ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

青春というファンタジー空想空間―古谷兎丸・乙一『少年少女漂流記』

今日の更新は、古谷兎丸・乙一『少年少女漂流記』です。 あらすじ 孤立、親との関係、ダイエット。悩みを抱える少年少女たち。彼らの心はファンタジックな風景を生み出す。小説家の乙一と漫画家の古谷兎丸の合作である連作青春短編。

ふたたび呼びだされたバーティミアス―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 上』

今日の感想は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス ゴーレムの目 上』です。 前回の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 政府の国家保安庁に就職し、爆破事件を担当することになったジョン・マンドレイクことナサニエル。解決できなけれ…

こんなことってある!? うならされた本―カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』

今日の更新は、カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』です。 あらすじ 上海の租界で育った主人公クリストファー・バンクス。彼は探偵となって謎の失踪をとげた両親を探していた。あまたの難事件を解決して上海に戻ってきた彼は、そこで両親の失踪…

性格の悪い妖精の女の子が妖精に拾われる―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇2』

今日の更新は、嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇2』です。 あらすじ 生まれたばかりのウォーライク、ルテティアは、同じウォーライクのジルベールに拾われる。そこに東洋人の頼道も転がり込んできて……。中編を二編収録した番外編本。

胸キュン必至! 恋愛ライトノベルおすすめ7選

素材:Canva(https://www.canva.com/) 今日の更新は、恋愛ライトノベルおすすめまとめです。 あまりフィクションの恋愛に関心のない人間なんですけれど、それでもときどき「面白いな」と思うものがあります。 今回はそれをまとめてみました。 『ヴァンパイ…

材質がしっかりしていていい!「フレンズヒル トートバック ロゴみやけさん」レビュー

トートバックを買ったのでそのレビューです。 「ロゴみやけさん」って不思議なネーミングだな…(絵柄の名前みたいです)

しみじみさつきの扱いの悪さが謎―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精5』

今日の更新は、『彼女は戦争妖精5』です。 あらすじ 伊織の叔父、頼道が帰国した。彼と共にウォーライクの記憶を失ったパトリックと対面する伊織だが、その姿に罪悪感を感じてしまう。一方で、伊織は謎の少女に襲われる。ウォーライクを圧倒するほどの力を…

女性男性の共同育児をクールに見つめる―うめ『イクメンと呼ばないで ニブンノイクジ』

今日の更新は、うめ『イクメンと呼ばないで ニブンノイクジ』です。 あらすじ 漫画家のうめこと妹尾朝子と小沢高広。夫婦で漫画を描いているふたりに子どもができた。ふたりで五分五分の家事と育児をするうちに、「育児の世界」が女性中心に作られていること…

人間を助けてしまうバーティミアスが愛しい―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 下』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 下』です。 あらすじ ナサニエルは、復讐のためエリート魔術師ラブレースの陰謀を暴こうとする。それにしぶしぶ従うバーティミアス。サマルカンドのアミュレットは、何のために使…

ふざけるならまじめにやれ―草野原々『最後にして最初のアイドル』

今日の更新は、草野原々『最後にして最初のアイドル』です。 あらすじ アイドル活動をするために少女が自己改造を繰り返す表題作、ガチャで生活崩壊した少女が転生して進化していく『エヴォルーションがーるず』、声優の力を使って宇宙を進むスペースオペラ…

短編集でもキャラが濃い少女妖精たち―嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇1』

今日の更新は、嬉野秋彦『彼女は戦争妖精 小詩篇1』です。 あらすじ 父に関する手がかりを探すため、父の恩師を訪ねる伊織。出張ホスト由良賢二とマラハイドとの出会い。パトリックとの戦闘で傷ついた伊織の世話をする常葉……。本編では描かれなかったストー…

かっこいい危機と自業自得な危機と―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 中』の感想です。 前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com 巻が進むにつれて表紙のポーズが変わるのかっこいいですね。 あらすじ 敵に捕まってしまったバーティミアス。…

性格の悪い少年が妖霊を召喚して秘宝を盗む―ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝 上』

今日の更新は、ジョナサン・ストラウド『バーティミアス サマルカンドの秘宝』の再読感想です。 あらすじ ジンのバーティミアスを召喚したのは、十二歳の少年魔術師ナサニエル。彼は自分に恥をかかせた魔術師に復讐すべく、バーティミアスにアミュレットを盗…

敏感さを知り、敏感さとともに生きる―長沼睦雄『敏感すぎる自分を好きになれる本』

今日の更新は、長沼睦雄『敏感すぎる自分を好きになれる本』です。 書籍概要 他人の気分に左右されやすい、人ごみにいると疲れやすい。そんな、敏感な人は実はHSPかもしれない。どうしたら自分の敏感さと付き合っていけるか、具体的なアイデアを紹介する。

女子高生とおじさんが入れ替わり、性のゆらぎを感じる―ヤマシタトモコ『WHITE NOTE PAD』

今日の更新は、ヤマシタトモコ『WHITE NOTE PAD』です。 あらすじ ある日中身が入れ替わったおじさん木根と女子高生葉菜。入れ替わったまま一年が過ぎ偶然ふたりは再会する。モデルになった葉菜(木根)の計らいで、木根(葉菜)は彼女の所属する雑誌の編集…

泥臭さが楽しいものづくり映画―『カメラを止めるな!』

金曜ロードショーで『カメラを止めるな!』を見ていました。 ネタバレはできるだけ伏せたけれども、何も知らずに見たほうが楽しいので、未見の人はブラウザバックしてね! あらすじ 田舎の廃墟でゾンビ映画を撮影中の一行。監督は本物の表情を取りたいと躍起…

女性用のズボンにスマホは入らないのか?自分のジーンズで試してみた

Twitterで興味深いツイートを見かけました。 『女の人がバッグも持たす走って逃げたあと友達に連絡する』シーンを書いたら『何故スマホを持ってるの?』と指摘された。ポケットに入ってたでいいと思ったんだけど……『女性用のジーンズのポケットにはスマホは…

着物を目で楽しむビジュアルブック―もこな『CLAMPもこなのオキモノキモノ』

今日の更新は、『CLAMPもこなのオキモノキモノ』です。 書籍概要 漫画家ユニットのCLAMPのひとりであるもこなが、デザインした着物や日常生活で着ている着物の写真を公開。対談も交えながら、着物の楽しさを綴っていく本。

本好きのための、本代節約テクニック

素材:ぱくたそ(https://www.pakutaso.com/) 今日の更新は、本好きのための本代節約テクニックについて語ります。 とは言っても 「図書館を使え」と言ってしまえば終了してしまう話なので、今回は新刊、もしくは正規の電子書籍で読める方法をご紹介します。

異常なのは主人公か、それとも世界か―村田沙耶香『コンビニ人間』

今日の更新は、村田沙耶香『コンビニ人間』です。 あらすじ 18年間コンビニ店員を続けていた女性、古倉。彼女はコンビニでしか生きていけなかった。そんな中、彼女のいるコンビニに白羽というアルバイトの男がやってくる。他人を見下し、周囲に攻撃的な彼…

BOOTHの匿名配送「あんしんBOOTHパック」を使ってみた感想!

素材:Canva 今日の更新は、BOOTHの「あんしんBOOTHパック」を使ってみたのでその感想です。 「あんしんBOOTHパック」とは、BOOTHの匿名配送サービスです。 相手に住所を教えずに発送できて、追跡もできるというおまけつき。 実際に使ってみた雑感をお伝えし…

「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」を見てきたレポ

久しぶりに美術館に行ってきました。 「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」(以下「超絶技巧展」)の感想です。 www.aham.jp 概要 明治時代は工芸の超絶技巧が花開いた時代だった。七宝、漆、自在など、明治工芸と現代アートとを比較し、「超絶技巧…

描写力によって「絵で語る」飯テロ漫画―鈴木小波『ホクサイと飯』

今日の更新は、鈴木小波『ホクサイと飯』です。 あらすじ 売れない駆け出し漫画家の山田ブン。うまくいかない創作活動に悩みつつ、彼女は料理をする。ぬいぐるみのホクサイを相手に、今日もおいしいものを食べるのだった……。

パロディ過多な演出に笑った―ボンボヤージュ『旅ボン 大阪編』

今日の更新は、ボンボヤージュ『旅ボン 大阪編』です。 あらすじ 大阪の本を出すことになったイラストレーターのボンボヤージュ。三回に分けて大阪に出向き、その観光地を巡る。大阪城や道頓堀、新世界など、「べた」な世界を楽しむ一行なのだった……。

ビターではあるけどバッドではない―『ラ・ラ・ランド』

録画していた『ラ・ラ・ランド』を見ました。 あらすじ 女優を目指していたミアは何度もオーディションを受けていたが、落ちてばかり。ある日、ミアは店で聞いたセブ(セバスチャン)のピアノに魅せられる。ふたりは惹かれ合い付き合うようになるが、セブが…

子どもの自活のための家事本―アントラム栢木利美『13歳からの家事のきほん46』

今日の感想は、アントラム栢木利美『13歳からの家事のきほん46』です。 書籍概要 普段何気なくやっている家事。もっと効率的にやるにはどうしたらいいのだろうか。ローティーン向けにイラストを使用しつつ。家事の基礎を語る本。