年末年始の再放送で見てました。でも録画しのがしたので何話かオンデマンドで買いました。
あらすじ
就職に失敗し派遣社員として働いていた女性、みくり。派遣切りに遭い無職になったところを、会社員の津崎平匡の家事代行として働くことになる。しかし両親が田舎に引っ越すことになり、町に残るか、田舎についていくか選択を迫られたみくりは、平匡に「雇用関係としての結婚」を提案する。
改変されつつも原作のエッセンスは残している
漫画版は常にストーリーが迷走気味だったけれど(そこが『逃げ恥』らしくていいんですが)ドラマ版はテーマも展開も整理され、わかりやすくなっていると感じました。
ストーリーそのものは結構改変されていて、特に終盤は原作にない展開が多いです。映像映えしないシーンもかなりカットされていました。けれど原作のエッセンスがきちんと重視されていて、違和感はありませんでした。
逃げ恥の共感できるところは、真面目な人が真面目であるがゆえに生きづらさを感じるところだろうと思うんですが、そこをきっちり抑えて人物描写がなされていてよかったです。
原作を変えても「逃げ恥らしさ」はきちんと押さえている、優秀な実写化だと思いました。
イケメンだけど不器用な風見好き
原作では風見が好きだったんですけれど、ドラマ版を見てさらに好きになりました。
みくりに対する態度を見ていると、相手に好かれようとちゃんと努力するタイプなんだろうなと思います。でもなまじ見た目がチャラくてイケメンなので、あまり本気にしてもらえないという。
百合に思いを打ち明けて、「おばさんをからかわないの」と言われた風見がかわいそうすぎましたね……。きっと何度もこうして、本気にしてもらえない言葉があったんだろうなあ。
結婚に対して「欲しくないものをわざわざ買う?」という言葉は、辛辣ではあるけれども、異性を「所有」することに関心がない表れでもあると思います。好きだけど、自分のものにしたいとはあまり思わないタイプなのではないでしょうか。
月並みだけれど尊いエンディング
相手への愛だけでは無理で、話し合い、リスペクトしあうことで、乗り切っていくしかないという結論でした。
結婚するでもなく、しないでもなく、「どんなふうにでも生きていける」とふたりに言わせることによってハッピーエンドとするのが、優しい結末だったと思います。
「あなたとならなんとかなる」というのは月並みな言葉だけれど、うまく生きるためにあがき、お互いを必要としてきたみくりと平匡がたどり着いた結論だと思うと、重みが違いますね。
結論なんて月並みでいい。かけがえのない過程があるのなら。そしてその過程は、これからも続いていく。そう思わせてくれるドラマでした。
まとめ
原作を知っている人にも、知らない人にも面白い、とても優秀な実写化だと思います。
原作よりわかりやすくなっているので、まずはドラマ版を見るのがいいかもしれません。