ブックワームのひとりごと

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ひねくれものの少年は口先だけで王様を目指す 秋目人『騙王』感想

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読みは「かたりおう」です。

振り仮名がなければ一発で読めないですね……。

騙王 (メディアワークス文庫)

 

あらすじ

妾腹の王子、フィッツラルド。彼は王になるべく商人、姫君、敵国の将軍と口先三寸で戦います。王になりたい彼の出生の秘密とは。そして王は誰を世継ぎに選ぶのでしょうか。

 

いい根性したキャラが多くて楽しい

性格の悪いキャラクターを書くのがとても上手な人です。メインヒロインの美人で苦労している姫君が、立場が上であろう主人公にずけずけ言ったり、政略結婚を利用する気満々なのが最高。このヒロインだけで読む価値があります。こういう女の子大好きなんですよね。男の意のままにならない感じ!

一人を除いて腹に何かしら持っている人ばかりなので、そういう人たちが会話によって妥協し、利用しあい、協力し、戦うところが面白かったです。そんな感じで言葉がメインとなった話なので、会話文が多めです。

明るい話ではありませんが、痛快感は感じるのでストレス発散にいいです。主人公補正で上手くいっているところももちろんありますが、エンターテイメント性が強くて楽しかったです。

 

顔の見えない主人公

もう一つ、表紙のイラストを顔の見えない構図にしたのがセンスがいいなと思いました。

主人公は「イケメンではない」設定です。顔を隠すことによって「この物語に主人公の美醜は関係ない」という感じがして、ちゃんと内容を尊重してるな、とうれしくなりました。

と思ったら二冊目で顔出てる。イケメンじゃないかよ。

謀王<騙王> (メディアワークス文庫)

 

まあそれは色んな人に本を売るうえで仕方がないのかもしれません。ちょっとがっかりですね……。

デビュー作なので多少は文章に違和感があります。これ以後の本は改善しているとありがたいですね。

 

まとめ

デビュー作なので荒いところもありましたが、痛快な内容で面白かったです。キャラクターが一癖も二癖もあるのが読んでて飽きなかったです。性格の悪いキャラが好きな人におすすめ。

機会があれば続刊も読んでみたいですね。

騙王 (メディアワークス文庫)

騙王 (メディアワークス文庫)