一冊完結のライトノベルのおすすめに出ていた本です。このイラストの絵柄、好みです。
あらすじ
内気な少女、有星結恵は顧問の蜂谷巴に誘われ、廃部寸前のフェンシング部に入部。しかし彼女には、先端恐怖症という大きなハンデがあった。団体戦に出場するため、巴とフェンシング部のメンバーたちは結恵をフェンサー(フェンシング選手)に育て上げようとする。
情報量の濃いスポ根小説
ライトノベルは話を分かりやすくするために、一冊の中の情報量が少なくなりがちなんですが、これは展開に重厚感があって面白かったです。
初心者、結恵の成長を軸に、フェンシング部のメンバーの優しさ、フェンシングという競技の面白さ、そして心を震わせてくれるライバルとの出会いが、詰め込まれていて面白かったです。
デビュー作ということで、多少展開に引っかかる部分もあったけれど、それでも多くの要素を詰め込んで破綻せずに書ききってのけたのはすごいと思います。
この作家の本ならもう一冊読んでみたい、そう思える作品でした。
コミカルだけれど硬派なキャラクター
ライトノベルらしいコミカルさがありながら、中身は硬派なキャラクターも良かったです。
楽しい掛け合いをしつつも、基本は「フェンシングで勝ちたい」という気持ちが一番大事にされているところが、スポ根らしくて楽しめました。
淡い恋愛要素もあるけれど、あくまでそれはスポ根ストーリーを邪魔しない程度のもので、どこまでも硬派だなと思いました。
あと、女性読者としては男キャラの性格がかっこいいのもうれしいですね。恋愛ものではないのにきゅんと来ます。
唯一の欠点は続刊がないところですね。なかなかライトノベルでは売れにくそうなテーマなので仕方がないかもしれません。
まとめ
おそらく続刊が出ることはないだろうけれど、もう一冊読んでみたいと思える作品でした。他に面白そうな作品があったら、お礼課金をしようかな。
こういう作品に出会えるからライトノベルは楽しいですね。