めっちゃおもしろかった。とにかく全人類見てくれ。
あらすじ
おばさんの誕生日プレゼントとして、飛び出す絵本をあげたいと思ったパディントン。ただし、それは高額だった。パディントンは、絵本を買うために仕事を始める。しかし、罠にはめられて強盗の冤罪をなすりつけられてしまい……。
終盤の怒涛の伏線回収
この作品でとにかくお伝えしたいのは、話の面白さです。
大きなあらすじだけを言えば、「悪者にはめられて冤罪をなすりつけられ、名誉回復のために奔走する」というシンプルなものなんですが、そこに至るまでの細かい伏線の積み重ねが丁寧です。
序盤の何気ないコメディシーンが終盤で意外な効力を発揮し、少し登場した道具がもう一度お話にかかわってきた瞬間、最高に快感を覚えました。脳内物質がどばどばでている気がする……。
二作目だから、一作目よりはつまらなくなってるかもしれないなと思って見に行ったんですが、杞憂でした。一作目より脚本がパワーアップしています。だから二作目から見ても大丈夫です!
「寛容」という美徳の大切さ
そういう圧倒的な面白さがありながら、子ども向けとしての道徳的な部分もクリアしてるのがよかったです。
パディントンのことを、「クマだから」という偏見で犯罪者扱いする人や、無意識に人を職業で差別してる居候先のお父さん。前者はあからさまですが、ちゃんと後者も描いてるところが誠実さがあると思います。何気ない偏見のほうが、つらいこともあるので。
けれどパディントンは、自分がどんな扱いをされても誠実さを失わず、礼儀正しいクマのままでいます。怒ることがあっても、暴力には訴えません。そういう高潔なところは、人としてあこがれます。
そして、間違いを犯しても、挽回するチャンスを与えられてるところが優しくて好きです。償いは償いとしてやらなければいけないけれど、取り返しがつかないわけではない。そういうところがいいですね。
「老い」へのさりげない対比
あとささやかな要素だったけれど、落ち目の俳優にして今作の悪役ブキャナンと、一家のお父さんの老いへの対比が印象的でした。
中年になって見た目を気にしだし、ヨガに通ったり美容パックをしだしたお父さんと、落ち目になったことを受け入れられず、犯罪によって巻き返そうとしたブキャナン。そのふたりの「老い」は少し似ていて、結構違います。
自分の体が衰えていくのは誰でも怖いものです。けれどブキャナンとお父さんを変えたのは、「大人」として周囲の人たちを守らなければならないという自負ではないかと思いました。
いつまでも若くいたいという願望そのものは悪いものではありません。でもやっぱり、心は大人でなくてはなりませんね。
まとめ
本当に最高に面白かったので全人類は今すぐ見てほしいです。公開初日に見てもっと宣伝すればよかった!
もっとヒットしてほしい作品です。