ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

日本

実は多種多様だったニッポンの「結婚」―瀬川清子『婚姻覚書』

今日の更新は、瀬川清子『婚姻覚書』です。 あらすじ・概要 日本における結婚とは何か。著者は日本の各地から結婚に関する文化、習俗、風習を収集。男が娘の家に通うもの、娘が男の家に通うもの、嫁の一時的な里帰りや、かまど神との関係などなど。婚姻制度…

雇用と社会保障の両輪で人々の生活を支える―宮本太郎『生活保障 排除しない社会へ』

今日の更新は、宮本太郎『生活保障 排除しない社会へ』です。 あらすじ・概要 男性を主な労働力とし、長期雇用や女性の家事労働によって家庭を支えるのが日本の福祉モデルだった。しかしながら、雇用の崩壊によって過去の福祉システムは使えなくなっている。…

メルカリで和装の羽織を買ってみたレポ 和洋折衷コーデで街を歩くと案外気楽

今回は、和装の羽織を買って着てみたときの記録をしたためました。羽織を買ってみるまでの経緯、着て街中を歩いてみた感想について話しております。羽織を買ってみたい人の参考になれば幸いです。 着物が着てみたい→ハードル高い→羽織買ってみるか 人に話し…

デマや不穏投書から見る銃後の人々―川島高峰『流言・投書の太平洋戦争』

今日の更新は、川島高峰『流言・投書の太平洋戦争』です。 あらすじ・概要 民衆を苦しめた太平洋戦争。戦地に行った兵隊を支える「銃後」の中で人々は何を考え、どう行動したのか。当時の流言・投書を『特高月報』や人々の日記から抜粋し、開戦から終戦まで…

自虐の皮をかぶった埼玉愛郷映画―『飛んで埼玉』

今日の更新は、『飛んで埼玉』です。 あらすじ・概要 娘の結納に向かう一家は、ラジオである都市伝説を聞く。かつて、埼玉県人は迫害され、東京に行くには通行手形が必要だった。白鵬王学院に転入したアメリカ帰りの麻実麗(あさみ・れい)は、生徒会長の壇…

「どうして敬語を使わなければいけないの?」という疑問に答える―橋本治『ちゃんと話すための敬語の本』

今日の更新は、橋本治『ちゃんと話すための敬語の本』です。 あらすじ・概要 親や先生は、「ちゃんと敬語を使いなさい」と言う。しかし、敬語は何のために使うものなのか。日本の敬語の歴史を紐解きつつ、現代の敬語が何のためにあるのかを解説する。そこに…

蝦夷の血を引く少年と男装の皇女が都を救う―荻原規子『薄紅天女 上・下』

今日の更新は、荻原規子『薄紅天女』再読感想です。 あらすじ・書籍概要 坂東に暮らす阿高と藤太。蝦夷との戦いが続く中、阿高は己に蝦夷の血が流れていることを知る。姿を消した阿高を追って、藤太は坂上田村麻呂とともに旅立つ。一方皇女である苑上(その…

日本とサウジの女の子がアメリカでルームシェア―ユペチカ『サトコとナダ』

今日の更新は、ユペチカ『サトコとナダ』です。 webでとびとびに読んでましたが、レンタルコミックで全巻出ていたのでまとめて借りてきました。 あらすじ・書籍概要 アメリカに留学したサトコは、サウジアラビアから来たナダとルームメイトになる。ムスリマ…

山岳ベースで犯された仲間殺しの罪―永田洋子『十六の墓標(下)―炎と死の青春』

今日の更新は、永田洋子『十六の墓標―炎と死の青春』です。 前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ・書籍概要 山岳ベースに移り、連合赤軍を結成した永田洋子ら。閉鎖的な環境の中で、総括・自己批判は暴力的な意味合いを強めていく。そ…

シベリア抑留から帰ってきた父親の戦後個人史―小熊英二『生きて帰ってきた男――ある日本兵の戦争と戦後』

今日の更新は、小熊英二『生きて帰ってきた男――ある日本兵の戦争と戦後』です。 あらすじ・書籍概要 北海道の佐呂間に生まれた少年謙二は、1944年に出征する。その先でシベリアへと連れていかれ、抑留生活が始まった。著者が自身の父から人生を聞き取り、補…

くまモンが実在する前提で描かれるゆるキャラ誕生秘話―森真理・三条和都『くまモン』

今日の更新は、小学館の伝記漫画『くまモン』です。 友人が読んでいて気になった本。 あらすじ・書籍概要 熊本をPRするために生まれてきたキャラ、くまモン。大阪や東京へ営業に行ったり、独自のプロモーションをしたりする中で、徐々に知名度を勝ち取ってい…

もしも愛した人が被差別部落の人だったら―齋藤直子『結婚差別の社会学』

今日の更新は齋藤直子『結婚差別の社会学』です。 あまり読まないジャンルの本だけれど、面白いと聞いて読んでみたくなりました。 あらすじ・書籍概要 「被差別部落出身だから」ということで結婚に反対される人々がいる。著者は実際に結婚差別を受けた部落出…

光に焦がれる少女と縛められた半神が出会う―荻原規子『空色勾玉』

今日の更新は、荻原規子『空色勾玉』です。 あらすじ・書籍概要 羽柴の村の少女狭也は、輝の大御神の子である半神、月代王(つきしろのおおきみ)に見初められ、采女として都に上がる。だが彼女は、闇の眷属だった。狭也は神殿に戒められた少年、稚羽矢と出…

過去作の続編以上のものではなかった―荻原規子『あまねく神竜住まう国』

今日の更新は、荻原規子『あまねく神龍住まう国』です。 あらすじ 流罪にされた少年頼朝は、なかば死ぬことを期待されて、危険な川の中州に住むことになる。そこにやってきたのは乳母を名乗る見知らぬ女性と、かつて出会った草十郎という青年だった。

江戸時代の女性画家はどう生きたか―パトリシア・フィスター『近世の女性画家たち―美術とジェンダー』

あらすじ・書籍概要 江戸に生きた女性画家たちは、女性ゆえに社会通念との軋轢に悩み、よりよい創作環境を模索していた。江戸時代から明治時代にかけて、絵を志した女性たちの人生を伝える本。

明治帝に仕えた女官が若い時代を回想する―山川三千子『女官 明治宮中出仕の記』

今日の更新は、山川三千子『女官 明治宮中出仕の記』です。 あらすじ・書籍概要 明治天皇と昭憲皇太后に仕えた女官が、当時のことを回想する。明治天皇と昭憲皇太后のひととなり、宮中の文化、女官として働くときの悩みなど、女官でしか語れない情報を記した…

着物を目で楽しむビジュアルブック―もこな『CLAMPもこなのオキモノキモノ』

今日の更新は、『CLAMPもこなのオキモノキモノ』です。 書籍概要 漫画家ユニットのCLAMPのひとりであるもこなが、デザインした着物や日常生活で着ている着物の写真を公開。対談も交えながら、着物の楽しさを綴っていく本。

御託はいいからみんなどろろを見てくれ

最近リメイク版のどろろにはまっているので、その宣伝を書きました。 ちなみに原作どろろには一通り目を通したことがあるけれど、だいぶ昔なのでかなり忘れてます。 あらすじ 盗みをしながら生活してる子ども、どろろは百鬼丸(ひゃっきまる)という少年に出…

父親が語るシベリア抑留―おざわゆき『凍りの掌 シベリア抑留記』

今日の更新は、おざわゆき『凍りの手』です。 シベリア抑留の話と聞いて気になった作品。 あらすじ 著者は父のシベリア抑留の話を漫画にしようと、聞き取りを始める。学徒出陣の対象者として満州に向かった著者の父は、終戦後ロシア軍にシベリアに連れていか…

面白いけど内向きなところはいただけない―牧野修『月世界小説』(ハヤカワ文庫)

今日の更新は、牧野修『月世界小説』です。 この装丁がかっこよくて気になっていた本。 あらすじ 友人とゲイパレードを見に来ていた菱谷修介は、突然怪物たちに襲われ、世界の終わりを見る。彼が逃げ込んだのは自分の妄想世界。あまたの妄想世界では、神と人…

これは理想の和製ファンタジー映画だ―『DESTINY 鎌倉ものがたり』感想

今日の更新は、『DESTINY 鎌倉ものがたり』です。 金曜ロードショーで放映されたので見た映画です。 あらすじ 年の離れた小説家正和に嫁いだ亜紀子。彼が住む鎌倉は、魔物や幽霊が普通に歩く街だった。人でないものを交えて平穏に暮らしていた中、亜紀子が事…

女子高生バンドが韓国留学生を引きずり込んで文化祭に出る―『リンダリンダリンダ』再試聴感想【AmazonPrimeビデオ】

今日の更新は、『リンダリンダリンダ』です。 学生時代に見たものを、再試聴。 あらすじ 喧嘩別れしてしまった女子高生のガールズバンドは、文化祭に出るために韓国の留学生ソンを引きずり込む。コピーするのはブルーハーツの曲。果たして文化祭に間に合わせ…

描写は好きだけどちょっと物足りない―乾緑朗『機巧のイヴ』感想

今日の更新は、乾緑郎『機巧のイヴ』です。 レビューを見かけて面白そうだったので読んだ本。 あらすじ 江戸風の世界。天府という首都に、伊武(いう゛)という人形がいた。彼女は人間のようにふるまい、人間のように話すことができる。伊武には、天帝家にま…

日本文化×不思議の世界を味わおう! 和風ファンタジーおすすめ13選

素材:イラストAC(歩夢) https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=UcZy0agl&area=1 今日の更新は、和風ファンタジーのおすすめまとめです。 おすすめ記事を見ているとき、和風ファンタジーに特化したまとめはあまりなかったので、自分で書いてみま…

半休取って平日の午後に行け~大阪人による「京のかたな」混雑回避情報~

京都国立博物館(以下、キョーハク)の「京のかたな」の展覧会を見てきましたよ。 工夫して混雑を回避することができたので、今回はそのお話をします。

トラクターの技術は世界をどう変えたか―藤原辰史『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』感想

今日の更新は藤原辰史『トラクターの世界史』の感想です。 とあるブログで紹介されていて興味を持った本です。 書籍概要 畑を自動で耕す道具、トラクター。その発達は農業だけでなく、社会全体を変えた。各国のトラクターの歴史を振り返りつつ、トラクターが…

ファッションに興味がなくても楽しい着物語り―松田恵美『きもの番長2 コーディネイトレッスン編』感想

今日の更新は、松田恵美『きもの番長2 コーディネイトレッスン編』です。 1の記事はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com 書籍概要 着物に興味を持ったけれど、どうやってコーディネイトすればいいのかわからない。そんな人たちのために、着物や帯、小物の…

古代日本で日の神と水の神が争う 香村日南『蛇神の祈り』感想

蛇の話を読むシリーズ。 あらすじ 古代の大和(奈良)。そこでは水の神を奉じるものと、日の神を奉じるものとの争いがあった。誉田大王(ほむたのおおきみ)の息子として生まれた稚彦王子は、死のうとしている少女と出会うが……。

花丸な男士たちの花丸な日々 『続 刀剣乱舞―花丸―』感想

そういえば見ていたのに感想を書いていなかったな、と思いまして。 あらすじ 前作で修行に旅立った大和守安定。彼を待つ加州清光は、新しい刀のお世話係に任命される。新しい刀が増え、新しい一年が始まる。刀剣男士たちはどのように季節を過ごしているのか……

ジェンダーあやふや和風伝奇漫画 枝屋初『ばけむこ』を読んでください

基本的に漫画は完結後まとめて感想を書いているんですが、この漫画は売れて続きが出てほしいので今! 感想を書きます。 少しだけネタバレ(全部ではないですが)なので気にする方は今すぐ買って読んでください。 comic.pixiv.net あらすじ 女性が短命な一族…