ブックワームのひとりごと

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大好きな人と合体したまま配信者魔術師と対決する羽目になってしまった―橘公司『王様のプロポーズ2 鴇羽の悪魔』

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王様のプロポーズ2 鴇羽の悪魔 (富士見ファンタジア文庫)

 

あらすじ・概要

もうひとつの魔術師養成機関<楼閣>と交流戦をすることになった<庭園>だったが、そこに魔術師向けの動画サイトで活躍する喰良という少女が現れる。無色のことを「彼ピ」と宣言した喰良は彩禍に勝負を挑む。しかし今無色は喰良と合体しているわけで……。

 

女の子の敵に打ち勝ってもマウントで終わらないところがいいよね

配信者のヒロインというのは今どきだなあと思いつつ、その設定を生かした展開で面白かったです。

喰良がなぜ配信をして目立とうとするのか、理由がわかった瞬間ぐっときました。そしてその前座としてトンチキ配信をしていたことも笑えます。超有能なのにかっこつけずに面白配信をためらわないところ、配信の鑑ですね。

 

男性主人公が女性の滴を倒す場合、男性主人公が女性にマウント取ったり説教したりして、それに引いてしまうことがあります。しかし『王様のプロポーズ』の無色はあまり女性にマウント取るような真似はしないし、むしろ女性陣が無色にマウント取って終わるんですよね。

無色は周囲の女性キャラに好かれまくるけれど、あまり生々しい感じはしないのは、女性の方が優位な描写が多いからかもしれません。

 

無色は彩禍のチートな力を持っていますが、状況によってそれを使いこなせない場面が多々あります。無色が彩禍と体を共有しているゆえに、無色がその場にいなければいけない状況では彩禍の力は使えません。そしてときにハプニングで無色と彩禍の姿は入れ替わってしまいます。

読者に「ここからどうなるのだろう?」と思わせるのが上手いんですよね。