ブックワームのひとりごと

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『五時間目の戦争』優 角川コミックス・エース 感想

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【電子版】五時間目の戦争(1) (角川コミックス・エース)

 

あらすじ・概要

愛媛のとある島で暮らしている中学生たち。ある日彼らは「戦争」に行くことを命じられる。しかし、クラス一の俊足の双海朔と、その幼馴染の安居島都は不適格として出征させられなかった。クラスメイトが大けがしたり死んだりする中で、ふたりは自分の無力さに打ちのめされる。

 

いたいけな子どもの戦争と青春が愛しい

いたいけな子どもが戦争に行くやつ、としてはよくある話なんですが、面白かったです。

絵が抜群に上手く、中学生の心の機微を描くのも上手いです。ストーリー自体はベタですが、ぐいぐい読んでしまう作品でした。

徐々に物資が減っていき、人もいなくなっていく島で、必死に生きていく中学生たちがかわいかったです。

「かわいそうはかわいいい」というとちょっと罪深い趣味ですが、たまに読むと興奮してしまうな……となりました。

 

彼等はどうして戦争をしているのか、というネタ晴らしも、意外性があって面白かったです。

結末はハッピーエンドとは言えませんが、さわやかさもあり、印象的でした。

 

しかし、この手の戦争もののフィクションは、現実で戦争が起こっているとどうしても「かわいそうでかわいい~」と思えないところがあります。そういう意味で、戦争は早く終わってほしいですし、フィクションの中だけのものであってほしいですね。