ブックワームのひとりごと

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ミソジニスト男を首ちょんぱする悪女―オスカー・ワイルド『サロメ』(光文社古典新訳文庫)

サロメ (光文社古典新訳文庫)
今日の更新は、オスカー・ワイルド『サロメ』です。
友人がFGOのサロメについて話していたので読んでみました。

あらすじ・書籍概要

ヘロデ王の娘サロメは、牢につながれた預言者ヨカナーンと出会う。彼に好意を持つサロメだったが、ヨカナーンは彼女を罵倒する。サロメは父に、踊りと引き換えにヨカナーンの首を所望する。

正しい人間の残酷さとサロメの激情

ときどきフェミニズム的な批判を目にする作品ではあるけれど、自分で読んでみて「ミソジニストの男を首ちょんぱしてやったー!」っていう展開は通快で結構楽しかったです。
思い通りにならない相手を死によって思い通りにしてしまいたいという願望は正直わかります。そりゃやっちゃいけないけれど、本当にそうできたらめちゃくちゃ楽ですよね。

サロメにとって王の娘であることも、女であることも、美しいということも、サロメ自身の責任ではありません。それなのにヨカナーンはそれを平気で批判します。そこには正しい人間の残酷さがあります。ストーリー的に悪役なのはサロメの方ですが、正直殺意を抱かれてもしかたがないと思います。

憎悪と性的欲求をごっちゃにしてしまうサロメの幼く残酷で美しい激情。こうも感情を表せたら楽しいだろうと思う一方で、彼女はこの方法でしかヨカナーンを手に入れられないと思うともの悲しいです。

まとめ

短い戯曲だけれど面白かったです。舞台で見るとまた違った印象を受けるでしょうね。観劇してみたいです。
オスカー・ワイルドの他の作品も読んでみたくなりました。

サロメ (光文社古典新訳文庫)

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サロメ (岩波文庫)

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