今日の更新は、猫田ゆう『大阪デパ地下激戦区で働いてます。』です。
あらすじ・概要
デパ地下で蜂蜜を販売する店に就職した著者。人見知りなのに接客業に携わってしまい、最初は失敗の連続だった。しかし、来客の褒め言葉や、同僚の励ましを支えに少しずつ上達していく。「デパ地下の店員さん」がどんなふうに働いているのかわかるコミックエッセイ。
接客業の喜びを描いた前向きな作品
接客業というとクレーマーや長時間労働など、暗い話題が多いです。それだけに接客業のいい面をしっかり描いてくれたのが安心しました。
特に、著者が同じ蜂蜜を2個買った客に「こちらのほうがお得ですよ」とチューブ型の大きい蜂蜜をおすすめするシーンが印象的でした。後日、そのお客さんはわざわざ「チューブ型の蜂蜜が使いやすかった」と電話でお礼をくれます。
このような、実際にお礼を伝えてくれる人がいるのが、接客業のよさですよね。私は今そういうお礼をもらう機会のない、会社の奥まったところで仕事をしているので少しうらやましいです。
デパ地下の店員ならではの話題があるのも面白かったです。
年末に福袋を作るシーンは、「あれ店員さんが作ってたんだ!?」と思いました。どこかの工場みたいなところでまとめて作っているのかと。
みんなが大晦日を楽しんでいるころ、店員さんたちはひたすら福袋の制作に追われる……という、世知辛い事実を知りました。
それから催事で店舗をひとりで回さなければいけないとき、近くの店舗の店員さんのみんなが助けてくれるところが少年漫画のようで熱かったです。会社的にはライバル店舗なのだろうけれど、同じデパ地下の同志なんですね。
『大阪デパ地下激戦区で働いてます。』まとめ
全体的に「デパ地下で働いている人だからこそ描けること」が多くて楽しめました。接客業に興味がある人にはおすすめです。
作品を通して前向きで明るいのもよかったです。