あらすじ
宇宙船に取り残された子どもが、男女のごたごたが原因だと判明。一件落着するところだったのだが、子どもを捨てることに起こった真樹子は子どもを返したがらない。そしてさらなる混乱が待ち受けていた……。
痴情のもつれで混乱する人々
本編ではスケールの大きい事件にかかわることが多い面々ですが、今回は完全に痴情のもつれに巻き込まれています。
はたから見ていれば面白いけれど、巻き込まれるのは絶対嫌ですね。
真樹子が怒り出さなければだいたい解決するんですが、彼女が怒る気持ちもちょっとわかるので、読者として複雑ですね。
さんざん混乱したあと、解決は次巻に持ち越し。楽しみというより呆れる部分のほうが多いんですが、それでも続きが気になってしまうからすごいですね。
この混沌とした状況にどうやってエンドマークを付けるのか、作者の力が問われています。
キャラの濃い人たち
キャラの濃い人々のあれこれは変わらず面白いですね。
特に所長と中谷とのファーストコンタクトがすごかったです。この傲慢さ、逆にすがすがしくなってきました。
『星へ行く船』に登場する彼はだいぶおとなしくなってたんだなあと感じました。
真樹子もいきなり「養子になる」と言い出して、しかも「いい娘になれると思う」と断言するところがやばいです。ときどき人の心がわからない人なんでしょう。
そんなアレな人たちがなんとか協力してやっていっているんだから水沢総合事務所ってすごいところだったんですね。
あゆみ中心の話だと気づけないところも、この番外編シリーズだと気づけるから面白いですね。
まとめ
いつもより荒事は少ないんですが、逆にないからこそ恐ろしさを感じてきました。次回はもっと波乱万丈になりそうなので、心配です。
はたして水沢と仲間たちはちゃんと事態を収拾できるのか。