ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

「よい死」すなわち人間の尊厳なのか―安藤泰至『安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと』

あらすじ・概要 欧米を中心に認められつつある「安楽死・尊厳死」。日本でも安楽死の合法化を主張する人が増えている。しかし安楽死を認めることで、適切な医療を受けて生活することや、延命治療をすることそのものが「悪いこと」のように見なされないか。患…

浅ましく愚かな「反面教師」としてのギャンブル依存症―井川意高『熔ける 大王製紙前会長井川意高の懺悔録』

あらすじ・概要 製紙会社の三代目として生まれ、社長として大王製紙に君臨してきた井川意高。彼はカジノに狂い、子会社のお金に手を付けて何十億円も浪費してきた。著者自身が自分の生い立ち、社長時代のこと、お金を使わせるカジノの巧妙な罠を振り返る。東…

「感動」「泣ける」の視点から障害者の表象を問う―好井裕明『「感動ポルノ」と向き合う 障害者像にひそむ差別と排除』

あらすじ・概要 巷にあふれる障害者をめぐる「感動」ストーリー。しかしそれは当事者の思いや多様性を反映しているとは言えないのではないか。様々な作品を取り上げつつ、フィクションやドキュメンタリーの中の障害者の表象を考えていくブックレット。 排除…

体は男だが性辞任が女の王女様が男でも女でもない妖精に恋をする―黒井あがさ『ロイヤル・ガーデンの友人』

あらすじ・概要 男性の身体を持つが性自認は女の王女、マイルス。公務のときは男性の格好で、プライベートは女装して過ごしている。そんなマイルスの友人は、男か女かわからない白の妖精、オウ。マイルスはオウに恋心を抱くが、性別のないオウはその感情に応…

原作を踏襲しつつ映像でしかできない表現をしたアニメ化―『金の国水の国』(アニメ映画版)

あらすじ・概要 いがみ合う二つの国。その停戦の証として「国で一番賢い若者」を婿に貰うことになったアルハミドのサーラ姫だったが、送られてきたのは子犬だった。一方バイカリに暮らすナヤンバヤルという若者が押し付けられたのは、「最も美しい娘」ではな…

実家が寺の著者が、住職の兄をネタに仏僧の世界を語る―杜康潤『坊主DAYS』

あらすじ・概要 漫画家、杜康潤の実家は臨済宗の寺。住職である兄に聞き取り調査をしつつ、僧侶になるまでの苦労や、寺での日常を語る。僧侶になるまでの修行の厳しさ、住職として地域を支える多忙さ、現代ならではのお寺の事情など、宗教が身近に感じるかも…

最近読んだ漫画・本のまとめ(20230128)

記事を立てるほどではない作品の感想まとめです。 海空るり『うつ時々、躁:私自身を取り戻す』 りえぞう『キルギスに行ってみた 旅行記コミックエッセイ』 幌山あき『マーブルビターチョコレート』 『君の名は』 青沼貴子『ママは習い事がお好き』 近藤よう…

ADHD女性は虐待や周囲の無理解を受け人生を迷走する―ぴーちゃん『ぴーちゃんは人間じゃない? ADHDでうつのわたし、働きづらいけどなんとかやってます』

あらすじ・概要 「ぴーちゃん」こと著者は、子どもの頃から何だか上手く行かなかった。親からの虐待、周囲の大人たちの無理解。やがてうつになり、オーバードーズや性的逸脱をしてしまうに至る。自分がADHDだと気づき、あがいて生きていく姿を描いたコミック…

3つの宗教が混じり合う聖地へ―りえぞう『イスラエルに行ってみた 旅行記コミックエッセイ』

あらすじ・概要 バックパッカーとしてイスラエルに行ってみたいと思っていた著者。しかしイスラエルに入国後、敵対する国に行けなくなる場合がある。アラブの他の地域を巡ったあと、ようやくたどり着いたイスラエルは、3つの宗教の対立を象徴するような場所…

毒親から生き延びた人が励まし合うようなコミックインタビュー集―菊池真理子『毒親サバイバル』

あらすじ・概要 アルコール依存症の父と宗教にハマった母を持つ著者は、大人になってから自分の家庭が普通ではないと気づく。著者は自分以外の「毒親」を持つ人々に取材し、そのエピソードを漫画にすることにした。劣悪な家庭環境をサバイブしてきた人々の、…