一巻完結のライトノベルのおすすめに上がっていた作品です。
あらすじ
二人でヒーローごっこをしていた映画研究部の「僕」とカントク。そこに男装の少女桐香が現れたことから、映画研究部は変わっていく。三人の淡い恋の行方はいったいどうなるのか……。
いとおしくなってくる三角関係
女の子一人、男の子二人の三角関係ストーリーなんですが、あまりドロドロはしていなくて、三人のかけがえのない日常がメインとして描かれていたのがさわやかでした。日常シーンが本当にかわいらしくて和みます。
悲恋といってもいい物語ですが、それだけではなく、少し希望をもって終わったのが素晴らしかったです。
主人公が部活仲間二人を大切に思っているところがいとおしくてよかったです。基本的に悪い人が出て来ない作品なので、読んでいて安心できました。
「これから」のことは読者の想像に任されています。だけど三人がそれぞれ、幸せな人生に向かって歩み出してくれるといいなと思います。
映画を作る三人
それから、この作品のテーマである「映画製作」のシーンが楽しそうでよかったです。
特撮のことは詳しくないんですが、桐香とカントクのいさかいに「いかにもありそう……」と思ってしまいます。でもそのいさかいを乗り越えて、一つのものを作り上げようとする三人にはわくわくします。
そしてその映画製作の過程が、恋愛要素とリンクして進行していくのが面白いです。映画製作を楽しく見ていると自然とそこにある恋愛心がわかってくるんですよね。
三角関係と映画製作、両方の要素がうまくかみ合っていて見事に構成された話でした。
発行が後の作品を読むにつれ、どんどん構成力が上がっていくのがわかります。この著者はすごいなあ。
まとめ
王道の三角関係で面白かったです。あまりライトノベルで見かけないテーマですが、うまくライトに調理していると感じました。
またこの著者の本を読んでみたいです。