ブックワームのひとりごと

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人外×女子高生のアイデアが迸る本―野干ツヅラ『午後五時四十六分 野干ツヅラ短編集』感想

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午後五時四十六分 野干ツヅラ短編集 (ジーンピクシブシリーズ)

今日の更新は野干ツヅラ『午後五時四十六分』です。

一冊完結漫画のまとめ買い、最後の本です。

表紙は多色刷りかな。かっこいいですね~。

 

あらすじ

こっくりさん、透明人間、信号機……。愛を覚えるのは人間だけではない。人外と女子高生の恋と交流を描く短編集。

 

イデアが面白い人外短編集

延々と人外×女子高生の恋模様が描かれる短編集なんですが、発想力が面白いです。

蛇のおもちゃの頭をした神様だとか、目の穴に花が咲く人外だとか、アイデアを眺めているだけで楽しいです。

人外ものは、想像力の羽を伸ばして、「こういうのいいじゃん」というものを描けるのが楽しいですね。

 

個人的に好きなのは、「あわい、くちなわ、たけこうべ」です。竹のおもちゃの頭の神様というだけで面白すぎるし、そうなった経緯もしっかり描かれていてよかったです。

ちょっとホラー風味な展開も、怖い話好きとしては嬉しかったです。おどろおどろしいけれど怖すぎない、その塩梅が良かったです。

 

しかし、紙媒体になってしまうとどうしても背景の雑さとか、白いコマの多さとかが目立ってしまいますね。

web再録の分も、線ががったがたで清書されていないっぽいですね。

ネットで少し見た分には気にならなかったので、これは媒体の違いによって見るところが代わってくるんだなと思います。

書籍化というのは、ただ単純に紙に印刷すればいいというわけではないということに気づきました。

 

まとめ

イデアが面白かったので楽しめました。著者は最近本を出していないみたいですが、どうしていらっしゃるのかな。

 好きな人はめちゃくちゃ好きなタイプの作品集だと思います。