ブックワームのひとりごと

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『私はかんもくガール』らせんゆむ 合同出版 感想

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私はかんもくガール: しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常

 

あらすじ・概要

子どもの頃、ずっと黙っていた著者は、支配的な友人に振り回されたり、周囲のからかいの対象になったりする。思春期から青年期にかけてかんもくを脱出するが、今度はうつや不眠に悩まされる。かんもく女性の今までを描いたコミックエッセイ

 

しゃべれない「かんもく」を乗り越えた後の苦しみ

かんもくは未来にも影響を及ぼす病気

特定の人、場所でしか話せず、ずっと黙ったままの人、かんもく。「子どものわがまま」と思われていた時代もありますが、今は病気として治療の対象になっています。

 

著者は小学生の頃かんもくになってしまい、それゆえに苦労します。

母親との不仲、いじめやからかい、かんもくを脱出してからの悩みも語られます。

かんもくはそれそのものがつらい以上に、その後の人生に大きく影響を与えるのだなと思いました。

私もかんもくではなかったけれど、クラスで孤立したり人間関係がうまく行かなかったりもあるので、共感しながら読みました。

 

ひどいなあと思ったのはかんもくであることによって支配欲の強い子どもに絡まれて言いなりにされそうになることです。こういう子って自分のいうことを聞いてくれそうな人がわかっているんですよね。

著者も嫌いなやつのうわばきにいたずらしているので、どっちもどっちではありますが。

 

一方かんもくであることを脱出した方法、うつになりやすい自分を自覚して癒した方法については詳しく書かれていません。実際に今かんもくに悩まされている本人や家族には物足りないかもしれません。

しかし、ひとりの他人としては面白いないようでした。