ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ファンタジー

「祟る少年」に出会った教育実習生の郷愁―小野不由美『魔性の子』

今日の更新は、小野不由美『魔性の子』です。 あらすじ・書籍概要 教育実習生として母校の高校に帰ってきた広瀬は、高里という生徒に出会う。彼の周りには、事故が頻発していた。学校では、「高里は祟る」といううわさが飛び交う。広瀬は高里に興味を持ち、…

少女の背中を押す人を食う化物の優しさ―あおのなち『あなたの世界で終わりたい』

今日の更新は、あおのなち『あなたの世界で終わりたい』です。 前に読んだ同作者の短編集が面白かったので、こちらも買ってみました。 あらすじ・書籍概要 血を嫌う吸血鬼と、学校でいじめられている女子高生。女子高生は吸血鬼に、「あなたに食べられてもい…

理知的な女性が自ら行動し誰かを愛する―『美女と野獣』(ディズニー実写版)

今日の更新は、『美女と野獣』です。 金曜ロードショーで見ました。 あらすじ 本好きで、頭のいい女性ベル。彼女の父親が森の奥の城からバラを盗み、城の主人である野獣から監禁されてしまう。ベルは父親の身代わりになり、城に滞在する。ベルは白で暮らすう…

政治サークルの壊れていく理想―小野不由美『華胥の幽夢』

今日の更新は、小野不由美『華胥の夢』です。 あらすじ・書籍概要 才の麒麟、采麟が体調不良を起こす。どうやら失道らしい……だが、采王のどこが間違っているというのだろうか。表題作『華胥』ほか、過去や日常をまとめた十二国記の番外短編集。

日本から帰った麒麟が王を選ぶ―小野不由美『風の海 迷宮の岸』

今日の更新は、小野不由美『風の海 迷宮の岸』の再読感想です。 あらすじ・書籍概要 黄海の蓬山にて、次代の麒麟を生み出す泰果が生った。しかしそれは蝕によって流され行方知れずになる。ようやく見つかった泰麒は、現代日本で育ち麒麟の力をほぼ眠らせたま…

王という自意識を持った男の反乱鎮圧―小野不由美『東の海神 西の滄海』

今日の更新は、小野不由美『東の海神 西の滄海』再読感想です。 青春時代にハマった作品を久しぶりに読みたくなりました。 あらすじ 延麒六太が、胎果小松尚隆を延王に選んで20年。荒廃した国は生気を取り戻しつつあった。そんな折、尚隆の治世に不満を持つ…

いけ好かないイケメンがけちょんけちょんにされる―『ドクター・ストレンジ』

金曜ロードショウで『ドクター・ストレンジ』を見ました。 あらすじ 天才外科医のスティーヴン・ストレンジは、交通事故で手が不自由になってしまう。治療法を求めてたどり着いたのは魔術師たちの訓練組織だった。そこで訓練を積んだスティーヴンは、いやお…

ピジョットだけですべてを許せるポケモン映画―『名探偵ピカチュウ』

『名探偵ピカチュウ』見てきました! やったポケモンはプラチナバージョンが最後です。 あらすじ 父親の事故死の知らせを聞いてライムシティにやってきたティム。ティムは父親の家で父のパートナーポケモンだったピカチュウに出会った。なぜかピカチュウの言…

ジョナサン・ストラウド『バーティミアス三部作』感想のまとめと総評

全巻読破したので、感想のまとめ記事です。 あらすじ・書籍概要 魔術師の弟子ナサニエルは、今をときめく魔術師ラブレースに侮辱されたことをきっかけに復讐を企てる。呼び出されたのはジン、バーティミアス。バーティミアスはいやいやながらも生意気な少年…

名前を取り戻した少年がロンドンを救う―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス プトレマイオスの門 下』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス プトレマイオスの門 下』です。 今までの記事はこちら。 性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』 かっこいい危機と自業自得な危…

自分がクズだと気づいた魔術師マンドレイク―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス プトレマイオスの門 中』

今日の更新は、『バーティミアス プトレマイオスの門 中』です。 今までの記事はこちら。 性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』 かっこいい危機と自業自得な危機と―ジョナサン・ストラ…

疲れた妖霊、いやいや魔術師に従う―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス プトレマイオスの門 上』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス プトレマイオスの門 上』です。 これまでの記事はこちら。 性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』 かっこいい危機と自業自得な…

幻想の中で自立する女性―『Dr.パルナサスの鏡』

今日の更新は、『Dr.パルナサスの鏡』です。 あらすじ ショーをして旅をしているパルナサス博士の一座。彼の出し物は、鏡の中で想像の世界を見せること。ある日、そこに記憶喪失の男トニーがやってきた。トニーはその話術で一座を少しずつ変えていく。

魔術都市プラハとグラッドストーンの墓泥棒―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 中』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 中』です。 これまでの記事はこちら。 性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』 かっこいい危機と自業自得な危機と―…

青春というファンタジー空想空間―古谷兎丸・乙一『少年少女漂流記』

今日の更新は、古谷兎丸・乙一『少年少女漂流記』です。 あらすじ 孤立、親との関係、ダイエット。悩みを抱える少年少女たち。彼らの心はファンタジックな風景を生み出す。小説家の乙一と漫画家の古谷兎丸の合作である連作青春短編。

ふたたび呼びだされたバーティミアス―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 上』

今日の感想は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 上』です。 前回の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 政府の国家保安庁に就職し、爆破事件を担当することになったジョン・マンドレイクことナサニエル。解決できなけれ…

性格の悪い妖精の女の子が妖精に拾われる―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇2』

今日の更新は、嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇2』です。 あらすじ 生まれたばかりのウォーライク、ルテティアは、同じウォーライクのジルベールに拾われる。そこに東洋人の頼道も転がり込んできて……。中編を二編収録した番外編本。

しみじみさつきの扱いの悪さが謎―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精5』

今日の更新は、『彼女は戦争妖精5』です。 あらすじ 伊織の叔父、頼道が帰国した。彼と共にウォーライクの記憶を失ったパトリックと対面する伊織だが、その姿に罪悪感を感じてしまう。一方で、伊織は謎の少女に襲われる。ウォーライクを圧倒するほどの力を…

人間を助けてしまうバーティミアスが愛しい―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 下』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 下』です。 あらすじ ナサニエルは、復讐のためエリート魔術師ラブレースの陰謀を暴こうとする。それにしぶしぶ従うバーティミアス。サマルカンドのアミュレットは、何のために使…

短編集でもキャラが濃い少女妖精たち―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇1』

今日の更新は、嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇1』です。 あらすじ 父に関する手がかりを探すため、父の恩師を訪ねる伊織。出張ホスト由良賢二とマラハイドとの出会い。パトリックとの戦闘で傷ついた伊織の世話をする常葉……。本編では描かれなかったストー…

かっこいい危機と自業自得な危機と―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』の感想です。 前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com 巻が進むにつれて表紙のポーズが変わるのかっこいいですね。 あらすじ 敵に捕まってしまったバーティミアス。…

性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝』の再読感想です。 あらすじ ジンのバーティミアスを召喚したのは、十二歳の少年魔術師ナサニエル。彼は自分に恥をかかせた魔術師に復讐すべく、バーティミアスにアミュレットを盗…

女子高生とおじさんが入れ替わり、性のゆらぎを感じる―ヤマシタトモコ『WHITE NOTE PAD』

今日の更新は、ヤマシタトモコ『WHITE NOTE PAD』です。 あらすじ ある日中身が入れ替わったおじさん木根と女子高生葉菜。入れ替わったまま一年が過ぎ偶然ふたりは再会する。モデルになった葉菜(木根)の計らいで、木根(葉菜)は彼女の所属する雑誌の編集…

ボーイミーツガールからのハーレム展開つらい―阿部藍樹『白翼のポラリス2』

今日の更新は、阿部藍樹『白翼のポラリス』です。 相変わらず表紙がハイセンスだなー。 あらすじ 父親アカーシャと再会したシエルは、荷物としてある人物を預けられる。彼女はボレアスの皇女シュリ。政変から逃げ出した彼女を守り、ふたたびアカーシャに引き…

女の子の癖が強くて最高―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精4』

今日の更新は、嬉野秋彦『彼女は戦争妖精4』です。 あらすじ クリスとルテティアの世話に追われる伊織。不穏な動きがある中、妖精の書を狙うパトリックが伊織とクリスを襲ってくる。はたして妖精の書とは何なのか。パトリックがそれを狙う理由とは……。

知的好奇心の塊の青年が砂の世界の秘密に迫る―九岡望『言鯨16号』

今日の更新は、『言鯨(イサナ)16号』です。 久しぶりに著者の本を読めてうれしいです。 あらすじ 砂漠に覆われ、砂を走る船で移動する世界。街は言鯨(イサナ)という死体とともに栄えていた。骨摘みである旗魚(かじき)は捕らえられたあこがれの学者浅利…

御託はいいからみんなどろろを見てくれ

最近リメイク版のどろろにはまっているので、その宣伝を書きました。 ちなみに原作どろろには一通り目を通したことがあるけれど、だいぶ昔なのでかなり忘れてます。 あらすじ 盗みをしながら生活してる子ども、どろろは百鬼丸(ひゃっきまる)という少年に出…

絵にまつわる不条理な話が怖すぎる―森見登美彦『夜行』

今日の更新は、森見登美彦『夜行』です。 あらすじ 京都で学生時代を過ごした六人が、鞍馬に集った。話題の中心は失踪した「長谷川さん」。やがて六人は、旅にまつわる不思議な体験を話し出す。それには「夜行」という絵がかかわっていた。

素行の悪いヒーロー、行動を改めて普通のヒーローを目指す―『ハンコック』

地上波で『ハンコック』がやっていたので見ました。 名前は知っていたけど見たことなかった作品。 あらすじ スーパーパワーで町を守る男ハンコック。が、その破壊的行動と性格の悪さのせいで、いつもみんなの嫌われ者だ。そんなとき、ハンコックはPR会社に勤…

かわいいけれどどこかクールな雰囲気―香魚子『さよなら私たち』

今日の更新は、香魚子『さよなら私たち』です。 あらすじ 手をつないだまのふたりの少女の魂。このままでは三途の川を超えられない。少女たちは現世で自分たちの過去を調べるが……表題作ほか、思春期の少女たちを描いた短編集。