今日は小島瓔礼『蛇の宇宙誌』の感想です。
蛇について調べるシリーズです。この表紙ちょっとおっかないですね。
書籍概要
あるところでは忌まれ、あるところでは畏怖された、蛇という生き物。世界各地の伝説や言い伝えを紹介し、人間社会の中で蛇がどのように認識されていたかを語る民俗学本。
情報量が多くて面白い
情報量が多くて参考になる部分が多かったです。蛇についていろいろな伝説や、言い伝えが知れるところがいいです。
他の本では見かけない、かなりマイナーな情報も多く、新鮮でした。がっつり参考文献リストも載っているので、裏を取りたいときも安心です。
読んでいて思ったのは、蛇と「水」「財宝」の結びつきはかなり多くの地域で見られるのだなということです。水はにょろにょろした流れるような姿から、財宝はネズミを捕る→穀物を守る→富を守るの連想からですかね。
この、発想の共通性は、面白いところです。
あと個人的にツチノコの項目が面白かったです。ツチノコ的なものは、昔から伝承にあったんですね。最初は見間違いかもしれないんですが、言い伝えとして残るなら、なんらかの共通認識はあったのでしょう。
情報量が多い一方で、基本的に「こういう話がある」という列挙が主なので、特定のエピソードについて深く知りたい人向きではないかなあと思います。
逆に、私みたいに、蛇の話のネタを探しているタイプの人であれば、面白いのではないでしょうか。
まとめ
文章量が多くて読むのが大変でしたが、面白かったです。民俗学の中の蛇を調べたい人には、いい本なのではないでしょうか。
参考文献が章ごとにきっちり載っているので、裏がとりたい人にもおすすめです。