あらすじ・概要
子どもが小さいころは協力的で、子育ても積極的に行ってくれた夫。しかし無職になったことをきっかけに、家族の歯車は狂い始める。夫がアスペルガーと知り、たくさんの葛藤や悩みを乗り越え、ほどほどの距離感で付き合うようになったカサンドラ症候群の女性のコミックエッセイ。
もし好きな人と話が通じなかったら?の悲しみ
カサンドラという言葉を有名にしたコミックエッセイシリーズ。飛び飛びで読んでいたため、KindleUnlimitedに来たこの機会にまとめて読むことにしました。
カサンドラ症候群とは、発達障害のパートナーの関係に疲弊し、メンタル不調を起こしてしまうことを指します。
角川新書の『カサンドラ症候群』も前に感想を書いたので、こちらも参照してください。↓
すべて読み終わって思うのは、著者は決して夫を憎んでこの作品を書いたわけではないということです。むしろ、はっきり夫を嫌えるような人間であれば楽だったかもしれません。
好きだった相手が実はコミュニケーションの通じない相手だったことに気付き、苦悩する著者の姿は読んでいて苦しかったです。
最終的に、著者と夫は別居した状態で結婚という関係を維持しています。ふたりにとってはこの距離感が理想だったのでしょう。
たまたま義実家がカサンドラに理解があり、著者と夫の関係改善に協力的だったのもよかったのでしょう。他の家族に責められていたらもっとつらかったと思います。
子どもも面倒な親だなあと思いつつ、父親に合わせられるくらい大人な態度を取れる子でよかったです。あまり無理はしてほしくないですが。
当事者としてもきちんと監修が入っており、ちゃんとした漫画だと感じます。
一方で長く同じテーマを扱っているため、同じエピソードを何度も読むことになりました。この辺は1冊ずつ買って読むとまどろっこしかったと思うので、KindleUnlimitedでまとめ読みしてよかったかもしれません。
1冊だけ読みたい人はとりあえず序盤の作品を読んでみるといいかなと思います。