ブックワームのひとりごと

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大人たちの報連相不全のとばっちりを受ける―『マリーゴールド』【ネタバレあり】

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今日の更新は、はじめての繭期企画で見た『マリーゴールド』です。

Amazonに在庫がないせいか編集画面でうまく画像が引っ張ってこれませんでした。とりあえず画像なしで……。

 

あらすじ・概要

吸血種と人間の混血、ダンピールの少女ガーベラは母親のアナベルによって家に閉じ込められて育った。ある日、アナベルの作家名ダリ・デリコのファンであるというふたりの少年が現れる。ふたりはガーベラに興味を持ち、何かと気にかけているようだが……。

 

大人たちに振り回されるガーベラかわいそう

トゥルーエンドが見えているのに実際に迎えられたのがバットエンド、という感じの話でした。

そもそもガーベラは永遠の命を求めていないので、アナベルがTRUMPを信仰する原初信仰にドはまりしているのもダリ・デリコという名前で吸血種の話を書いていることも、無駄なことだったんですよね。

これに早く気づいていれば、ガーベラは長生きできなかったとしてもそれなりに満足した余生を送れたはずなのではないでしょうか。

 

アナベルに激重感情を抱くコリウス・エリカのふたりも、きちんとアナベルが何を望み何を求めているか理解していたらこんなややこしいことにはならなかったでしょう。相手が「どうしてほしいか」を理解せずに誰かを愛することなんてできないんですよ。

ヘンルーダは説明するまでもなくクズなので省きます。

 

と、全体的にガーベラが大人たちの事情に振り回され、スポイルされて「自分がどうしたいか」をないがしろにされている話でしたね。ガーベラかわいそう。

面白くなかったわけではないのですが、これを単純に「鬱展開」「地獄」と称するのは私は少し違うと思います。回避できたはずの悲劇に、ひとりの女の子が巻き込まれる話です。大人が悪い。

もっとちゃんと報連相してください。

 

大人たちには文句がめちゃくちゃありますが、話としては楽しめました。2.5次元に慣れているとみんな歌がうまくてびっくりしますね。演出もダークでかわいくて好きです。

特に親子ふたりのズブズブの関係、そしてその演技がすごかったです。田村芽実はLILIUMのときよりバージョンアップしている。歌に込める感情が重たいです。