ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

『ダンボ』(実写版)見た ディズニーにしては暗いし苦い

ダンボ (吹替版)

 

あらすじ・概要

サーカスの一員だった主人公。彼が戦争から帰ってくると相棒である馬を売りに出されていた。代わりにパートナーとなった象の子どもは耳が異常に大きかった。その子、ダンボは空を飛ぶ能力があった。しかしその能力ゆえにショービジネスの世界の闇に巻き込まれていく。

 

ディズニーにしては闇が深い作品だった

2Dアニメの方は未視聴。ディズニーの中では陰鬱な雰囲気の作品でした。西洋の人にとってはサーカスっていうのは何だか怪しげな存在なんでしょうか

主人公が戦争帰りだし、楽しげに見えてもどこか退廃的な感じが漂っています。

ダンボも始めは耳の大きい異形の象として扱われ、人気者となるのは空を飛ぶ象になってからです。

エンタメ産業の華やかさの裏にある過剰な商業主義と、その裏で理不尽な目に遭っている人々という描写は大人向けの苦いものでした。

享楽的なショーのシーンは面白かったです。

昔が舞台の作品とは言え現代の感覚からすると動物虐待っぷりがつらいです。飼うならもうちょっと動物を大事にしてほしいです。

ハッピーエンドではあるものの、途中はだいぶ夢のない話でした。

 

ただつまらなくはないですが、ストーリーは単調でもっと盛り上がりがほしかったです

話が物足りなくても絵で面白く見えてくるのはさすがディズニーではありますが。

そして便宜上実写としていますが人間以外はほぼ実写じゃないんですよね。こういう場合どうカテゴリ分けすればいいんでしょう。

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『ハッピー・デス・デイ』『2U』見た 問題のある女性がループを通して成長

ハッピー・デス・デイ (字幕版)

 

あらすじ・概要

アメリカの大学生、トリーはある日殺人鬼に襲われ死んでしまった。そしてその日の朝に目を覚ました。トリーは殺人鬼に殺される一日を何度も繰り返すことになる。ループから脱出するには、仮面をかぶった殺人鬼の正体を知らなければならない。トリーは何度も奔走する。

 

問題のある女性がループを通して成長

主人公、トリーがかなり問題のあるキャラで笑ってしまいました。性的にだらしなく、周囲に迷惑をかけてばかりです。そんな彼女がループの中に陥り、何度も死んでは一日を繰り返すことになります。

トリーは自分を何度も繰り返し殺す殺人鬼の正体をあばこうとします。

ホラーっぽい描写もありますが、ギャグ要素の方が強いのであまり怖くないです。

情けなかったトリーがだんだんたくましくなり、人間的に成長していくのは熱かったです。

成長したトリーが周囲への態度を改め、過ちを認めるのもぐっときてしまいました。

ラブロマンス要素もよかったです。

 

展開に突っ込みどころは多少あるものの、ゲラゲラ楽しく笑える映画で楽しかったです。

 

ハッピー・デス・デイ 2U

ハッピー・デス・デイ 2U

  • ジェシカ・ロース
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流れで続編である2Uの方も見ました。一作としてのクオリティは前回の方がいいですが、こういうおまけがあってもいいかなと思える続編でした。

トリーはふたたびループの中へ閉じ込められますが、そこは死んだはずの母親が生きている世界でした。ループからの脱出を狙いつつも、トリーはこの世界に残りたいと思ってしまいます。

髪の毛を金髪に染めているアジア系キャラ、ライアンが何だか新鮮でした。アメリカの作品でこういう外見のアジア系が出てくることって稀ですから。

「現実にはいるはずだけど、そういえば出てこないよなあ」ということに気づくということは、見た目の多様性描写には一定の意味があるのかもしれません。

 

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ディズニー版『ピノキオ』を見た感想 ダークで怖いけど倫理がない

ピノキオ(吹替版)

 

おもちゃ職人のゼペット爺さんはピノキオという人形を作り、その子が人間だったらいいのにと考える。そのとき女神が現れ、ピノキオを動く人形にしてくれた。彼女はピノキオが勇気をもって優しく暮らせば本物の人間にしてくれるという。しかしピノキオは誘惑に負け、悪いことをしてしまう。

 

ディズニーの中ではダークな雰囲気で、映像は面白かったです。

夜のシーンが多くて不穏で不気味で、昔のアニメ特有の得体の知れなさがありました。

ピノキオたちが連れて行かれる享楽の世界のきらびやかで虚無的な雰囲気がよかったです。

子どもたちがロバに変身してしまうのはめちゃくちゃ怖かったです。

堕落を示す描写ではありますが、未成年が堂々と煙草吸ったりお酒飲んだりするシーンが今となっては衝撃的でした。

 

ただ、描かれる正義というのが杓子定規すぎて作品のテーマは好きじゃないです。

ピノキオがいい子である条件が従順であること、大人しく学校に行くことだということがどうにも押しつけがましかったです。

舞台で芸をすることすなわち堕落というのもすごく偏見ですしね。芸能関係者をどう思っているのでしょうか。

現代にないものもたくさんありますが、倫理的にはツッコミどころは多いですね。

でもこれはアニメがどうというより原作の問題なのかもしれません。

ピノキオ(吹替版)

ピノキオ(吹替版)

  • ディック・ジョーンズ
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『レミーのおいしいレストラン』見た感想 思ったよりガラが悪くて笑う

レミーのおいしいレストラン (吹替版)

 

強い嗅覚と味覚を持つねずみのレニーは、群れではその能力を認められず不満を持っていた。彼はある日ドジなレストランの従業員、リングイニと出会う。リングイニをコック帽子の中から操ることに成功したレニーは、リングイニと組んでパリで美食を作り出す。

 

思った以上に荒くれ要素もあって笑いました。

不潔の象徴であるねずみが料理人をやっているだけで面白いんですが、他の料理人たちがかなりの訳ありだったり、ヒロインも荒っぽかったりといい意味でガラが悪かったです。

ヒカルの碁みたいに主人公にアドバイスする幽霊なのかと思ったら単純に幻覚ですし。そんなことある!?

レミーとリングイニが不思議な力をもって通じ合うのかと思ったら当然会話できません。話の通じないねずみに料理させるってどういう状況ですか?

背景が美しいフランスの風景だから余計ギャップがありました。

ねずみも主人公レミーだけじゃなくいっぱい出てきてしゃれにならないですしね……食品衛生……。

 

と、ありえないと言いつつストーリー自体はいい話ではあります。

強い味覚や嗅覚を持つレニーはねずみの群れでははみ出し者で、いつも自分を認められたいと思っていました。

リングイニは常にドジで周囲からばかにされますが、レニーに料理の指示を出してもらうことによって居場所を得ます。

しかし、そんな嘘でできた居場所は長くは続きません。成功してハッピーエンドではないですが、これはこれで美しい結末だと思いました。

成功というのはお金や名誉のことではなく、自分のことを認めてもらえる環境で、好きな人たちと暮らすということです。

こうあるべきという立場から降りて別の成功をつかんだ主人公たちはよかったです。

 

 

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ディズニーの『マイ・エレメント』見た感想 ベタなラブロマンスだけど愛しい

マイ・エレメント

 

様々なエレメントたちが共存する世界。火の女性、エンバーは移民である両親の店を継ぐために奮闘している。しかしかんしゃくのせいでうまくいかない。かんしゃくで水漏れを起こしてしまったエンバーは水の男性、ウェイドと出会い、両親の店を守るために奔走する。

 

今どき珍しいぐらいのベッタベタなラブロマンスなんですが、たまにはこういうのもいいなと思える作品でした。

ベタとはいえ倫理観が現代的になっているので素直に共感できます。

 

火の女性、エンバーは移住者である父親の店を継ごうと奮闘しています。そんな中、水の男性ウェイドに出会い自分の価値観を考え直します。

エンバーは親を愛するがあまり「親の期待に応えなければ」と強く考えてしまいます。実際には向いていない、やりたくないことに関わらず親のためならやってしまいます。

重要なのはエンバーの両親は毒親というわけではないってことですね。保守的ではありますが、それはマイノリティとしての立場を守るためであって娘をどうでもいいと思っているわけではないです。

ウェイドは裕福で、やりたいことを尊重してもらえる環境に育っているので格差がつらかったです。

エンバーはウェイドのことが好きですが、嫉妬もあったんじゃないかな……。

怒りんぼな女性、泣き虫な男性と、「女性がor男性がそういう感情を表してはいけない」という固定観念をあえて崩してくるのもよかったです。

 

ただめっちゃリアルな水害描写があるので、トラウマを思い出すひともいるかもしれないです。

そこは本題じゃないので薄目で見ても大丈夫です。

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『港に灯がともる』見た感想 阪神大震災後に生まれた在日三世が自分のアイデンティティを見直す

港に灯がともる

 

 


主人公、灯は在日三世。姉の結婚を期に、一家で帰化することになった。しかし、父親は過去の差別や震災の記憶に囚われており、家族が日本人として生きることを受け入れられない。灯はそんな中心を病んでしまう。灯は精神医療を受け、就職する。その中で自分のアイデンティティを見直していく。


母は父と離婚し、子どもたちも父親を疎み、父は孤立します。
灯もそんな父にいらだちつつも、心のどこかで父の悲しみを理解したいと思っています。
そんな二律背反のせいか灯は双極症を発症してしまいます。
家族との対立、うつ状態の描写があまりにもリアルで、私も自分がつらかったときのことを思い出してしまいました。
フィクションにおいて精神疾患の描写は不正確であることが多いですが、この作品はかなり現実味があります。カウンセラーとの対話やデイケアでの講習会もこんなことやったな〜と思い出しました。
精神疾患を異常なものとして扱うのではなく、日常の中にある悩みとして描いているのは好感を持ちました。

一旦病が落ち着き、就職活動をしてとある設計士の事務所に就職します。
そこで商店街の再建のために働くうちに、灯は神戸という町がさまざまな国の人たちが寄り集まってできた社会だと気づきます。
また、アルコール依存症という自分と違う精神の病気にも接することとなります。
多様な国籍、多様な傷や悲しみの中で彼女は在日である自分を捉えなおしていきます。

 

最後の父親との対話では、完全には分かり合えなかったのは逆によかったです。これだけで親を許せるようになってしまったらリアリティがないですから。
父親の望むような子どもにはなれないが、それでも、心配ぐらいはしている。
親を全否定するでもなく全肯定するのでもなく、現実的な妥協でした。

自分も外国の人が多い環境で育ったのでわかるんですが、多様な価値観の人と暮らすということは楽しいことばかりではありません。
相手に傷つけられることも、逆に自分の愚かしさにショックを受けることもあります。
そういうこと言うと「じゃあ縁を切ったら?」と雑なことを言われるんですが、人間は愚かなので努力しないとあっという間に断絶が生まれるんですよね。
一見平和で共存しているように見えても、それは誰かの努力の上にかろうじて成り立っています。
全ての人が受け入れられるユートピアではなく、誰もが傷を抱えながらもなんとか生きているハードボイルドさが漂う社会です。
美しい神戸の風景の一方で、自分も私の地元のことを思い出しました。

 

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『はたらく細胞』実写映画版見た 撮れ高高いけどツッコミどころもある

はたらく細胞

 

ヒトの体内で生まれた赤血球は、酸素と二酸化炭素を運ぶため日夜がんばっていた。しかしドジな彼女は道に迷ってばかり。そんな中、体内の外敵を駆除する白血球と出会い、彼と細菌との戦いに巻き込まれる。一方で、体の主にある異変が忍び寄っていた。

 

瞬間的な撮れ高は高いんですけどもう少し何とかならなかったのか……という部分もあり、何だか複雑な実写化でした。

どうあがいても実写化が難しい作品をどう実写化するか、という工夫が面白かったです。

キャストも素晴らしく、そのキャラクターに合っていました。

というかアクション超大作というより特撮みたいです。仮面ライダーや戦隊が出てこない特撮。怪人(病原菌)は出て来ます。

 

白血病細胞と白血球の男と男の巨大感情はよかったですし、はたらく細胞BLACKのキャラが出てきてくれたのもうれしかったです。

 

ただいいところがあっただけに人間パートが雑なお涙頂戴すぎるとか、コスプレっぽくするよりはヘアメイクはもっと自然で良かったんじゃないかとか、ジェンダー観が雑だとか、細かい部分が気になってしまいます。

思ったよりも楽しめたけど……傑作ではないという消極的な評価になってしまいました。

はたらく細胞

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『JUNK WORLD』見た 忠誠を誓うロボットと女軍人がよかった

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あらすじ・概要

人間の女軍人、トリスは、人造生命体マリガンと調査隊を組むことになる。マリガンは人間に反旗を翻し、休戦協定が締結されたが人類とは微妙な関係だった。トリスはマリガンのオリジナルであるダンテと、忠実なロボットのロビンと行動を共にする。

 

時系列がややこしいけど面白い

時系列がややこしいので分かりづらい面もありましたが、世界観やキャラクターが尖っていて面白かったです。
メカクレで強くてハードボイルドな女軍人キャラが最高すぎました。刺さる。
この女軍人、トリスのせりふがいちいちかっこいいのでそれだけで好きになってしまいます。こういうキャラをうまく動かせる人って少ないですからね。かっこよさを維持しつつかわいげも感じさせる良い塩梅でした。
ポストアポカリプスのような世界でグロデスクなクリーチャーが多数登場。メカやキャラクターデザインの作り込みがすごいです。
ストップモーション(コマ撮りアニメ)なので登場するキャラクターは物理的に人形として存在するんですよね。最後のエンドロールで制作風景が流れて「本当に人形なんだ……」となりました。
話が進むにつれ、壮大な時間SFになっていきます。

声優が素人なのか大根役者なのが玉にきずですが、逆に言うと役者が素人でもついつい最後まで見てしまう映画でした。個人制作だしその辺は致し方ないかなあ。

突然下ネタや暴力的なシーンが挟まるのでそこは気をつけてほしいです。ツッコミ不在のギャグやパロディもあります。何でも許せる人向けです。
倫理観なさ過ぎてそれでいいのか? となるシーンも多いです。特に子どもが酷い目に遭うのは心が痛かったです。
でもそこも含めて世界観と成立していて、不思議なコマ撮りアニメでした。

後から気づいたんですがこれはシリーズの続編なんですね。でも前提設定が分からなくてもそれなりに楽しめました。

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『もしも徳川家康が総理大臣になったら』見た 武将カリスマ性に狂わされる国民の風刺ネタ

もしも徳川家康が総理大臣になったら

 

あらすじ・概要

コロナ禍の日本。政治的混乱により政府は戦国武将や歴史上の人物をプログラムで生成、彼らに内閣を組んでもらった。強いカリスマ性で日本を率いる武将たちは、アイドルのように国民に慕われることになる。しかし、彼らにも内部分裂の影が……。

 

トンチキSFなのにちゃんと風刺ネタしてるよ!

プログラムによって武将の人格を再現して内閣を結成させる。この時点で「細かいことを気にしちゃいけない映画だな」とわかるんですが、なかなか面白かったです。
邦画でここまで風刺ネタをやっている

武将たちのカリスマ性は最初は有効に働きますが、民衆は愚かなので自分から武将たちに心酔してしまいます。
インターネットあるあるが妙に生々しいです。
独裁者って本人の残酷さだけではてっぺんに立てません。やはり民衆が支持しているところがあるんですよね。
民草の心を操って罪悪感を覚えない人間というのは恐ろしいです。

お昼のワイドショーの適当なコメンテーターに小籔千豊をキャスティングしているのが天才すぎるんですよね。
私はこんなワイドショーを見たことがある気がします。存在しない記憶が流れる。

何分政治のことなので私はそこまで思わないな⋯⋯と全肯定できない部分もありました。
それはそれ、これはこれだからね。
それでもカリスマを求めるのではなく「自分に期待しろ」というメッセージには心打たれました。

 

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『きみの色』見た 少女2人と少年1人のバンドがライブを目指す

きみの色


あらすじ・概要


他人に色が見えるトツ子は、学校を辞めた少女、作永ふみとテルミンを操る少年、ルイとバンドを組むことになる。だが、ふみとルイには保護者に言えない秘密があった。離島の古い教会で練習を重ねるうち、ふみとルイは自分と向き合う。三人は文化祭で発表することになる。

 

ベタだけど面白かった

少年少女が音楽をやって自分の問題を解決するというべたべたな話ですが、現代的になっていて面白かったです。
主人公はカトリック系の女子校に通っており、主人公がキリスト教を信仰する姿もあります。
また、主人公を導く教師もシスターです。
作品の中では「二ーバーの祈り」が繰り返されます。

神様、私にお与え下さい。
変えられないものを受け入れる落ち着きを、
変えられるものを変える勇気を。
そして、その二つを見分ける賢さを。

登場人物たちは、音楽をやることによって自分に素直になり、人と話し合うことができるようになっていきます。
電子楽器テルミンを使ったり、作詞作曲をしたりしてバンドとして活動します。
その姿がけなげでかわいいです。それを支える大人の姿もよかったです。
人生こんなにうまくいかないことも多いでしょうが、フィクションとはいえ救いが描かれるとほっとします。

少女ふたり少年ひとりの話なのに、恋愛の話が一切出てこなかったのが興味深かったです。
青春を描くうえで、異性愛要素は必須ではないというのが現代的だなあと感じました。

きみの色

きみの色

  • 鈴川紗由
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