ブックワームのひとりごと

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貧困母子家庭で育った著者の実録貧乏生活―やまぐちみづほ『明日食べる米がない!~親が離婚したら、お金どころかなーんにもなくなりました!!~』

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明日食べる米がない! ~親が離婚したら、お金どころか、なーんにもなくなりました!!~ (コミックエッセイ)

 

あらすじ・概要

両親が離婚し、小さなアパートの一室に引っ越してきた著者と母親。母子家庭でお金がなく、父親からの養育費もしっかり支払われない。ときに食べるものがないほどの貧困に襲われ、著者は日々悩む。お金がないせいで友達付き合いもうまくいかないことが多く……。

 

面白いタイプの作品ではないけれど考えさせられた

まず、食べるものがないレベルの貧困は生活保護取れるレベルなので早く福祉を頼ってくれ!!

その部分は言い出すときりがないから置いておいて、「お金がない」ことに対する悩みや葛藤が子どもの視点から描かれていて面白かったです。

お金がないことをなかなか友達に言い出せなくてこそこそしてしまう、同じ母子家庭でも親類縁者のサポートがあるかないかで違う、などなど、貧困家庭の切実な現実が描かれています。

 

著者も母親も不器用なタイプで、アルバイトを掛け持ちして長く働けなかったり、ストレスですぐ仕事を辞めたりしてしまいます。これは読んでる私もそういうタイプなので「甘え」なんて安易に言えないですね。

 

著者の母親ははたから見ると頼りない母親で、どうかと思うんですが、母親の明るさや前向きさに著者が救われていた面もあるんですよね。

腹が立つ面もありつつ、他人がそこを否定するのもどうかと思ってしまうんですよね。

だから、自立をしたいという著者の意思表明で終わったことにほっとしました。今はどうしているかわからないけれど、元気に暮らしてくれているといいですね。

面白いというタイプの作品ではありませんが、いろいろ考えさせられました。

貧困理論入門

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