ブックワームのひとりごと

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虐待されていた著者が、自らの息子を虐待しないためにニャンちゅうになりきる―あらいぴろよ『ワタシはぜったい虐待しませんからね!』

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ワタシはぜったい虐待しませんからね!

 

あらすじ・概要

父親に虐待されて育った著者は、結婚して息子を産んだ。過去のトラウマから決して虐待しないと誓うも、思い通りにならない育児に疲弊していき、ついに手を上げかけてしまう。このままではいけないと、育児のイライラをコントロールするために方法を模索する。

 

追い詰められていく中で虐待せずに子どもを育てるには

『ワタシはぜったい虐待しませんからね!』というタイトルから、「ああこの話はきっと虐待寸前まで行くんだろうな」と思い、その通りの作品でした。

著者が多忙な乳幼児の子育ての中で疲弊し、追い詰められていくところはすごかったです。怖い。

著者も描いているけれど、人間の子どもってなんでこんなに不完全な状態で生まれてくるんでしょうね……シマウマは生まれて即歩くのに。

 

このままでは虐待してしまうと思った著者は、どうにか理性を手放さないよう、模索を始めます。

その中で面白かったのは「キレそうになったらニャンちゅうの真似をする」というもの。子ども向け番組のキャラニャンちゅうは、乱暴な言葉を使いません。それになりきることによって、「自分の心を表現する」と「子どもに嫌だと言うことを伝える」ということを両立させているのです。

私はめったに怒らない分怒ると理性を失ってしまうので、このあたりのシーンは身につまされました。私も心の中に穏やかなキャラクターを飼いたい。アンガーマネジメントとしても参考になる場面でした。

 

かなりネガティブで思い場面も多いのですが、絵柄や表現がコミカルで少し突き放して考えられ、読みやすかったです。

文章ではこのポップさが出せなかったと思います。

 

この漫画を読んだ時コミュニケーションに悩んでいたのでほっとした部分と参考になった部分がありました。面白かった。