ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

医学

『老いる自分をゆるしてあげる。』上大岡トメ 幻冬舎文庫 感想 老いを科学して受け入れる

あらすじ・概要 健康に気をつけていたはずが、体の衰えを感じるようになってきた著者。著者はとある医者の老女と共に、科学から老いを学びはじめる。老いの速度を緩やかにしつつも、変わっていく自分を受け入れ、楽しく生きていく秘訣とは。 科学の視点から…

『ビジネスパーソンのためのお薬・サプリ読本 技術の泉シリーズ』片山陸 インプレス 感想

あらすじ・概要 ビジネスパーソンのための薬知識とは何か。薬剤師である著者が、薬物依存、コロナワクチンなど、身の回りにある薬との付き合い方を語る。今回は緊急避妊薬という女性にとっては重要なトピックについても開設する ビジネスパーソンのためのセ…

『世界史を変えた薬』佐藤健太郎 講談社現代新書 感想

あらすじ・概要 普段私たちが何気なく使っている薬は、実は世界史を買えた薬かもしれない……。サイエンスライターである著者が、薬の歴史やその成り立ち、医者たちの感染症への攻防を描く。薬の見方が変わるかもしれない一冊。 医学の歴史と倫理の進歩には関…

『ビジネスパーソンのためのセルフメディケーション読本 技術の泉シリーズ』片山陸 インプレス 感想 

あらすじ・概要 ドラッグストアに売っているたくさんの薬・サプリメント・栄養ドリンクなどなど……それらは化学的にどういうもので、どんな効果があるのか。薬剤師の資格を持つ著者が、「医師の処方がいらない薬」について、有効な利用方法や注意点を述べる。…

『はじめて学ぶ生命倫理 「いのち」は誰が決めるのか』小林亜津子 ちくまプリマ―新書

あらすじ・概要 安楽死は許されるか、子どもの自己決定権はどこまで存在するのか、精子バンクから生まれた人たちが親を知る権利は……。テクノロジーの進歩によって、多様性によって生命倫理の問題に直面する医療従事者たち。現代の医療が抱える生命倫理の問題…

『国境なき医師が行く』久留宮隆 岩波ジュニア新書 感想

あらすじ・概要 国境なき医師団に参加することを決めた日本人医師は、内戦続きで疲弊したリベリアへ派遣された。派遣先での人間関係や、多忙な日々に悩みながらも、リベリアの人たちを手術する。国境なき医師団は現地でいったいどういうことをしているのかわ…

『統合失調症』村井俊哉 岩波新書 感想

あらすじ・概要 精神疾患のひとつ、統合失調症。珍しくない病気でありながら、多くの人がこの病気を誤解している。まだ解明しきれていない統合失調症に関する仮説から、投薬治療、患者が社会に受け入れられるために医者ができることなど、一般の人にも役立つ…

『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』小田菜摘 角川文庫 感想

あらすじ・概要 医学校を卒業した翠珠は、ひょんなことから後宮で働くこととなる。翠珠は陰謀や噂が蔓延る後宮での労働にうんざりするものの、医術を通して妃たちの悩みを解決するうちに、彼女らの複雑な事情を知ることとなる。 人間観やジェンダー観がシビ…

『病が分断するアメリカ――公衆衛生と「自由」のジレンマ』平体由美 ちくま新書 感想

あらすじ・概要 先進国で最も新型コロナウイルスの被害が大きかったアメリカ。アメリカの反ワクチンや反マスクの思想から、アメリカの分断を語る。アメリカに蔓延する医療、政治への不信感の原因とは……。 公衆衛生に反抗する人たちの事情 楽しい内容の本では…

食品アレルギーの子どもを育てる上での悲喜こもごも―カラスヤサトシ『0歳からのアレルギー戦記~牛乳・卵・小麦がダメ!』

あらすじ・概要 結婚して子どもをもうけた著者。しかしその子どもには食品アレルギーがあった。アレルゲンを含む食品を避けたり、気軽に他人と食事できなかったり、アレルギーの子どもと暮らすことは大変なことも多く……。 食品アレルギーの子どもと暮らす人…

科学者だって間違うしその場の雰囲気に流される―藤野豊『強制不妊と優生保護法 "公益"に奪われたいのち』

あらすじ・概要 障害者やハンセン病の人々に不妊手術を施した悪法、優生保護法。その法律はどのように作られ、どのような歴史をたどったのか。優生保護法の現在までを振り返りながら、優生主義の恐ろしさ、愚かさを伝える本。 科学者だって過ちを犯す 薄い本…

人と見た目が変わってしまう病気にかかった人々の挫折、自己受容と前進―外山浩子『人は見た目!と言うけれど――私の顔で、自分らしく』

あらすじ・概要 アルビノ、脱毛症、小耳症……。人とは外見が違ってしまう病気にかかった人々。彼ら彼女らは、周囲の差別や偏見、また自分自身の葛藤に悩まされている。「見た目問題」を持つ当事者にインタビューし、著者がそれをまとめる。外見とは? 自分ら…

脳梗塞になった実体験を漫画家志望がコミカルに語る―あやめゴン太『33歳漫画家志望が脳梗塞になった話』

あらすじ・概要 ある日、仕事に行くときに左半身に違和感を覚えた著者。そのまま出勤してしまうが、すぐ病院に行き、そこで脳梗塞と診断される。一刻を争う状態と言われ即入院、治療とリハビリを開始することとなる。脳梗塞になった人だからこそ描ける、闘病…

自分を受容することから成長は始まる―細川貂々・水島広子『それでいい。自分を認めてラクになる対人関係入門』

あらすじ・概要 イラストレーターとして、漫画家として、実績を重ねながら、暗い思考に支配され、ネガティブ思考クイーンとして生きて来た著者。ある日、精神科医、水島広子から会ってみたいと言われる。そこで話したのは、対人関係療法という生きづらさを解…

エッセイ漫画家が骨髄ドナーになって体験した感情―水谷さるころ『骨髄ドナーやりました!』

あらすじ・概要 献血好きの気持ちが高じて骨髄ドナーにも登録していた著者。そんな著者の元に、骨髄ドナーマッチング成立の手紙がやってくる。入院までの検査や準備、手術と病院生活、骨髄提供後の暮らしなどを、コミックエッセイにして語る。骨髄提供の真実…

双極性障害の生活の悩みに質疑応答形式で答える―南中さくら『みんなの双極症 日常の悩みから最新知識まで』

あらすじ・概要 うつと躁の気分の波を繰り返し、生活に困難をきたす双極性障害(双極症)。最新の研究結果を踏まえ、薬の知識、生活や日常の悩み、恋愛や人間関係、逸脱行為への対処などを質疑応答形式で書く患者と家族のための本。

双極性障害を発見・治療・再発させないには―加藤忠史『双極性障害【第2版】―双極症Ⅰ型・Ⅱ型への対処と治療』

あらすじ・概要 活動的になる躁状態、意欲が低下しうつうつとするうつ状態を行き来し、生活に支障をきたす双極性障害。その発見、治療、維持療法はどのようなものなのか。双極性障害の患者や家族のために、使える薬剤や心理療法を解説する。

精神疾患をテーマにしたコミックエッセイおすすめ10選

精神疾患になったことがあるオタクが精神疾患のコミックエッセイを紹介します。双極性障害、統合失調症、うつ病、強迫性傷害など。

強迫神経症になって自分が信じられなくなった人の絶望とその治療―菊晴『几帳面だと思っていたら心の病気になっていました』

あらすじ・概要 几帳面で心配性だった著者。しかし鍵や火元の確認、手洗いなどを妄執的にやってしまうようになった。不安が過ぎてひきこもってしまった著者は、心療内科を受診する。そこで得た診断は「強迫神経症」だった。著者は病気を克服するためいろいろ…

不妊治療に挑戦した五年間の決断―海原こうめ『私が不妊治療をやめたわけ』

あらすじ・概要 30代前半に結婚した著者夫婦は、妻がチョコレート嚢胞を患ったことをきっかけに不妊治療を始める。しかしタイミング法ではなかなかできず、人工授精や顕微授精のステップに突入することに。質のいい卵子が採取できないことへの葛藤、男女の意…

不妊治療をする夫婦の心の揺れ動き―原田あきお&かよ『不妊治療、やめました~ふたり暮らしを決めた日~』

あらすじ・概要 子宮筋腫をきっかけに、子どもを作ることを決意した漫画家夫婦。しかし妻のかよは、子どもができにくい体質だった。一度の流産を経て、人工授精という西洋医学から、東洋医学漢方の漢方も試すが、結果は芳しくない。やがて体外受精しかないと…

現代に流行りやすい感染症とは―井上栄『感染症 増補版 広がり方と防ぎ方』

あらすじ・概要 何度も人類を危機にさらしてきた感染症。どんなときに感染症は広がるのか? 感染症の種類や伝播する過程を紹介し、正しく対処する方法を語る。感染症をきちんと恐れ、科学的知識で戦う本。

不健康な体で働く細胞たちの擬人化漫画―原田重光・初嘉屋一生『はたらく細胞BLACK』

あらすじ・概要 人体の細胞が人の形をしている世界。作られたばかりの赤血球は、これからの仕事に期待を膨らませていた。しかしその身体は、アルコールや喫煙、暴飲暴食によって蝕まれた不健康な体だった。過酷な労働に駆り立てられ、疲弊していく現場は多種…

卵巣がんになった漫画家が周囲の助けを借りつつ治療―藤河るり『元気になるシカ! アラフォーひとり暮らし、告知されました』

あらすじ・概要 BL漫画家である著者は、ある日卵巣に腫瘍が見つかり、がんを告知される。手術によって卵巣を切除し、抗がん剤治療をスタートすることとなった。家族や友人など、身の回りの人に支えられ、また悲しい別れを経験する。がんと闘う日々を描いたコ…

東園子・堀ノ内雅一『学習漫画 世界の伝記 NEXT エリザベス・ブラックウェル 運命を切り開いた世界で最初の女性医師』

あらすじ・概要 利発な女性、エリザベスは、「女性医師がいたらいいのに」というある女性の言葉から医師を目指す。しかし女性が入れる医学校はなかなか見つからず、ようやく医師になっても差別の連続。そんな現状を変えたいと、エリザベスは女性のための医学…

細胞面白ギャグだと思ってたら鬱アニメだった―『はたらく細胞BLACK』(アニメ版)

あらすじ・概要 細胞たちが人の姿をしている世界。赤血球になったばかりの青年は、これからの仕事に期待をふくらませていた。しかしその体の主は、暴飲暴食、アルコールやたばこの摂取、運動不足、徹夜など、不摂生な行動を繰り返した。そんな体の中で、細胞…

昔の病院の怖さがわかる―田中ひろみ『ナースは今日も眠れない!』

あらすじ・概要 親に美大に行くことを反対され、ナースを志すことにした著者。しかし看護学校の時代から、苦難の連続だった。過酷な実習、先輩からのいじめ、セクハラやパワハラ。しかも多くのナースが辞めていく消化器内科に入ってしまい、著者は環境の悪い…

伏線とその回収がすごいSFホラー―貴志祐介『天使の囀り』

あらすじ・概要 新聞社の企画のアマゾン旅から帰ってきた高梨は、徐々に「死」に執着するようになり自殺してしまった。高梨の恋人だった早苗は、高梨と道中を共にした学者たちが次々に不可解な自殺をしたことを知る。彼らは「天使の囀り」を聞いたという。早…

天然痘撲滅プロジェクトはものすごく泥臭かった―蟻田功『地球上から天然痘が消えた日』

tsutaya.tsite.jp 古い本でAmazonの在庫がないみたいだからツタヤのリンク貼っておきます。 あらすじ・概要 致死率20%の病気として世界中で猛威を振るってきた天然痘。その天然痘を撲滅するために、WHOはチームを組んだ。その一員だった著者が、各国での撲…

人類が感染症に、侵され戦い勝つ歴史―岡田晴恵『人類VS感染症』

あらすじ・概要 ペスト、天然痘、エイズ、風疹、インフルエンザ。何度も人類の前に立ちはだかり、甚大な被害を出してきた感染症。感染症と戦うために、人類は何をしてきたのか。感染症撲滅にかけた人々の行動や研究を紹介し、人と感染症の歴史を振り返る。