あらすじ
10年以上彼氏と同居し続けていた著者。しかし他に好きな人ができたと恋人に言われてしまう。修羅場を経て、同棲解消を決めたふたり。期日までの重苦しい時間が始まった……。
いつか来るかもしれない別れ
「夫婦」だったらまだ考えられたのかもしれないけれど、「恋人」だったから別れるしかなかったんでしょうね。
印象的だったのがこの回想のシーン。浮気を告白される3ヶ月前に、ふたりはこういう会話をします。
「他に好きな人ができたら?」
「うん どうする?」
「そんなの 私を好きじゃなくなった時点で相方は相方じゃないのだから そんなのいらんよ」
(P66)
いわば探りを入れられていたわけです。
この時点で、ふたりの結末は決まっていたのだろうなと思うとなんだか物悲しいですね。
いつまでも一途ではいられないこともある。当たり前なんですが、そういう状況になってみないとわからないんだろうなと思いました。
鷹揚さと皮肉と
この経緯を「漫画に書くよ」と言われて受け入れてしまう元相方の人はすごいですね。私なら絶対拒否するな……。
自分が浮気をした後ろめたさもあるだろうけれど、もともとが鷹揚な人だったんでしょうね。
しかし、ラブラブエッセイを出版社に持ち込んだときには箸にも棒にもかからなかったのに、同棲終了したときには「本にしましょう」と言われてしまうのは皮肉です。コントみたいですね……。
そういう皮肉な現状も利用してしまうしたたかさは嫌いではないです。
まとめ
漫画家が彼氏と別れるだけのシンプルな話なんですが、結構楽しめました。(楽しめたというとちょっと不謹慎ですが)
好きだった人と別れるのはしんどいでしょうねえ。