前に描いた本好きあるあるまんがで、読んでないのにネタにしてしまったのでお詫びに読みました。
あらすじ
めきめきと上達を始めたオペラ座の歌手、クリスティーヌ。彼女はどうやら、「天使」と呼ばれる謎の声とレッスンをしているようだった。同時にオペラ座の中では、ある噂がささやかれていた。ここには「怪人(ファントム)」がいる……。
怪人がヤンデレでやばい
まず怪人のヤンデレっぷりが恐ろしいです。ミュージカル映画版はこれでもライトになったほうだということがわかりました。
クリスティーヌに対する感情が崇拝→憎悪→泣き落としと感情がコロコロ変わっていくのが怖くもあり、またかわいそうでもありました。
怪人がやったことは、フォローしようがないほど邪悪なんですが、それでも醜い彼に倫理観を教えてあげる人はひとりもいなかったんだろうな……と思うと、やりきれないものがあります。
この作品や『孤島の鬼』のことを考えると、「恋に狂う人」というテーマは昔からあったもので、あとから人々が「ヤンデレ」という名前を付けたにすぎないのだと感じます。
訳が現代的で読みやすい
この本でもうひとつよかったところは、非常に訳が現代的で読みやすかったことです。翻訳の癖が少なく、漢字とひらがなのバランスがよくて、海外文学をとっつきにくいと感じている人にもおすすめしやすい訳でした。
どこかで聞いた名前だと思ったら、岩波少年文庫のホラー短編集を編集・訳した方だったんですね。こちらもおすすめです。
翻訳が現代的すぎて雰囲気が出ない、と思う人もいそうだけれど、こういう現代的な訳も必要だと思います。
まとめ
予想以上に面白かったです。ヤンデレに興味がある人はぜひ読んでほしいです。
翻訳も読みやすいので、ちょっと長いけど気軽にチャレンジしてみてください。
こちらもどうぞ。