あらすじ・概要
庭を持てないため、マンションのベランダでガーデニングを楽しんでいる著者。害虫たちとの戦いや、育成の難しさに悩みながら日々植物の面白さを楽しんでいる。食べた果物の種を発芽させたり、ホームセンターで苗を買って来たり、季節や年ごとにベランダの植物は移り変わる。
植物って楽しいという主張に溢れたエッセイ
優雅なコミックエッセイを想像していたけれど、どちらかというと庶民的な作品でした。
作品の3割くらいは害虫の話なのではないでしょうか。絵柄がユーモラスなのであまり気味悪くはないですが、苦手な人は注意した方がいいかも。
きれいな植物にはえてして虫がつくもので、著者の育てている植物にはアブラムシやイモムシ類など、さまざまな虫がつきます。その度につぶしたりテープに貼り付けてとったり大変。
植物はきれいで面白いけれど、虫のことには優雅ではいられないなあ……と苦笑いしながら見ていました。
虫のことは大変ですが、著者が植物を育てることを楽しみ、強い興味を持ってその生態を眺めているところが感じられるので楽しかったです。
芽が出たら喜び、生育の状態に一喜一憂し、実や花をつけたら達成感を味わう。放置していた植木鉢の土に種が混ざっていて、思わぬところで発芽する。植物という生き物と一緒に暮らす魅力が存分に描かれています。
虫との戦いもその一部と思えばつらいことばかりではないのかもしれません。
私はまめに植物を育てることができないたちなのですが、著者の本を読んでいると一緒に植物を育てている気分になれて楽しかったです。