ブックワームのひとりごと

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『被災地・神戸に生きる人びと 相談室から見た七年間』牧秀一 岩波ブックレット 感想

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被災地・神戸に生きる人びと: 相談室から見た7年間 (岩波ブックレット NO. 540)

 

あらすじ・概要

阪神大震災から七年後、相談室で被災者が語ったことを元に、復興と被災者の心について振り返る。人間関係のこと、住まいのこと、町並みや仕事のこと……。被災者のリアルを描く本。

 

7年後の神戸のリアルに考えさせられる

あえて悪いことを書いている部分もあるでしょうが、復興の裏側にある人々の葛藤や苦しみが知れて興味深ったです。

阪神大震災から七年後の神戸。そこに生きる人たちの悩みや葛藤を具体的なエピソードとともに語ります。

専門的な話というより読み物という感じですが、取っつきやすい内容だと思います。

災害対応における行政のミスも書かれています。

 

災害が起こったあと、「がんばって復興しよう」という流れになります。実際に、街の復興を心の支えにする人もいるので、安易に否定できるものではありません。

一方で、明るく前向きな復興ムードについていけない人もいます。明るい態度でいることを強いられるのは、同調圧力でしょう。

「がんばろう○○」という言葉を見るたびに、本当につらい目に遭っている人はがんばろうなど言っている場合ではないだろうなと思います。なのでこの場合「がんばる」のは余裕がある側の人間であり、被災者ではないと考えるのがよいでしょう。

 

人の心は複雑であり、被災者だからといって、同じことを考えているとは限りません。複雑な心を複雑なまま、受け止めることも大事なのではないかと思います。

 

 

るるぶ神戸'24

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