ブックワームのひとりごと

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『SFのSは、ステキのS』池澤春菜 早川書房 感想

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SFのSは、ステキのS (早川書房)

あらすじ・概要

SF好きの池澤春菜。彼女が日常にSFを見出したり、SFをテーマにしたゲームをやったり、SF関連のコンテストの審査をやったり……。SFの楽しさを伝えながらも、SFが持つ課題点についても語る。SFを読む楽しさと、フィクションをめぐる問題提起があるエッセイ集。

 

SFの楽しさとSFというコンテンツが抱えている問題点と

序盤はオタクでポジティブな話が多いですが、徐々にマイノリティやジェンダーの問題に言及せざるを得なくなっていく。その過程が面白かったです。

もちろん、著者がSFが大好きなのは一貫して変わりません。世界のいろいろなものにSFを見出して、考えもします。

 

著者の素晴らしいところは、SFというジャンルが抱える問題点について、ファンや読者についてきちんと話す用意があるということです。

SFというジャンルで長年女性が侮られていたことや、現代のモラルやジェンダー観に取り組もうとする作品の軽視など、SFが抱える問題は多いです。

そこをないものとして扱うのではなく、話題として取り上げた上でなおSFというものは素晴らしいジャンルなんだ、と説きます。

 

私も、SFというジャンルは好きですが、SF好きの界隈には自浄作用が働いていないのは事実だと思います。ときどき失礼な発言をするのは「そういう人間もたまにはいるだろうな」と思うのでまだいいです。問題は、そういう発言をした人を安易に擁護することですね。

言ったことの責任を引き受けるのは当然のこと、言葉を使った商売をするならなおさらです。

SFというジャンルがこれから発展していくにしても風通しのいい、自由な議論がなされる場所であってほしいです。

 

 

 

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