ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ファンタジー

世界を変える戦いで眼鏡神父がだめな感じになっていく 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月窟の黙示録』感想

吸血鬼の小説を読むシリーズ。 この巻の表紙、前巻のの表紙と対になっているんですね。ギブとツキシロの位置が前巻と逆です。こういう構図で遊ぶのって面白いですよね。 あらすじ 悪魔を閉じ込めた聖櫃の「鍵」として狙われるようになったギブとツキシロ。ギ…

敵対するふたりの王が協力して国に平和をもたらす 沢村凛『黄金の王 白銀の王』感想

あらすじ 鳳穐(ほうしゅう)と旺廈(おうか)という二つの氏族が王位を争い続けてきた翠(すい)の国。囚われていた旺廈の頭領薫衣(くのえ)は、鳳穐の頭領で現王の穭(ひづち)に協力を持ちかけられる。それは、長い争いを終わらせ、翠の国に平和をもたら…

神父と下僕の物語はスケールが大きくなっていく 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月牙の命脈』感想

吸血鬼の本を読むシリーズもだいぶ進んできました。 あらすじ 吸血鬼に転化する可能性があるギブは、師匠と兄弟弟子のレオンとともにある女性のもとを訪ねる。彼女は、500年を生きた魔女だった。一方ギブが悪魔を閉じ込めた「聖櫃」を開ける鍵だとして、とあ…

囚われの神父ギブを下僕ツキシロが迎えに行く 瑞山いつき『スカーレット・クロス 隠されし月の制約』感想

吸血鬼ものを読むシリーズ。どうしても古い作品だとAmazonのサムネイルが悪いですね……記事に載せるとき困るのなんの。 あらすじ 冤罪の疑いをかけられ幽閉されてしまったギブ。ツキシロやレオンは、彼を救い出そうと作戦を練る。一方のギブは、そこから出て…

かわいいキャラデザと背景美術を見る映画 『ポッピンQ』感想

dtvに入ったと聞いて見てみました。 あらすじ 卒業式直前、不思議な世界に飛ばされてしまった4人の少女。彼女らは時を正しく進めるため、ダンスを踊ってほしいと頼まれる。しぶしぶそれに応じる彼女たちだったが、5人目の仲間はそれに非協力的で……。

シュールなユーモアと絶望の合わせ技 パク・ミンギュ『カステラ』感想

あらすじ タヌキゲームにはまってしまったインターン先の社員、何でも入る冷蔵庫、宇宙人の襲撃を受けている農地……。ごく普通の日常にシュールな題材を交え、絶望とユーモアをもって人間を描き出す短編集。

神と人の間に立つ人が世界を愛してくれる 『ワンダーウーマン』感想

友人がドはまりしていたので見ました。 あらすじ 楽園のような島に暮らす女性しかいない一族、アマゾンの姫君ダイアナ。彼女はスパイのスティーブ・トレバーと出会い、第一次世界大戦をけしかけている軍神マルスを倒すための旅に出る。しかしダイアナにとっ…

失われた記憶の真実を知るとき、償いは始まる 『アリスの精神裁判』感想

『アリスの精神裁判』をクリアしました。 play.google.com アリスの精神裁判 SEEC Inc. ゲーム 無料 あらすじ 「視聴覚室で白ウサギが殺された」主人公、神崎ありすの学校にニュースが駆け巡る。精神裁判という奇妙な裁判にかけられたハートの女王。その理不…

リンカーンは復讐のために杭を手に取った セス・グレアム=スミス『ヴァンパイアハンター・リンカーン』感想

最近読んでる吸血鬼ものの中で一番イロモノっぽい題材だ……。 あらすじ 吸血鬼に母親を殺され、復讐を誓ったエイブラハム・リンカーンは、ヴァンパイアハンターとして吸血鬼を屠っていく。しかしエイブは、奴隷制があるかぎり吸血鬼を滅ぼすことはできないと…

毛玉たちの恋、ぎすぎすする天狗たちの戦い 森見登美彦『有頂天家族 二代目の帰朝』感想

このAmazon画像には反映されてないけれど、二重カバーださすぎ問題はこの巻でも続いています。 本当にもうちょっとかっこいいカバーにしてほしいです。 あらすじ 京都の町に赤玉先生のかつての弟子「二代目」が帰ってきた。二代目は、赤玉先生と弁天を憎悪し…

悪友二人の楽しくて寂しい友情 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月闇の救世主』感想

吸血鬼の小説を読んでいくシリーズ。大分たくさん読んできましたね。 なぜかAmazonに小さい表紙画像しかありませんでした。画質が悪い……。 あらすじ ギブはニネベの街で親友レオナルド(レオン)に再会する。だが出会ってすぐに喧嘩別れしてしまい、ツキシロ…

性格の悪い神父が半端者の吸血鬼を拾う 瑞山いつき『スカーレット・クロス 混ざりものの月』感想

吸血鬼小説のおすすめで上がっていた小説のひとつです。吸血鬼ライトノベルは多すぎて把握し切れてないですね。 あらすじ 混ざりもののヴァンパイア、ツキシロは、行き倒れているところを神父のギブに拾われ、「聖なる下僕(しもべ)」となる。ツキシロとギ…

姫君を乗せて大空をかける飛行機の美しさ 阿部藍樹『白翼のポラリス』感想

Twitterでおすすめされていたので買ってみました。女の子より飛行機のほうがでかい表紙、かっこいいですね。 あらすじ ほとんどの陸地が海に沈んだ世界。船国から船国へ荷物を運ぶスワローの少年、シエルは少女から「自分を運んでほしい」と依頼を受ける。彼…

刀剣男士に子育てさせる残酷さ 『ミュージカル「刀剣乱舞」~三百年の子守歌~』感想

見たいみたいと思いつつタイミングを逃していました。 「三百年」と書いて「みほとせ」と読みます。 www.dmm.com あらすじ 歴史修正主義者の攻撃により、幼い竹千代(のちの徳川家康)を残して壊滅した松平家。刀剣男士たちは歴史上の人物になり替わり、協力…

黒豚姫が自分の人生を取り戻す カミツキレイニー『黒豚姫の神隠し』感想

表紙がかっこいいので読んでみたかった本です。絵柄がすごく好きなんですよね~。 あらすじ 冷たいクラスメイト、波多野清子の笑顔を見てから、彼女を自主製作映画に出演させたいと思うようになった米輔(ヨナ)。脅して言うことを聞かせようとするが、彼女…

戦いの行方と美しい恋の終わり あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS11 賢者転生』感想

ついに最終巻。どんなシリーズでも感慨深いですね。 あらすじ 特区に吸血鬼たちが集結し、最終決戦の火ぶたが落とされる。特区を脱出しようとする九龍の血脈に、ミミコらが打った手とは……。そして、ミミコとジローの関係にも決着の時が来る。

濃いキャラクターが毎日お祭り騒ぎ 森見登美彦『有頂天家族』感想

この、めちゃくちゃダサい二重カバーはなんとかならんかったのか。アニメ絵でもいいから、もっと持ってて楽しいデザインにしてほしいです。 あらすじ 父親が人間たちに狸鍋にされてしまった狸の四兄弟。しかしその息子たちは阿呆ばかりだった。主人公である…

沖縄を舞台に幻想と醜さの間を行く短編集 恒川光太郎『月夜の島渡り』感想

書籍概要 逃げ込んだ孤島にいた軟体動物との暮らし、何度も生まれ変わる女性が見た時代の流れなど、沖縄を舞台にした幻想小説短編集。

それぞれの決戦前夜に思うことは あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS10 銀刀出陣』感想

あらすじ カンパニーが特区を奪還する「Xデー」が近づく中、ミミコを中心とした人々は対応に追われる。一方、香港では血の気の多い吸血鬼が集まりつつあった。それぞれの最終決戦の前夜が過ぎていく……。

革命を起こした農場の動物たちがディストピアに陥る ジョージ・オーウェル『動物農場』感想

読みたいなあと思っていたけれど後回しにしていた本。原文の著作権は切れていたのか……。 「闇のどうぶつの森」のような作品でした。 あらすじ 農場主を追い出し、自分たちで農場を運営していくようになった動物たち。しかし農場のトップになったブタたちは、…

おどろおどろしい話は面白いけれどとにかく長い 京極夏彦『姑獲鳥の夏 上』感想

Twitterでフォロワーさんのおすすめ小説として挙がっていたので読んでみました。 ときどき作風が似ていると言われるのだけど、私自身はあまり自覚がないです。 あらすじ 古本屋で拝み屋の京極堂と「私」は、20か月の間妊娠し続けている女性を調査すること…

スラヴ圏の吸血鬼、そしてそれにまつわる伝承を解説する 栗原成郎『スラヴ吸血鬼伝説考』感想

どこかで見た名前だと思ったら『ロシア異界幻想』を書いた方でした。あれも面白かったです。 書籍概要 死者が墓から起き上がり、血を吸うというスラヴ圏の吸血鬼。その伝承に関わる人狼、夢魔、死神などの魔物の考察や、フィクションにおける吸血鬼の扱いに…

カーサがシンガポールにやってきてミミコを狙う あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS9 黒蛇接近』感想

あらすじ 新生カンパニーの長になったミミコを仕留めようと、シンガポールにカーサがやってきた。一方ウォーロック家のアンナがカンパニーに賛同し、吸血鬼を取り巻く状況は変わりつつあった。

女の子たちが戦いを前にしてどんどん強くなっていく あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS8 宣戦恋歌』

吸血鬼の小説を読むシリーズ、まだまだ続くよ! だいぶ内容が進んできました。 あらすじ 特区から敗走し、シンガポールに移った「カンパニー」。ミミコはそこでカンパニーの新しいトップになってほしいと依頼される。一方ジローは、自分自身の力をコントロー…

死にぞこないになった少年がグロい化け物を倒す 九岡望『ニアデッドNo.7』感想

『エスケヱプ・スピヰド』が面白かったのでありがとう課金もかねて購入しました。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ ある日、記憶を失い境死者(ニアデッド)として目覚めた少年赤鉄(アカガネ)。自分はなぜこんな体になったのか……。同じ境死者、紫遠(…

「舞台『刀剣乱舞』 義伝 暁の独眼竜」から考える伊達刀の描かれ方【感想・ネタバレ有】

「舞台『刀剣乱舞』義伝 暁の独眼竜」(以下『義伝』)をライブビューイングで見てきました。 舞台どころかライビュも落ちるし、結局一時間かけて遠くの映画館に見に行きました。あ~転売屋と転売屋から買った人は職場でうんこ漏らしてくれないかな。*1 話し…

吸血鬼と人間の共存地域、特区を襲う変化の波 あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS7 王牙再臨』感想

吸血鬼の小説を読むシリーズ続きです。今回は心なしかイラストが多かった気がします。 あらすじ 「九龍の血脈」のきょうだいたちが九龍王の墓所を占拠し、復活の儀式をしようとしていた。特区は混乱に陥り、カンパニーも敗走を迫られる。ぼろぼろになった特…

ジローの本気、セイのチートさが垣間見える あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS6 九牙終結』感想

吸血鬼の本を読むシリーズはまだまだ続きます。 あらすじ 行方不明になっていたゼルマンの行方を突き止めたサユカ。生きるのに飽いたゼルマンに彼女は何ができるのか。一方ミミコは、コタロウの様子がおかしくなりいぶかしむ。それは兄弟二人の運命にまつわ…

目がボタンの母親、という破壊力 ニール・ゲイマン『コララインとボタンの魔女』感想

『アナンシの血脈』が面白かったのでこっちも読んでみました。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ コララインの両親はいつも仕事で忙しく、かまってくれない。ある日、コララインはもう一つの自分の家を見つける。そこにはボタンの目をした両親がいた。彼…

ヴァンパイアが古い屋敷で共同生活 『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』感想

あらすじ 古い屋敷でシェアハウスをしている4人のヴァンパイア。彼らの生活はトラブルだらけだ。ヴァンパイアの日常を手持ちカメラでドキュメンタリー風に撮影したコメディ映画。