あらすじ・概要
育児休暇の後、会社に復帰することになった著者、子どもと長く過ごせなくなることを悲しく思いながらも、好きなデザインの仕事を必死で頑張る。ときに夫といさかいながらも、何とか仕事を続ける一方、職場からは収入の当てにしていた手当をなくされてしまい……。
働く女性への差別ってこういうものなんだなあ
表紙から子どもによってドタバタしているだけのコミックエッセイかと思ったら、働く女性の今現在の状況について考えさせられる内容でした。
育児休暇から復帰し、ときに夫ともめたり、子どもと長く過ごせないことにネガティブになったりしつつも、何とか「ワーママ」として滑り出したように見えました。
しかし会社が著者に今まで出していたみなし残業手当を全額カットしてしまい、著者は収入が下がってしまいます。
なくなってしまった手当を取り戻そうと、同僚や直属の上司の協力を得て会社の上層部に訴えますが、うまくいきません。
実際のところ出産を理由に待遇を下げることは違法ですし、著者は社長からマタハラ的な言葉を投げかけられます。
いくらインターネットで働く母親への理解を求めても、耳を貸さない人は貸さないのだなあと悲しくなりました。
著者の周囲の人たちが理不尽な待遇に憤ってくれたのが救いです。
きれいごとではない、ワーママの大変で困難な部分を描きつつ、救いのない話ではなかったのがよかったです。
捨てる神あれば拾う神あり、著者に何かいいことが起こってほしいと思う終わり方でした。