ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

親子

『虐待父がようやく死んだ』あらいぴろよ バンブーコミックスエッセイセレクション 感想

あらすじ・概要 暴力、暴言など、虐待家庭で育った著者。いつも殴られている母親のことを心配し、気にかけていた。大人になっても、虐待の記憶はよみがえり著者を苦しめる。やがて、著者は母親の歪みに気づくのだった。 虐待について話し合える人がいるのは…

『半ダース介護』井上きみどり 集英社 感想

あらすじ・概要 主婦として生活している女性は、夫側の家庭の複雑さゆえに、一気に6人もの老人の介護を一気にすることになる。自由奔放な彼らに振り回されながらも、必死に日々の世話を続ける。しかし、徐々に体の限界を感じるようになる。 早く福祉に頼って…

『心を病んだ父、神さまを信じる母』ゆめの イースト・プレス 感想

あらすじ・概要 キリスト教徒の母と、気難しく扱いづらい父。やがて父は統合失調症を発症し、一家は父の妄想に悩まされることとなる。不穏で気まずい家庭の中、母は神の教えを支えに生活していた。 すっきり終わらないが印象的なエッセイ すっきり終わらない…

『とある宗教に母が3億円お布施しまして』HARU 徳間書店

あらすじ・概要 明るい母が、カルト宗教にハマってしまった。裕福な祖父からお金をもらって高額な霊感商品を買い、家では宗教的な暴言を言う。おりしも引きこもりや不登校でばらばらだった著者家族は、母親だけではなく、自分たちとも向き合うこととなる。 …

『赤ちゃんと僕』羅川真里茂 全10巻 白泉社文庫

あらすじ・概要 事故で母親を亡くした一家は、父と息子ふたりで暮らしている。小学生の拓也は、いつも弟の実の面倒を見なければならない。まだ赤ちゃんの実は、とても手がかかる。拓也は実に振り回されつつも、学校や近所の人とふれあって成長していく。 幼…

『後宮の薬師 平安なぞとき診療日誌』小田菜摘 PHP文芸文庫 感想

あらすじ・概要 大陸から来た父から薬を学んだ薬師、安瑞蓮は、腕を買われて宮中に上がる。そこで、体の不自由な皇子に出会う。皇子の身体を診ているうちに、瑞蓮は、後宮の女性たちのいざこざや嫉妬に巻き込まれていく 体に障害を持つ皇子をめぐる女性の悲…

『精子バンクで出産しました!アセクシャルな私、選択的シングルマザーになる』華京院レイ・上村秀子 LScomic 感想

あらすじ・概要 アセクシャル(他人に恋愛感情を持たない人)で性別違和を抱えて生きてきた著者。自分が家族とのわだかまりを抱えていたことから、「家族が欲しい」と思い、精子バンクでの妊娠を目指す。精子バンクを使った妊娠のややこしさや、妊娠した後の…

『旦那が突然死んだので発達障害児を一人で育てることになりました』せせらぎ バンブーコミックス 感想

あらすじ・概要 突然伴侶を失い、悲しみにくれる著者。そんな中、子どもの発達障害が判明する。大黒柱として、家事労働者として働く一方、子どもの療育についても悩む必要が出てくる。てんやわんやの家庭で、著者が見いだした救いとは。 自分だけでは子育て…

『そして〈彼〉は〈彼女〉になった 安富教授と困った仲間たち』細川貂々 集英社 感想

あらすじ・概要 女装の東大教授、安冨歩とその相棒である「ふーちゃん」。彼等には抑圧的な親に悩まされ、生きづらさを抱えていたという共通点があった。過去の恋愛や結婚についての違和感を乗り越えて、自分らしい生き方を獲得していくふたりを描いた作品。…

『さよなら、子ども虐待』細川貂々・今一生 創元社 感想

あらすじ・概要 日本における子ども虐待は減ってはいない。子どものために何ができるのか。核家族化し、閉鎖的になる現代の家庭で、虐待を防ぐ対策について考える。親、子ども、地域社会が虐待をせず幸せに暮らせる世界を目指す。 まんがでわかる子ども虐待 …

『旦那が突然死にました』せせらぎ エムディーエムコーポレーション 感想

あらすじ・概要 ある日突然夫が急死し、著者は子どもたちとともに取り残される。愛する人を失った悲しみに襲われ、シングルマザーとしての子育てに奔走する毎日を送る。泣いたり笑ったりする日の中で、家族の死と向き合っていく。 好きな人を失うことは論理…

『母親に捨てられて残された子どもの話』菊屋きく子 KADOKAWA 感想

あらすじ・概要 主人公の家には母親がおらず、父と祖母と暮らしていた。家庭に興味のない父と、暴言を吐きながら主人公を育てる祖母。主人公は孤独にさいなまれる子ども時代を送る。父の再婚相手がやってきて、祖母が施設に行くことになってから、主人公も自…

『”隠れビッチ”やってました』あらいぴろよ 光文社 感想

あらすじ・概要 男性たちをもてあそび、振ることで歪んだ承認欲求を得ていた著者。一方で、絵での仕事がしたいと思いながらも、行動に移せない夢見る女性でもあった。著者が自分の内面に向き合い、自分と相手を大事にすることを学ぶと、人生が変わり始める …

『被害者家族と加害者家族 死刑をめぐる対話』原田正治・松本麗華 岩波ブックレット 感想

k あらすじ・概要 殺人事件の被害者の兄と、地下鉄サリン事件を起こした教祖の娘。彼らはお互いに何を感じ、何を語るのか。対話から見えてくる、現代日本の人権の問題、同調圧力やステレオタイプの押し付け。話すことによって問題を捉え直すことを試みる本。…

『かんもくって何なの!? しゃべれない日々を抜け出た私』モリナガアメ 合同出版

あらすじ・概要 特定の場所で話せなくなる病、かんもくになってしまった著者。機能不全に陥る家族の中で、必死に暮らしていた。大人になって、話せるようになっても、かんもくであること、親にまともに愛されなかったことを引きずって生きていた。 機能不全…

『キラキラしてない駐在妻はアメリカでどう暮らしたのか』倉くらの KDP 感想

あらすじ・概要 夫のアメリカ駐在についていったオタク妻は、そこでアメリカの文化に適応するため苦労する。子どもの教育のこと、夫の仕事のこと、日本人同士のつきあいのことなど、アメリカで暮らした人にしかわからないエピソード盛りだくさんのエッセイ。…

『旦那さんはアスペルガー』シリーズ 野波ツナ コスミック出版 感想

あらすじ・概要 子どもが小さいころは協力的で、子育ても積極的に行ってくれた夫。しかし無職になったことをきっかけに、家族の歯車は狂い始める。夫がアスペルガーと知り、たくさんの葛藤や悩みを乗り越え、ほどほどの距離感で付き合うようになったカサンド…

『親子テツ』細川貂々 朝日新聞出版 感想

あらすじ・概要 息子、ちーとくんが電車好きだったことから、自然と電車の名前を覚え、電車が好きになっていく著者。電車のおもちゃや、電車にまつわるおでかけなど、電車についてのコミックエッセイ。 電車好きになった家族の電車三昧の日々 著者がちーとく…

『びっくり妊娠なんとか出産』細川貂々 小学館 感想

あらすじ・概要 子どもを持つ機会がなく、ずっとふたりで生きていくのだろうと思っていた著者夫婦。だがある日偶然子どもを授かる。高齢出産のリスク、子どものいる生活への不慣れ、伴侶への不満など、妊娠から出産までもこもごもを書いたコミックエッセイ。…

『私だけ年を取っているみたいだ ヤングケアラーの再生日記』水谷緑 文芸春秋

[ あらすじ・概要 統合失調症の母親を持つ少女は、家の家事や、病気の母のケアを引き受けている。非協力的な父親や、病気を理解しない母親に悩まされながら学校生活を送っていた。大人になり、家から出た彼女は、社会と自分とのギャップに驚く 親を憎み切れ…

『いつになったらキレイになるの?~私のぐるぐる美容道~』田房永子 扶桑社BOOKS 感想

あらすじ・概要 自分の外見にコンプレックスがある著者。エステに行ってみたり、断食道場に行ってみたり、パーソナルカラー診断をやってみたり。嫌いだった親に似てくる自分を呪い、もがきながらも、自分の外見が好きになるとはどういうことなのか考える。 …

『ツレはパパ1年生』細川貂々 朝日新聞出版 感想

あらすじ・概要 30代後半にして親となった著者夫婦。専業主夫であるツレ氏は、そのままメインで育児を担当することとなる。大黒柱である著者と育児担当であるツレ氏のいさかいや、子どもの成長の喜びなど、子育ての大変さと楽しさを描いた作品。 生々しいけ…

『イタリア家族 風林火山』ヤマザキマリ ぶんか社 感想

あらすじ・概要 イタリア人男性と結婚し、イタリアで暮らすヤマザキマリ。個性的でパワフルすぎる家族に振り回される毎日をユーモラスに描く。著者と夫のプロポーズのエピソードや、ヤマザキマリが漫画家になったきっかけのエピソードも収録。 家族に振り回…

『ひまはアスパーガール』こだまちの 共同医書出版社 感想

あらすじ・概要 母娘ともに発達障害の家庭。著者は娘、ひまの空気の読めなさや態度の悪さを心配し、社会性を学ばせようとする。しかしなかなかそれは伝わらず……。焦ったり悩んだりしながらも、発達障害の子育てについて描く。 他罰的な子どもをどう育てれば…

【お金がない中で貧困を隠す子どもたち】NHKスペシャル取材班『高校生ワーキングプア「見えない貧困」の真実』感想

あらすじ・概要 貧困の中にいる高校たちがいる。進学費用を払えない、奨学金という借金を背負わされる、制服や体操服のおさがりを他人にねだる……等、苦難を続けている高校生たちに、NHKスペシャル取材班が会いに行く。 貧困の中で貧困を隠す子どもたち 貧困…

【気性の荒かった父親が老いて大人しくなった】竹之内淳子『父ちゃんの認知症パラダイス』感想

あらすじ・概要 偏屈でわがままだった父は、認知症になってからおとなしくなった。食べ物を上手く食べられなかったり、目的地にたどり着けなかったり、トイレに失敗したり。できないことが増えていく父との生活を、ユーモラスに描くコミックエッセイ。 のん…

【ヤングケアラーとなった少年の苦しみと後悔】美齊津康弘・吉田美紀子『48歳で認知症になった母』感想

あらすじ・概要 ある日から、母親の様子がおかしくなった。徘徊したり、一日中ひとりごとを言ったり。アルツハイマー型認知症と診断された母は、有効な治療法もなく、どんどん悪くなる一方だった。著者は徘徊する母を連れ戻したり、排泄の片づけをするうちに…

【「できない」発達障害の子どもたちをどう支えどう共存していくか】河原ノリエ『「ややこしい子」とともに生きる―特別支援教育を問う』

あらすじ・概要 じっとしていられない、読み書きや計算が極端にできない、友達付き合いがうまくいかない……。さまざまな問題を抱える発達障害の子どもたち。本人も周囲も、幸せになるにはどうすればいいのか。発達障害を持つ子を育てた著者が語る、「ややこし…

【実家に顔を出して認知症の父親を介護】あさとひわ『ねぼけノート』感想

あらすじ・概要 ある日、父親が「ぼけてしまいました」と言い出した。イラストレーターの著者は、実家に通って父親の様子を見に行くようになる。とぼけているようでどこかプライドが高くわがままな父と、その父に文句を言いながら自発的に動くのが苦手な母。…

【お酒、ゲーム、ギャンブル。当事者が描く依存症啓発漫画】三森みさ『母のお酒をやめさせたい』

あらすじ・概要 ある日から、家族の様子がおかしくなった。暴力的になったり、罵倒をしたり。うそを繰り返して家族を裏切る。それはどうやら、依存症が原因らしい。ギャンブル依存、ゲーム依存、アルコール依存など、さまざまな依存症を取り上げ、家族や本人…