Twitterの知り合いがおすすめしていて、ちょうどKindleセール中だったので衝動買いしてしまいました。
あらすじ
いたはずの「弟」がいなくなった。主人公莉莉(りり)は憑き物を落としたり探し物をしたりしているという男を訪ねた。その彼晴(はる)は、あやかしの傷を癒す能力の持ち主だった。彼と双子の幽霊、嵐に弟のいた証拠を持って来いと言われ、莉莉は必死でそれを探す。
二次元的だけれど、地に足がついている
この作品で好きなのは、おそらく主人公の恋愛相手になるだろう晴の人物描写です。
ツンデレ、特殊能力者、実はだめ男、イケメン、と二次元的な設定がそろい踏みなんですが、それでいて地に足の着いた、親しみの持てるキャラクターになっています。
性格描写が説明不足で困惑することもないし、語りすぎてうっとおしくなることもありません。非常にバランスが取れていてよかったです。
そして晴が、基本的に善意の人でありながら、それを押しつけがましく示さないのが大人でいいです。胸キュンするというよりも、「こんないい人なら人間性に惚れてしまうよな」と納得してしまうキャラクターでした。
そのいい人っぷりがありつつ日常生活ではだめなので、そのギャップも面白いです。
物語の運びが自然
もう一つ良かったのが、設定の出し方が自然だったことです。
たとえば主人公の莉莉は母子家庭で、母親は俳優です。それがさりげなくストーリーに関わってくるところが無駄がありません。
他にも脇役キャラのちょっとした設定が物語に深みを加えていて、そこを読むのが面白かったです。
設定をただ「あるもの」ではなく、きちんと物語の中に組み込み、生かしているところは非常に上手いと感じました。
設定だけ見れば特別尖った作品というわけではないんですが、人物描写や設定の無駄のなさゆえに、ストレスなく読み進めることができました。
まとめ
無駄のない、バランスのとれた話でした。
晴と莉莉が今後どうなるかも気になるので、少しずつ読み進めていければいいなと思います。

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