浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』

あらすじ・概要 同性愛者である高校生、安藤純はある日クラスメイトの女子、三浦がBL本を買っているところを目撃する。三浦はそれ以来積極的に純に関わるようになり、ついには告白してきた。「将来子どもがほしい」「普通になりたい」「恋愛感情ではないが三…

失恋が連鎖する、数珠繋ぎ連作短編―角田光代『くまちゃん』

あらすじ・概要 アーティスト志望の男に恋した女、恋をきっかけにフリーターから脱出しようとした男、女優をやめて画家の男との結婚を狙う女。今回で振った側が次の回でふられる、「ふる・ふられる」でつながる連作短編。

目の前の問題を解決しない人たちの集まり―江國香織『落下する夕方』

あらすじ・概要 主人公、梨果は恋人の健吾に部屋から出ていかれた。健吾が好きすぎる梨果はそのまま部屋に住み続けていたが、ある日突然健吾の思い人の華子が転がり込んでくる。なし崩しで同居し始めたふたりだったが、華子はするりと梨果の日常に入り込んで…

長月遥『不思議の国のハートの女王 世界の強制力で毒吐きまくり!?おかげで破滅ルートに入りそう』

今日の更新は、長月遥『不思議の国のハートの女王 世界の強制力で毒吐きまくり!?おかげで破滅ルートに入りそう』です。タイトル長いと記事タイトルに感想の一文要約が入れられないので悲しい。 あらすじ・概要 ハートの国の女王、エリノアは自分が転生者で…

感染症医、性教育を語る―岩田健太郎『感染症医が教える性の話』

今日の更新は岩田健太郎『感染症医が教える性の話』です。 あらすじ・概要 感染症医である著者は、性感染症を通して性教育に関わっている。性教育は何をすべきで何をすべきでないのか、性を学ぶことはどんな意味があるのか、医師の視点から語る。そして著者…

萩野淳也『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』

今日の更新は、萩野淳也『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』です。 あらすじ・概要 何かとストレスフルな現代社会。マインドフルネスの考え方を元に、上手に休息を取る方法を紹介する。普段の動作に…

細かい部分のツッコミどころが気になる―六つ花えいこ『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』

今日の更新は、六つ花えいこ『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』です。 あらすじ・概要 思い人である騎士のハリージュに惚れ薬を依頼された魔女のロゼは、彼に会いたいがためにひとつずつ材料を持ってこさせる。しかし魔女は排斥され遠ざけ…

「無症状キャリア」の人生を狂わせていいのか―金森修『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』

今日の更新は、金森修『病魔という悪の物語 チフスのメアリー』です。 あらすじ・概要 アイルランド系移民で館の使用人だったメアリー・マーロウ。料理が上手く屋敷の主人からも信頼を得ていたが、彼女は腸チフスの無症状キャリアだった。今まで働いた屋敷で…

ラテンアメリカ風の世界で孤独な少女と奴隷の男が出会う―マサト真希『アヤンナの美しい鳥』

今日の更新は、マサト真希『アヤンナの美しい鳥』です。 あらすじ・概要 高地に暮らすアヤンナは、ある日奴隷商人に売られそうになっていた異人の男リリエンを助ける。足萎えである男をしぶしぶながらも家に置いたアヤンナだったが、アヤンナの顔にある醜い…

鴻上尚史『鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』感想

今日の更新は、『鴻上尚史のもっとほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』です。 あらすじ・概要 「妻や兄弟が冷たい」「アニメグッズを捨てた母親を許せない」「理不尽な校則を変えようとして阻まれた」鴻上尚史が、俳優や劇団主催者として…

哀しいけれどバッドエンドではないさわやかな結末―来楽零『哀しみキメラⅣ』

今日の更新は、来楽零『哀しみキメラⅣ』です。 あらすじ・概要 ふたりきりになってしまった純と綾佳。ふたりは不穏な気配がある京都に向かった。そこではモノを封じ込めた結界がまた開きかけていた。どうやらそれは、仙谷と同行している少女が関係しているら…