ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

発達障害

『凹凸あるかな?わたし、発達障害と生きてきました』細川貂々 平凡社 感想

あらすじ・概要 大人になってから発達障害に気づいた著者。彼女は自身の人生を振り返る。空気をうまく読めなかったこと、人の意見を真に受けすぎていたこと……著者の近くの発達障害の人々も紹介し、発達障害の人々の悩みを考える。 相手が言葉を真に受けるか…

『旦那が突然死んだので発達障害児を一人で育てることになりました』せせらぎ バンブーコミックス 感想

あらすじ・概要 突然伴侶を失い、悲しみにくれる著者。そんな中、子どもの発達障害が判明する。大黒柱として、家事労働者として働く一方、子どもの療育についても悩む必要が出てくる。てんやわんやの家庭で、著者が見いだした救いとは。 自分だけでは子育て…

『旦那さんはアスペルガー』シリーズ 野波ツナ コスミック出版 感想

あらすじ・概要 子どもが小さいころは協力的で、子育ても積極的に行ってくれた夫。しかし無職になったことをきっかけに、家族の歯車は狂い始める。夫がアスペルガーと知り、たくさんの葛藤や悩みを乗り越え、ほどほどの距離感で付き合うようになったカサンド…

『ルポ 高学歴発達障害』姫野桂 ちくま新書 感想(と自分語り)

あらすじ・概要 高い知能を持ちながら、日常生活や仕事に困難を抱える高学歴発達障害の人々。自身も発達障害である著者は、高学歴発達障害の人々に取材し、その悩みについて耳を傾ける。今苦しんでいる人、苦しみから抜けて居場所を見つけた人、それぞれの現…

『発達障害 思春期からのライフスキル』平岩幹男 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 できないこととできることに差がある、空気が読めない、聴覚や嗅覚が過敏である……。さまざまな困難を抱える発達障害の人々。発達障害の若者とその周囲のために、心がけたいこと、工夫すべきことを解説する親書。 広く浅くだが発達障害の困り…

『ひまはアスパーガール』こだまちの 共同医書出版社 感想

あらすじ・概要 母娘ともに発達障害の家庭。著者は娘、ひまの空気の読めなさや態度の悪さを心配し、社会性を学ばせようとする。しかしなかなかそれは伝わらず……。焦ったり悩んだりしながらも、発達障害の子育てについて描く。 他罰的な子どもをどう育てれば…

『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』岡田尊司 角川新書

あらすじ・概要 発達障害のある人の伴侶がうつや不安障害になってしまうカサンドラ症候群。しかし、家族の声に耳を傾けてみると、発達障害以外の問題を抱えていることは少なくない。親との関係、職場とのストレス、そして、定型発達のはずの伴侶の事情など、…

【発達障害の夫に振り回される日々を漫画で昇華する】ちくわ『好きになった人はアスペルガーでした』

あらすじ・概要 著者は、テニススクールの先生をしている男性と出会う。正直すぎて、独特の価値観を持つ彼に、著者は魅力を感じていた。しかし彼の空気の読めなさに激怒したある日、彼は自分がアスペルガー症候群だと告白する。 分かり合えない日々を開示す…

【「できない」発達障害の子どもたちをどう支えどう共存していくか】河原ノリエ『「ややこしい子」とともに生きる―特別支援教育を問う』

あらすじ・概要 じっとしていられない、読み書きや計算が極端にできない、友達付き合いがうまくいかない……。さまざまな問題を抱える発達障害の子どもたち。本人も周囲も、幸せになるにはどうすればいいのか。発達障害を持つ子を育てた著者が語る、「ややこし…

【ストレスと共存しながら知的・発達障害のある子どもを育てる】まる『シンママのはじめて育児は自閉症の子でした』

あらすじ・概要 シングルマザー(シンママ)である著者は、自閉症の子どもを育てている。療育のこと、家での生活のこと、家族関係のことなどを、コミックエッセイの形で語る。母親が無理をせず、障害児が自分らしく生きられる方法を模索する。 葛藤を抱えな…

【脳に後遺症を負って家事のできない伴侶を理解した】鈴木大介『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』

あらすじ・概要 著者、鈴木大介は、情緒不安定で自傷行為を繰り返す恋人と結婚する。自傷行為は鳴りを潜めたものの、片付けや料理ができない、朝起きてくることができない「お妻様」に強いストレスを感じる。ある日ふたりは短期間で病に倒れ、それをきっかけ…

発達障害の夫が壊れかけた家族を再構築する―遠藤光太『僕は死なない子育てをする 発達障害と家族の物語』

あらすじ・概要 大学を出てすぐに若くして結婚し、子どもをもうけた著者。しかし強いうつ症状に襲われ、復帰と休職を繰り返してしまう。家族がばらばらになりそうな中、著者は自分が発達障害であることを知った。発達障害の特性を考えながら、家族を再構築し…

ADHD女性は虐待や周囲の無理解を受け人生を迷走する―ぴーちゃん『ぴーちゃんは人間じゃない? ADHDでうつのわたし、働きづらいけどなんとかやってます』

あらすじ・概要 「ぴーちゃん」こと著者は、子どもの頃から何だか上手く行かなかった。親からの虐待、周囲の大人たちの無理解。やがてうつになり、オーバードーズや性的逸脱をしてしまうに至る。自分がADHDだと気づき、あがいて生きていく姿を描いたコミック…

発達障害のトラブルや苦手を「ましにする」ために奮闘する―カレー沢薫『なおりはしないがましになる』

あらすじ・概要 仕事を首になり、フリーランスのライター・漫画家として働いていたカレー沢薫。しかし部屋は荒れ放題、スマホに依存して仕事に集中できない。見かねた編集者が病院に連れて行くと、発達障害であることが判明した。できないことを少しでも「ま…

「頑張れない」「我慢ができない」子どもたちをどう助けるか―宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』

あらすじ・概要 少年院の子どもたちに児童精神科医として携わった著者は、そこで反省できない、努力できない子どもたちに出会う。どうやら彼らはそもそも認知能力や知的能力が低く、自分をコントロールすることが苦手らしい。少年たちを社会に戻すために何が…

障害者のある子どもたちの成長し発達する権利を守るにはどうすればいいか―茂木俊彦『障害児教育を考える』

あらすじ・概要 体のどこかが悪い、知的に遅れがある、発達に遅れがある……。さまざまな面から子どもたちを教育から遠ざける「障害」。障害のある子どもたちにも教育に参加してもらい、成長する権利を保障するためにはどうすればいいのか。障害者教育の現場の…

自閉っ子の親が専門家の協力を得て「できること」を増やしてあげることに挑戦―たなかれもん『自閉っ子サンちゃんのライフスキルトレーニング:ハイタッチから広がるコミュニケーションの世界』

あらすじ・概要 自閉スペクトラム症のサンちゃんとその家族。サンちゃんの強いこだわりやわがままに家族が振り回され、主導権を握られてしまっていた。専門家の協力を得て、サンちゃんが「できること」を増やし、人とのコミュニケーションを取れるようにする…

【療育・福祉・生活の悩み】発達障害・自閉症の子どもを育てるコミックエッセイおすすめ5選

自分自身が発達障害持ちなので発達障害の子どもを育てるコミックエッセイもちょくちょく読んでいます。 今日はその中から面白かったものをまとめました。 発達がゆっくりな子を育てる『つま先立ちのサンちゃん』 自閉スペクトラム症で発達がゆっくりのサンち…

自閉スペクトラム症の子どもと暮らす日常と療育のこと―たなかれもん『つま先立ちのサンちゃん』

あらすじ・概要 自閉スペクトラム症で発達がゆっくりのサンちゃん。いつもつま先立ちをしている彼女と、それを見守り育てていく両親。療育園のこと、生活のこと、好きな番組やDVDのことなど、サンちゃんの日常を描くコミックエッセイ。

マジョリティの価値観で書かれた発達障害本ってつらいな―岡田尊司『自閉スペクトラム症 「発達障害」最新の理解と治療革命』

あらすじ・概要 先天的なものであり、治癒が難しいとされてきた自閉スペクトラム症。しかし最近の研究で、発生には環境要因が強いことがわかってきた。自閉症の子どもを支えるため、親や周囲は何をすればいいのか。最新の情報とともに、周囲ができる治療方法…

発達障害「の傾向がある」人たちはどう生きるか―林寧哲・OMgray事務局監修『大人の発達障害 グレーゾーンの人たち』

あらすじ・概要 「発達障害かな?」と疑問を持ち病院を受診しても、「傾向があります」とだけ言われてしまう人々。彼らは福祉サービスを受けられず、さりとて定型発達とはどこか違う生きづらさを抱えている。グレーゾーンの特徴を述べながら、どう生きれば楽…

ADHD傾向のあるASDが、通知を見逃さないためスマートウォッチを買った話【口コミ・レビュー】

スマートウォッチを買った経緯 通知を見逃すタイプだった 発達障害の特性、過集中(集中しすぎて周りが見えなくなること)もあり、スマホをチェックするのを忘れることが多いです。 診断が出るほどでもないんですがADHD傾向もあり、「あースマホチェックしな…

ASDたちは異なる言語感覚で生きている―松本敏治『自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く』

あらすじ・概要 「自閉症の子は津軽弁を話さない」妻の何気ない一言から、自閉症の子どもの方言使用について調べ始めた著者。データは確かに自閉症の子どもは方言を話さない傾向を示していた。それはなぜなのか。自閉症の社会的な障害をヒントに、自閉症と定…

これが高知能発達障害家庭だ―寺島ヒロ『うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育て絵日記』

今日の更新は、寺島ヒロ『うちのでこぼこ兄妹 発達障害子育て絵日記』です。 あらすじ・概要 漫画家の著者の家には、ふたりの子どもがいる。彼らはふたりともASDの診断を受けていて、不思議な行動をする。体内時計の不具合、朝起きられない、学校での立ち歩…

うじうじ暗いけれど参考にはなった―モンズースー『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』

今日の更新は、モンズースー『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』です。 あらすじ・概要 突然パニックになる、言葉が遅れるなど、他とは違う様子を見せるうちの子。どうやら発達に遅れがあるらしい……。調べていくうちに母親である自分も発達障害の…

コロナウイルスでうちの障害者雇用が危機的状況かもしれない すぐ休ませることは「みんなのメリット」か?

素材:ぱくたそ(https://www.pakutaso.com/) ちょくちょく話していることですが、私は大阪の某企業にて、障害者枠で働いています。今回はそこで困ったことが起こっているので、文章としてシェアします。 最近会社が体調不良があるとすぐ帰らせようとしてく…

発達障害者が障害者雇用で1年働いてよかったこと6つ

発達障害者として障害者枠で雇用され、働いて1年になりました。労働は面倒くさいけど、生活の質は確実に上がりました。 発達障害者と雇用というと暗い話題が多いので、今日は就職してよかったことについて語ってみようと思います。

発達障害の息子を得て惑う母親を描く―トマコ『うちの子って発達障害!? ただいま子育て迷走中』

あらすじ・概要 集団に参加できない、人と話すのが苦手……人とどこか違う著者の息子。彼は実は、発達障害だった。ことばの教室や通級教室などの教育サービスの助けを経て、少しずつ成長していく彼。母親の苦悩を描きながら、親が何ができるかを問うコミックエ…

アメリカでアスペルガ-の子を子育て―佐藤エリコ『まさか!うちの子アスペルガー?セラピストMママの【発達障害】コミックエッセイ』

今日の更新は、佐藤エリコ『まさか!うちの子アスペルガー?セラピストMママの【発達障害】コミックエッセイ』です。タイトル長いな! あらすじ・概要 アメリカに在住するイラストレーターの著者。その息子が、どうやら発達障害らしい……。強いこだわり、執拗…

ASDは相互的なコミュニケーションが苦手―司馬理英子『こころのクスリBOOKS よくわかる女性のアスペルガー症候群』

今日の更新は、司馬理英子『こころのクスリBOOKS よくわかる女性のアスペルガー症候群』です。 あらすじ・書籍概要 人づきあいが苦手、空気が読めない、誤解されやすい。人間関係でトラブルを抱えやすいアスペルガー症候群の女性。彼女らがなぜそのような行…