ブックワームのひとりごと

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わからないけれどわかろうとしたい異文化 青木保『異文化理解』感想

異文化理解 (岩波新書)

久しぶりに新書が買いたくなって楽天koboで買いました。岩波新書は信頼感があっていいです。

 

書籍概要

世界中がグローバル化しつづける現代。それと同時に、文化の違いが争いを招いている。文化人類学者の著者が、他の文化を理解するためにどうすればいいのか、手掛かりをさがす方法を語る本。

 

日本は異文化に満ち溢れている

この本を読んで思ったのは、日本はすでにたくさんの異文化を内包しているということです。外国からの出稼ぎはもちろん、本州の人とは微妙に出自が違うアイヌ人や沖縄の人のこともあります。

受け入れる受け入れない以前に、すでに当たり前のものとして異文化はある。それなのに、普段それを忘れがちなのは、どうにも「日本は単一的な国だ」という固定観念があるからですね。

民族的・宗教的ステレオタイプから距離を置くことは、自分の文化に対する固定観念を打破するきっかけにもなります。

相手を知ることは、自分を知ることのきっかけにもなるのだなと思いました。

 

異文化理解の長く険しい道のり

一方で、「異文化理解」はとても険しい道のりです。

文化の中にいる本人は、結構あいまいにその文化に触れています。たとえば日本人が、食べ物を大切にするのも、明確に説明するとなれば難しいです。

文化人類学者は、そのあいまいな文化の中からなんとか言葉にできるものを見つけ出し、研究するのが仕事です。

それは日常レベルの文化交流でも一緒で、「よくわからない」異文化をどうにか「わかる」ものにしようと試行錯誤する過程こそに、異文化理解の真髄があるのではないでしょうか。

語り口は優しいですが、かなり難しい本だったので、著者の他の本を読み比べてもう少し検討したいところです。

 

まとめ

難しかったですが、異文化理解の難しさ、そしてその大切さがわかりました。

正直理解しきれていない部分もあるので、読み比べてみてもっときちんと頭の中に入れたいです。

異文化理解 (岩波新書)

異文化理解 (岩波新書)

 
「日本文化論」の変容―戦後日本の文化とアイデンティティー (中公文庫)
 

 

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